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【お茶屋】蔵カフェまでの道のり~本格始動編~
5/26オープンに向けて準備中の蔵カフェ。前回に続き、蔵カフェ化までの道のりをお伝えします。前回は問題解決編でした。
今回は本格始動してからのお話です。
1.デザイン
今思えば、昨年3月に長岡造形大学の津村先生、北先生に蔵をみて頂き、安全面の課題がクリアできたことが分岐点でした。
その流れで後日、長岡造形大学の学生さんたちに蔵を見に来てもらいました。
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蔵や建物に興味を持ってもらえたこともあり、デザインの部分で学生さんたちに、お手伝い頂くことになりました。
まずは、現地調査。蔵の内部だけでなく、蔵の周りや屋根裏、お店から蔵までの回廊など、様々な場所を実測してもらいました。
面白かったのは痕跡調査。壁に書かれている文字や穴などの痕跡を元に、ここに何があったかや作られた経緯など、建物の歴史が推測できます。
「現地調査し建物の歴史を紐解いてからするのが本当のリノベーションである」
本質を突いた先生のお言葉が印象的でした。
現地調査の後はデザイン提案。学生さんたちがステキな提案書を作ってくれました。
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私じゃ考えつかない斬新なアイデアばかり!
蔵カフェの事業計画書は作成していましたが、デザインに疎い私は蔵カフェのイメージがわきませんでした。
学生さんたちからデザインの提案を頂いたことで、完成形をイメージすることができました。
提案書を作る過程で、与板のまち歩きや、色んな文献の調査、小布施の視察などしてくれて有難かったですし、頂いた提案書が悩んだ時のバイブルになっています。
2.内装工事
デザインの次は内装工事。特に2階吹き抜けの柵や階段の手すりはデザインが大切でした。
学生さんから頂いた提案書を基に、私が大工さんにお願いしましたが、大工さんは安全重視でやりたいと。
安全面を担保しつつ、デザインを活かしてほしかったのですが、私が建築について詳しくなかっため、齟齬が生じてしまいました。
そこで現場経験もある津村先生に間に入っていただき、大工さんとの齟齬も解消されました。この時は本当に助かりましたm(_ _)m
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手すりや柵設置以外に、2階の押入解体や窓設置、外壁補修の工事も無事に終わりました。
次は照明工事。ダクトレールの設置場所が決まっていたことや、工事をお願いしたのが同級生(のりさん)だったので、工事自体はスムーズに終わりました。
一方、電球の種類や向きをどうするかで、工事後、非常に悩みました。
特に、蔵の2階はダクトレールを壁側に設置したため、電球の光が視界に入りやすいのです。
スポットライトで向きを下向きにすると眩しくなるし、かといって上向きにすると全体が暗くなる。
さまざまな電球を試した結果、直接見ても眩しくなく、全体を照らしてくれるボール型の40Wの電球を採用しました。照明も奥が深い。。
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3.事業計画
2月に木下斉さん及びLDL(Locally Driven Labs)のメンバーに蔵カフェの事業計画を見てもらう機会がありました。
LDLとは、約20年にわたって全国各地で経営とまちづくりに取組んでいる木下斉さんが所長として立ち上げたラボです。参加していて、いつもノウハウと刺激を頂いていますm(_ _)m
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売上目標に対して席数が冗長すぎると、開始早々鋭すぎる指摘を頂いたり、「お茶屋は入りづらい!」と世のお茶屋へのダメ出しが始まったり、冷や汗交じりの1時間でした(^_^;)
しかし、全国のまちづくりの実践者の方々から様々なアドバイスを頂き、とても有意義な時間でした。
・カフェ以外の利用
⇒オペレーションを簡略化するべく、蔵2階はコワーキングスペースやイベントスペースなど、カフェ以外の利用を模索
・カフェとして頑張りすぎない
⇒オペレーションはシンプルに。良い商品があれば来店いただける。自分たちの想いやこだわりを伝える場としての位置づけ
・お茶屋特有の入りづらさを解消する
⇒商店街に接している店舗にも喫茶席を設けて入りやすさを訴求
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・情報発信の蓄積
⇒商品開発したものをブランド化するべく、ロゴ作成やパッケージを刷新。客観的視点をいれるために、デザインは自分たちでやらずデザイナーに外注
尊敬する方々からの貴重なアドバイス。これを実践しないわけにはいきません!
そんな中で、あっという間に5/26のオープンを迎えます。
オープンチラシはロゴ作成をお願いした、与板在住のデザイナーの方が作成して下さいました。我々夫婦の想いを親身になって聞いてくださり、ステキなロゴとチラシが出来上がりました。
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カフェができるまでの過程で様々な困難がありましたが、多くの方々からのお力添えでここまで来れたと感慨深いです。
ご縁により作られていく蔵カフェ。オープンしてからは人と人とのご縁をつなげる空間になればと思います。