東京生まれ東京育ちのおっさんの音楽懐古録 vol.7 電気グルーヴの「テクノ専門学校」卒業制作?と思わせたチームしゃちほこ「いいくらし」
東京生まれ東京育ちのアラフィフのおっさんが主観で語る音楽懐古録。7回目はチームしゃちほこ(現・TEAM SHACHI)「いいくらし」に至るまでを。
西麻布・イエローや青山・マニアックラブなどクラブに頻繁に行けない大学1年生にとって、その時々のテクノ/ハウスミュージックの最先端を知るきっかけは「電気グルーヴのオールナイトニッポン」の中で2時前後に流されてた「オススメ」のコーナーでした。アンダーワールドの「Rez」が流された翌日、放課後に慌てて六本木WAVE→渋谷HMV→渋谷WAVE→シスコテクノ店をハシゴするも、CDはすでに無く、ビニール盤を持つお兄さんお姉さんを羨ましげに眺める、という結果に。その流れは毎週続き、「いつかターンテーブルを買ってやる!」とほぞを噛む日常でした。
そうしたなか、発売されたのが「電気グルーヴのテクノ専門学校第1号」。主にR&Sレコードやワープの楽曲を中心に構成されたオムニバス盤で、ゴリゴリのテクノが中心の選曲(ポリゴン・ウィンドウとかスモークベルチとか)でした。その中で私のココロを鷲掴みにしたのが、Rising High Collectiveの「Fever Called Love (The Hardfloor Mix)」でした。それまでも、デヴィット・モラレスとかマスターズアットワークなどによる、いわゆる「歌モノハウス」は聴いていたのですが、それにハードフロアの代名詞ともいえるゴリゴリのTB-303サウンドが重なり、ヘビロテしたものです。
そんな「Fever Called Love (The Hardfloor Mix)」の流れを組む楽曲が、日本のアイドル チームしゃちほこ「いいくらし」から聴けた時、勝手ながら「電気グルーヴのテクノ専門学校」の卒業制作が出たー!と歓喜したのを覚えています。
スターダストプロモーション*名古屋といえば、ももクロを思い浮かべる方も多いとは思いますが、布袋寅泰とのコラボなどバンド生演奏をメインとするももクロとは異なり、この頃のチームしゃちほこは打ち込み中心で2014年に発売されたのがこの「いいくらし」。最初はジョン・ロビンソンが「ジュリアナートーキョー!」と叫びそうな、ジュリアナサウンドで始まるのだが、その時にも、ひっそりとベースラインでウネウネいってる。そしてブレイクに入ると一気にTB-303ウネウネサウンド中心に変わっていく。
Rising High Collectiveとの違いは、歌声がソウルフルというよりも完全にハートフルなアイドル声というところか。ただ、中盤からのTB-303の使い方は非常によく似ているので、もう一度リンクを置くのでぜひ聴き比べてみてほしい。
Rising High Collective「Fever Called Love (The Hardfloor Mix)」
チームしゃちほこ「いいくらし」