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東京生まれ東京育ちのおっさんの音楽懐古録 vol.3 UNICORNが教えてくれた疑似恋愛・擬似結婚・擬似子育て

東京生まれ東京育ちのアラフィフのおっさんが主観で語る音楽懐古録。3回目はユニコーン。

ちょっとばかり頭が良かったので調子に乗って、中学受験なんかしちゃって中高一貫の男子校に入ったワタクシ。思春期を迎えた時には、時すでに遅し。「男子校の中学生はモテない」という現実をひしひしと感じていました。

そんなこじれた中学生男子のハートをつかんだのがユニコーン。セカンドアルバムの「PANIC ATTACK」では、「I'M A LOSER」や「SUGAR BOY」を聴きながら、「女の子を好きになるのって大変だなぁ」と出会ってもいないのに共感し、「抱けないあの娘-Great Hip in Japan-」「サービス」「ペケペケ」で、「本気出せばモテるんだけど、今は女の子に興味は無いのだ」と自分を慰める。

続くサードアルバム「服部」では「ジゴロ」「服部」「君たちは天使」ですっかりモテ男を気取り、「人生は上々だ」で結婚、「大迷惑」では浮気を耐える夫を実感。

まだ中2だけど。

翌年の4枚目「ケダモノの嵐」では、「働く男」「スターな男」で社会人としてのキャリアアップを実現(脳内で)。

その「幸せな俺の人生サクセスストーリー」が最高点を迎えるのが、1990年の11月に発売されたミニアルバム「踊る亀ヤプシ」の「ボサノバ父さん」。内緒話をする妻と娘をビール片手にニヤニヤする父親を勝手に自分とクロスオーバーする中学3年生。もちろん、妻もいなけりゃ娘もいない。なんなら彼女もいないし、実家の自分の部屋の中。

一番多感で一番モテたく、一番ダサい中学2〜3年生に、
勝手に恋愛を妄想し、勝手に結婚を妄想し、勝手に一家団欒を妄想させてくれたユニコーンでした。

ちなみにこの「ボサノバ父さん」、中山忍に提供した楽曲「光のオペラ」の再構築なのだが、原曲を歌う彼女の素晴らしい歌唱力と素晴らしい振り付けを見ると、さらに味わい深い。

あと、ユニコーンのベストアクトとしては、1989年の暮れにNHKが放送した「goodby’80s hello’90s」というクリスマス特番でジュンスカイウォーカーズとコラボした「雨上がりの夜空に~マイ・シャローナ」がおすすめ。

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