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【アニソン】『駒田蒸留所へようこそ』主題歌「Dear my future」の1つのリズムに秘められた3つの意味!?【音楽考察】

2023年も残り僅かとなりました。
今年気になったアニソンについて考察したことを年末年始にほぼ毎日語ろうかと考えnote記事を作成しています。

第1回目は『駒田蒸留所へようこそ』主題歌「Dear my future」。
楽譜を入手していないため、私が聴いて考察した推測ですが、
みなさまの気付きや参考になればと。

※楽曲についての考察です。本編のネタバレはありません。
※ただし、鑑賞した人には作品像をつかむ手がかりになると考えます。


1.リズムへの違和感

曲を何回か聴いて感じたことは「リズムへの違和感」です。
最初は8分の6拍子によるワルツのような踊りたくなるようなリズミカルな曲かな?という第一印象でした。
それが聴く度に、「あれ?これは4分の4拍子なのでは?」という考えに変わりました。

その違和感から導き出した推測は「4分の4拍子」をベースとした「2拍3連」によるリズムから来る違和感なのではと考えるようになりました。

2.1つのリズムが生み出す3つの意味!?

本作を表現するには「2拍3連」が相応しいのではと逆説的な考察をしました。調べていくと「2拍3連」には3つの効果がありました。

(1)ジャズのリズム感を出す「2拍3連」

ジャズではリズムを多層化することで音の深みや豊かさを作る場合があります。その1つが「2拍3連」リズムです。

アニソンでは『SPY×FAMILY』新OP「クラクラ」でそのリズムが用いられています。

ウィスキーがあるバーという「オシャレ」なイメージをジャスというジャンルを意識したのではないでしょうか。
MV冒頭のバーのシーンからも感じさせられます。

※公式のスペシャルMVは一番最後に紹介いたします。

(2)アイリッシュのリズム感を出す「2拍3連」

アイルランド音楽のリズムに「ジグ」という考え方があります。いくつか種類がありますが共通することは「細かい3拍子の集まり」です。

本作、駒田蒸留所のウィスキーはスモーキーさが特長の「アイリッシュウイスキー」をルーツにしており、これを表現するためアイリッシュ音楽を意識したのではないでしょうか。

ちなみに楽曲を歌唱している早見沙織さんは過去にアイリッシュ音楽要素のある楽曲を2曲ほど歌唱しています。

ミニアルバム『シスターシティーズ』より「PLACE」では、
途中にアイリッシュ音楽のジグを意識したリズムが利用されています。

【参考youtube動画】早見沙織 Official YouTube Channel より


またゲーム『新サクラ大戦』クラリス(CV:早見沙織)の歌う「輪舞」も
アイリッシュ音楽のジグを意識したリズムが利用されています。
【参考youtube動画】SEGA公式チャンネルより

(3)ワルツのリズム感を出す「2拍3連」

厳密には異なりますが、「2拍3連」を使うことで4分の3拍子リズムのワルツ(円舞曲)を疑似的に表現することが出来ます。
ワルツは日本語では「円舞曲」と言われるように「円」を表現するために適したリズムとされています。

『駒田蒸留所へようこそ』では独楽の絵が描かれたその名も
「KOMA」という幻のウィスキーを復活しようと挑戦するストーリーです。

「独楽」が円を描く描写が後半では描かれます。

また、本作では「円」を「円環」とも捉え、世代を継承し、家族の繋がりを表しているもう一つの意味も「独楽」に秘められています。

他のアニメ楽曲でもワルツの「円」を「円環」や「循環」の効果として用いている場合があります。
「円環」や「循環」をテーマとするアニメ『ぼくの地球を守って』に
使用されたED楽曲「時の記憶」もその事例の1つです。

来場者特典 カードと「独楽」花札

4.3つの意味がブレンドされた楽曲の可能性

以上が楽曲を聴いて考察した推測です。
私の推測であり、仮説であるため、作曲者が意図した仕掛けかどうかは不明です。
(※私の観測範囲ではインタビュー等でリズムに関しての言及は見つかりませんでした。)

ただ、作品をイメージする3つの意味が1つのリズムに込められており、ウィスキーのようにブレンドされた楽曲だと考えると味わい深いものです。

この考え方をもとに、一度、楽曲に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
下記に公式のスペシャルMVを紹介いたします。


みなさんの話のきっかけやタネになればと。
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【参考youtube動画】 公式動画
映画『駒田蒸留所へようこそ』主題歌「Dear my future」(駒田琉生/CV.早見沙織)スペシャルMV


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