【政治】兵庫県知事選挙について思うこと
兵庫県知事選挙が終わり1週間。テレビやネットがザワついている毎日です。
当初騒がれていた知事のパワハラ問題やおねだり問題は、テレビの偏向報道が明るみになり、選挙後は報道のあり方が議論されています。
1.兵庫県知事選挙に興味を持ったきっかけ
私が兵庫県知事選挙に興味をもったきっかけは、リハックでの兵庫県知事選候補の公開討論会を見たこと。
10月末、長岡市長選、衆議院選が終わり選挙ロスとなっていた私は(ヤバイよね🤣)、兵庫県知事選にN国党の立花氏が出馬するということで、何が起きてるんだ?と気になり、この公開討論会を見ました。
初めの自己紹介タイムから「えらいこっちゃですね」、「リハックで嘘はあかんで」と、エンジン全開の立花候補。自己紹介一切していない(笑)
「斎藤知事への弾劾は不正である。そもそも公益通報者保護法に違反していない」と煽ってくる立花候補に対して、反斎藤知事の筆頭である稲村候補は的外れな回答が目立ちました。
立花候補の主張は、斎藤県政を転覆させるための県議会によるクーデター説と、かなり大胆なもの。
ただし、
・3月と4月の2つの告発は別々で評価されるべき
・隠蔽された?元局長のPCデータ
・有意性に疑問のあるアンケート結果
などなど、立花候補の主張はある程度筋が通っていると感じました。
そして、仮に立花候補の主張が事実だったらとんでもないことだと、興味を持ち、一連の騒動の詳細を調べました。
しかし、テレビはその辺の報道をしないし、ネットだと逆に斎藤候補寄りの主張だし。
真実は何か?中立な報道をしているのはどこなのか?を知りたくて、自分なりに調べた2週間でした。(仕事しろ🤣)
2.争点はどこなのか
パワハラやおねだり、キックバックから始まり、選挙戦が始まると、クーデターや隠蔽、既得権益と、パワーワードがテレビやネット問わず、様々なメディアで騒がれていました。
テレビは「職員vsパワハラ知事」、ネットは「改革派知事vs既得権益」と、どちらも「正義vs悪」の日本人が好む構図で、視聴率や再生数の稼ぎ方が上手だなあと感心しました。
一方で、この騒動を突き詰めると、ポイントは、「公益通報者保護法」の解釈であると感じました。
今回の騒動のきっかけとなった、元局長による3月の外部通報時の斎藤知事の初動の対応。
ミヤネ屋の記事が流れをわかりやすく説明してます。テレビなのに結構中立!
百条委員会ではその対応のマズさが指摘されているわけですが、斎藤知事と百条委員会で「公益通報者保護法」の解釈が分かれています。
まず前提知識として、「公益通報者保護法」の通報先は、大きく分けて①事業者内部(内部通報)②行政機関③報道機関(外部通報)の3つです。
①内部通報は、真実相当性がそこまでなくても受け付けられますが、③外部通報は、通報者の所属する企業や団体の名誉や信用を損なわせるリスクがあるため、通報者は内容の真実ないしは真実相当性を証明することが要件となっています。
そして、斎藤知事は「外部通報の告発文に対し、信ずるに足る相当の理由が我々には確認できなかった」ため、公益通報者保護法には当たらないとして犯人捜しを始めています。
一方、百条委員会では、調査をするための第三者機関を立ち上げるなど、きちんとした事実確認をせずに、犯人捜しを始めたことを問題視しています。
つまり、「公益通報者保護法」の要件である「通報者による真実相当性の証明を満たしている」かわからない状態で、犯人捜し&懲戒処分をおこなっている(通報者を保護していない)という主張です。
百条委員会でのその辺のやりとりはこちらの動画。
個人的には、公益通報者保護法の要件となる「通報者は内容の真実ないしは真実相当性を証明すること」の定義がすごく曖昧であると感じています。
・通報者はどのように真実相当性を証明しなければならないのか(証明方法)
・逆に告発された側はどのように事実無根を証明しなければならないのか(証明方法)
・そして、調査した結果、事実無根とわかったら、いつまで通報者は保護されるのか(保護期限)
上記が条文などで細かく表記されていないから解釈が異なるわけであり、法の整備(具体化)が必要なんじゃないかと素人ながらに思います。
とはいえ、告発文がいくら稚拙な内容であったとしても、きちんと事実確認をせずに、犯人捜しを始めた斎藤知事側に落ち度があったわけですし、そうなってしまった体制や傲りが今後の県政での大きな課題だと思います。
3.斎藤候補当選とテレビでの報道
ゼロ打ちで斎藤候補当選。
選挙期間中も立花候補の主張を報道しなかったテレビが、この結果について何を報じるのか、とても気になりました。
Mr.サンデーがちょうど選挙特集をしていて、立花候補の主張や、兵庫県民の大手マスコミに対する不審を取り上げていました。
耳が痛い内容にもかかわらず、「これは大手メディアの敗北である」と、事実と向き合って報道した姿勢はスゴイなと思いました。
一方で、公職選挙法の関係で自由に報道できなかった(言い訳?)とか、ネットの情報は嘘も多いから規制をかけた方が良い(テレビの偏向報道は許される?)とかツッコミどころは結構ありました。
4.斎藤候補が当選した理由
私は兵庫県民ではありませんが、テレビでの情報が全然足りていなかったので、ネットを中心に真実が何かを自分なりに探しました。
有権者である兵庫県民も同じように、テレビやネットで真実を探し、自分で判断した結果だと思います。
公益通報者保護法の要件を知らずに、斎藤候補の初動を批判していた稲村候補。(法律に則り尼崎市長業務を遂行していたはずなのに、法律を軽視しているのはいかがなものかと。)
一方、選挙演説で他の候補の悪口を言わずに、反省やビジョン、政策を伝えていた斎藤候補。
どちらが兵庫県を良くしてくれるかと考えたら、斎藤候補を選ぶ人の方が多くなるだろうと、結果論ながら感じました。
5.選挙後
7月の東京都知事選を契機に、投票の判断基準とする情報源がテレビ・新聞からSNSに変わりつつありますが、今回の選挙ではその変化がより顕著に現れた気がします。
そして、投票する基準が、今回の騒動のみを基準とするのではなく、ビジョンや政策など、より長期的な部分を重視する有権者が増えてきたのではないでしょうか。
一方で、選挙期間中に進んだ分断化は、選挙後、ますます分断化が進んでいる状況です。
分断化されても兵庫県政はうまく回りません。選挙後はノーサイドで、それぞれが兵庫県のために
尽力して欲しいなと心から思います。