除雪しちゃうぞ! (スノー・ロワイヤル 感想)

最初はだいぶお年を召したなあと思いました。
我らが最強パパ・リーアム・ニーソン
家族を誘拐されたり殺されたりして復讐する男といえば彼。
復讐劇ばかりやっているわけではないけど、「96時間」で3回もやったから、もうその印象しかないですよね。
今回は息子の復讐のために立ち上がるパパでございます。

こんにちはTOKです。
今日からついに映画レビューやります!

今日取り上げるのはこれ。

ハンス・ペテル・モランド監督。
リーアム・ニーソン主演。

スノー・ロワイヤル
(原題:Cold Pursuit)

でございます。
2019年の新しい映画ですね。

ウィキペディアによると、モランド監督が2014年に撮ったノルウェー映画「ファインディング・ダディ 怒りの除雪車」を自分でリメイクした映画だそうです。
てかこの邦題!
ファインディング・ダディて。
※スノー・ロワイヤルもなかなかだけれども。
ファインディング〜の原題はKraftidioten。スウェーデン語らしい。
スウェーデン語わからないので翻訳かけたら、「パワーバカ」って出た…。
ちなみにパワーバカの主役は、スウェーデン俳優と言ったらこの人、ステラン・スカルスガルド(私がパッと思いつく出演作は「天使と悪魔」「マイティ・ソー」「アベンジャーズ」「ドラゴン・タトゥーの女」)。

ニーソン版の「スノー・ロワイヤル」の原題である"Cold Pursuit"は「寒い追跡」みたいな意味でしょうか。
※受験英語としては pursue "追う"という動詞の方がお馴染みですかね。

さあ、リーアム・ニーソンといえば。
やはり家族のための復讐劇シリーズ「96時間」。
元CIAパパが娘や元妻のために殺しまくるお話。
スノー・ロワイヤルでは除雪作業員ですがなぜか強いです。

「96時間」が衝撃的だったから代表作になってしまったけれど、「スター・ウォーズ」でルーク・スカイウォーカーの師匠の師匠であり、お父さんの師匠の師匠でもあるクワイ=ガン・ジンを演じていたり(複雑)。
あとはバットマン最高傑作ダーク・ナイトシリーズの一作目「バットマン / ビギンズ」の悪役。
というか、「シンドラーのリスト」を忘れちゃいけない。
リーアム・ニーソンの名演のせいで、見たら必ず泣いちゃうシーンがあるんですよ…。

「スノー・ロワイヤル」の話をしましょうね。
強い除雪作業員です。
けど、肉弾戦(?)というか、殴るばっかりだと流石に疲れるという、老いを笑いのネタにしていたシーンもあって、なんか私はしんみりしてしまいました笑
次の2項目に分けてお話します!

美しい景色と音楽 (雪国で黙々と除雪するパパ)

パパは除雪作業員。
美しいガットギターの音色をバックに、黙々と作業する姿がかっこいい。
模範市民賞の授賞式でもひたすら謙虚な姿勢を見せる、物静かな紳士です。

息子を殺されなければ。

けれど、逆上してスーパーアクションをするって感じでもないんです。
ただ静かな怒りを燃やし、淡々と復讐していくパパ。
その間もずっと、画面が綺麗なんですよ。
不謹慎ですけど、遺体安置所の壁が雪を思わせる真っ白で、悲しげな表情のニーソンが「息子は麻薬をやらない」と呟くシーンとか。
結婚式用のドレスのお店とか。
主人公のおうち周辺の景色とか。

あとはネイティブアメリカンのおうち(?)。
すっごいお洒落です。
そのボスというか、ネイティブアメリカン・パパがいるんですけど、彼がネイティブのお店に行って、製品に "Made in China" と書いてあるのを見て少し悲しそうにしたりするシーンも切ない。

しかしこの映画の魅力はそういう美しさに別の要素が加わっていることだと思います。
切なげで美しい、悲しい雰囲気にプラスされた、むしろメインの要素とは——

ブラックコメディ。

人が殺されるたびに画面に名前と十字架が出てくる演出を始め、この映画は基本コメディ映画なんです。
コメディ映画の中に、一人だけ真面目で物静かな男が紛れ込み、キレて暴れだす。
謎。

麻薬組織のボスは、手下の失踪がまさか除雪作業員に殺されたとは思いませんから、勘違いして無実の敵対勢力に復讐。
それをきっかけに抗争が始まり、主人公そっちのけで殺しあう
まさに謎展開。

ネイティブアメリカンへの差別問題もジョークのネタにしてしまうし、絶対必要ない殺人がいっぱい出てくるし、麻薬組織のボスの元妻強いし、主人公の兄弟?の妻or恋人のキャラがシュールだし、警察が元彼騙して情報手に入れまくった上に全く活躍しないし、ラストシーン意味わからんし。
ボスの息子とニーソンのシーンがやたら可愛い上にベッドタイムストーリーが除雪車のカタログだし!

麻薬組織のボス役、トム・ベイトマンがMVPでしたね。
彼の演技だけでずっと幸せな気分で見てられます。
「オリエント急行殺人事件」以来に見ましたけど最高ですね。

あるカップルの片方がもう片方の前で殺されるシーンがあるんですけど、残された方の悲しい顔と、殺されるシチュエーションのシュールさのせいで、なんか見てるこっちが気まずい気持ちになるんですよね笑

ストーリーも格別面白いわけではなく、泣けるシーンがあるわけでもないのに、画面・音楽の美しさ+ブラックジョークだけで最後まで駆け抜けてしまう。

いいっすよ。こういうの好きですよ。
というわけで、「スノー・ロワイヤル」、全体を通した感想は、

すれ違えない狭い道で除雪車が向かいからやってきたら超怖い

でした!
ではさようなら!

5段階評価するなら⭐︎3(好き)ですね!(※基準)

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