#27人生で一番早い1年
2020年11月某日
私が我が子をこの世に産み落としてから1年が経とうとしている。
2019年11月某日、朝方お腹の中から「パチンッ」と音がした。
頭の中では冷静に『あ、これ本で読んだやつだ』 そう思った。
三日三晩苦しんで。産みの苦しみってやつを。
最後には切腹した。
切腹されてこの世に出てきた我が子の鳴き声は『にゃぁ』だった。
無事だった我が子を確認した時、春みたいな気持ちになった。
あの、生ぬるい、でも確実に暖かくなりゆくのが肌で感じられるあの「フワッ」とした気持ち。そんな気持ちになった。
それからの記憶はもうあまりない。乳飲み子を死なせないことで精いっぱいだったから。なんなら新生児の鳴き声なんてもう思い出せない。動画もっとたくさん撮っておけばよかった。もっと泣いている顔を見ておけばよかった。
泣かせてはならない。母親は完璧でなければならない。
そんな【母親神説】なんて、くそくらえ。
でも生まれてきてくれて、ありがとう。
母にしてくれて、ありがとう。
ゆっくりお風呂にはいる時間も、ゆっくりトイレで用をたす時間も、気づいたら夕方まで寝ていたなんてことも、そんな時間多分もう訪れないけど、でも私はあなたが居てくれるだけでしあわせ。
あなたがたくさんご飯を食べてくれることも、おむつを大量に消費することも、衣服がすぐ小さくなって家計費を圧迫することも、うれしかったり困ったりで頭を悩ませるけどで、このステージに立たせてもらったこと感謝してるよ。
早々にくる誕生日よ、ありがとう。