持病があることを隠すのをやめた話
みなさんは持病がおありですか?
きっと超健康体! なにそれ? ってかたも、人間誰でもあるよ……ってかたもいらっしゃることでしょう。
わたしには持病がいくつかあります。
・睡眠障害
・躁うつ病
・不安障害
・食物&薬アレルギー(ピーマン、青魚、一部の漢方薬)
多分、わかってないだけで、他にもあると思う。メッチャ謎のくしゃみと鼻水が出るときがあるし。
でも、めちゃくちゃ注意しながら生活してるのが、この四つの病気です。
わたしは、特にこの上記の精神的な病気を隠して生活してきました。
なんでかって?
単純に、
「あの子は頭がおかしい」
「あの子って、あんな病気持っとるんやって〜」
「ああいう病気やから、あんなん(行動や性格について)ねんな」と言われたり、必要以上に気遣われたり、気遣うことで気持ちよくなられるのが、たまらなく嫌だったからです。
まず、一つ言いたいのは、病気と性格は別物です。病気だから、こんな性格なんじゃない。病気だって薬である程度はコントロールできる。できないこともあるけどね。(躁状態に入ったときの買い物依存とかはコントロールが非常に難しい)
だから、それをもってして、あの子はネジの緩んだ性格、と思われるのは凄く嫌だった。いや、元々やねん、これ。こう言う子なのよ、わたしは。そう思われたほうが楽なんよ。
そして、わたしは結婚前、かなりの田舎に家族三人で暮らしていました。住宅街の中で、なーんにもないような顔をして、平和な家族を演じていたと言うか、平和ではあったけど、病気によって平和じゃない部分は見せないようにしていた。噂を立てられたくなかった。それは自分のためでもあり、家族のためでもあった。
あと、持病を持っていると言うと、すっごく気を遣って、気を遣ってあげている自分、優しい〜ってなる人が一定数いるのは事実で、それがなぜわかるかと言うと、気を遣うところが間違ってるし、結局そう言う人は続かない。最後に捨て台詞みたいに、
「○○ちゃんにはついていけない」と言って逃げていく。
そんなことから、わたしは別の体調不良で、病院から持病がないか、飲んでいる薬はあるか書くよう言われても、絶対書かない人だった。
でも、ある日からそれをやめた。
それがつい最近のことだった。
はじめは一週間毎日頭痛が続いて、鎮痛剤を飲んでいた。
そのあと、喉に何かが詰まったような違和感を覚えた。
このとき、それが不安障害の症状と知らず、わたしはいろんな病院に通った。
内科、心臓・糖尿の専門病院・耳鼻咽喉科・口腔外科、歯科……。
そこで、すべての病院で、持病と飲んでいる薬をすべて書いた。
わたしのなかで、いい意味で諦めがついたのだ。
書いて、それが病状と関係しているなら、まだ自分の中で理由づけができて楽になるかもしれない。
結果として、医師には
「これだけちゃんと記録してもらえていると助かります」というのもあれば
「わざわざメモしてたの?笑」という医師もいた。
でも、大体はちゃんと書いてくれたほうが参考になる、というものだった。話がスムーズに進むこともかなりあった。
でも、体調は悪化した。今の病状で飲む薬がない、と言うか、飲んでいる薬が多すぎて、これ以上飲むのは医師的にはお勧めできないと言うことだった。
なんせ精神薬だけで一日十九錠飲んでいる。
直接の原因かはわからないけれど、どんな状況でも心拍数は百を超えている。
だから、病状は悪くなる一方で、そしてやっと精神科の通院日が来た。
結果は不安障害だった。
喉のつかえは漢方でだいぶ良くなるはずだし、良くなってもたまに急に出てくることがあったとすれば、ホエイの入ったデパスの頓服を常備しておいて、飲むように言われた。
でも、ここで問題がある。
例えば友人と出かけるとしよう。その友人はわたしが今そういう状況だとしらない。そんな状態で突然薬を飲み始めたら、びっくりする人だっている。
だから、わたしは出かける前日にLINEや、当日に出かける前に説明をする。
「わたし、今、不安障害って病気になってて、普通に遊んだりはできるんやけど、たまに発作みたいなのが出て、そんなに酷いもんじゃないんやけど、薬飲まなあかんから、薬飲んでたら、あー、発作出たんかな、くらいに思っといて」と。
そうすると、ほぼみんな、わかったよ、とすんなり受け入れてくれる。それがきっと、みんなの優しさなんだと思うんだけれど。
よくよく考えた。
わたしの病気って、なんか恥ずかしいことなのか?
恥ずかしかったとして、隠す必要があるのか?
隠して、症状が突然出て、誰かに迷惑をかけるほうが、わたしは絶対嫌だ。
精神科の先生は言った。
「治そうと思うよりさ、一生付き合ってく、と思ったほうがいいぜ」
この言葉は衝撃的だった。
たしかに、精神病に限らず、いろんな病気で一生付き合ってく人たちがいる。
苦しい病気と一生付き合うのは、気が遠のくほどつらいことかもしれない。
でも、この言葉がわたしを楽にした。
適切に薬を飲み、カウンセリングを受ければ、一生付き合いながら、普通に生活ができるんだと。
だから、一生付き合うには、少なくとも、自分にとって大切な人や、自分を助けてくれる存在には、病気や薬のことをオープンにする必要があるのだと思ったから、もう隠すことをやめた。
それから随分と楽になった。
もちろん、言う相手は選ぶけど、隠さなくていい、ということがわたしのメンタルを楽にしてくれた。
言うことで、嫌な態度を取る人は絶対いる。
悲しいけれど、理解がまったくできないひともいる。
それはもう仕方のないことなのだ。
だから、そこは自己判断して自衛しなければならないけれど、それは長い経験を通して、なんとなく掴めてくると思う。
わたしのようにすべての人に病気を隠している人がいたとしたら、言うことも勇気だと思って、必要な場面では言ってほしい。
それによって、救われることも絶対にあるから。
※ちなみにわたしは今、エビリファイの副作用で、アカシジアが出ている。一気にエビリファイをやめることは危険なので、12mgを四分の一にカットして、一粒だけを飲んでいる。(医師の指導によるものなので、真似はしないでください)