元イスラエル軍兵士ダニーさんの話at熊谷市民活動支援センター2025.1.18
今日は、熊谷市市民活動支援センターにて、イスラエル人のダニーさんの講演を聞かせていただきました。
複雑なパレスチナ問題をわかりやすく解説していただいた他、軍拡が続いている世界情勢や平和の実現に向けて求められること等、深く深く考えさせられる内容でした。
印象的なことを簡潔に。
イスラエルは、大規模な攻撃を繰り返し勝利を宣言しているが、国民の3割も4割もPTSDやうつ、不安症に悩まされている。ガザに派遣されていた兵士が帰国後PTSDを発症。再び招集され、現地へ行く2日前に自殺。彼には奥さんと4人のこどもがいた。これが戦争。勝者はいない。
2008年、イスラエルはパレスチナのこどもを300人殺した。このころのこども達が2023年大人になっている。当然この人たちはイスラエルを恨んでいる。2023年こども達が18000人殺されている。この世代が大人になるとどうなるのか想像してほしい。これは、パレスチナ(ハマス)にも言えること。
イスラエルの小学生が使っている地図は、ヨルダン川西域のパレスチナ人自治区をイスラエルの領土としている。みんな当たり前のようにそう信じている。しかし、徴兵され現地に行くとそこにはパレスチナ人が住んでいる。若者たちは、不法占拠しているパレスチナ人を容赦なく攻撃する。このような歪んだ教育が状況をさらに悪化させている。
ダニーさん自身も、当たり前の異様にパレスチナ人やシリア人のことを悪い奴、危険な人々と思い込んでいたそう。日本に来たら、代々木公園で中東各国の人たちが仲良くケバブを売っている光景を見てビックリした。国同士は仲が悪いのに、個人は仲良くできる。シリア人に恐る恐る近づいたら同じ人間だと気づいて衝撃を受けたそうです。
人間には敵と感じるDNAはない。教育や環境によって作られる。
人間が戦争する生き物だとしたら、埼玉県と群馬県でも戦争になっているはず。私たちは歴史を学んでいるが歴史から学んでいない。人間の歴史は決して戦争の歴史ではない。現在もウクライナとロシアで戦争をしているが、それは人口の2%。しかし、歴史の先生は、2022~の歴史を「ウクライナ戦争があった」と教えるだろう。しかし、本当の歴史は、イタリアの人々はピザを食べ、フランスの人々はカフェオレを飲んでいる。そんな教育を変えるだけでも平和になるのでは??あえて敵を作る教育や社会、政治も見直すべき。こどものころから敵を作って煽ることが当たり前になっていないだろうか?それでは、隣のよく知っている人とは仲良くできるが、遠くの顔も知らない人々をちょっとしたきっかけて憎んでしまう。日本人は中国人を見下しているようにも感じる。それでは平和は来ない。日本は、軍事費をどんどん増やし教育費は軍事費に逆転され減り続けている。人口が10倍の中国を相手に、どこまで軍拡競争をするのか。兵士も軍事費も増やせば増やすほど国民にしわ寄せがくる。これを止めるには対話しかない。中国だって北朝鮮の指導者だって人間だ。イスラエルとパレスチナだって一時期関係を改善させたこともあった。25年前ガザとテルアビブは姉妹都市だった。やろうと思えばできる。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。拙い要約ですが、少しでも感じていただければ幸いです。
私の感想。
平和や環境、脱原発等の活動や言論に左翼的だとか、リベラルだなどと政治思想の話にリードする風潮がありますが、今日のダニーさんの話は政治思想や信仰に落とし込むのは間違いです。なかなか聞くことのない日本人とは別の視点からの貴重なお話でした。
変化の激しい予測困難な時代を生きる私たちにとって、いかに自分の当たり前から脱却することができるかが非常に重要です。
常識や当たり前、みんなと一緒は、一旦置いて、少数者やマイノリティ、非主流派の立場に立って考えてみていただきたいと切に願います。