【読書記録】レム・コールハース S,M,L,XL +
2年前に友人に薦められたものの、なかなか読めずやっと読了。レム・コールハースの本は初めて読んだ。
現在、ロンドン在住の私は半年前に日本の文化庁?観光庁が運営する「JAPAN HOUSE」という店舗のイベントに行く機会があった。その店舗というかスペースには、とても小さな図書室がある。数ヶ月ごとにセレクションが変わるらしいのだが、そこにあった「プロジェクトジャパン」という本に非常にときめいた。これもレム・コースハースが書いた本なのだが、日本のメタボリズム活動を辿る本である。そこで、恥ずかしながら、彼を知り、色々本を読んでみたいな、と思ったところ、そういえば、友人から薦められた本があるのではないか!と読んでみることにした。
この本は、タイトルに「現代都市をめぐるエッセイ」とあるように、著者の完全なるエッセイである。普段本を読み慣れない私には、非常に読みにくい難解、周りくどい、比喩を多用した文章で、私は何回も戻りながら読まなければならなかった。
これは、原本(英語版)を読むには1年以上かかるだろうと思う。
しかし原本から数本抜き取って、邦訳されているようだが、それぞれ非常に面白い。
プロジェクトジャパンから彼を知ったので、薄々日本のことは記載されているだろうとは思っていたけれど、結構なボリュームで書いてあって、日本の建築の流れから、アジアの建築の流れ(主にシンガポール)そして、私が1年半住んだ、ベルリンのこと(主にベルリンの壁について)についてもたっぷりと述べていて、一気に読むことができた。
特に東西ベルリンの記載について、意外に皆、西ベルリン、東ベルリン半分に分かれている印象を持っている人も多いけれど、実際には西ベルリンが東ベルリンに囲まれている(逆に囚われている)ことに気付いていないということや、フリードリッヒにあるビルが一番最初のブルータニズムというか、露骨なただのビルであるということを述べている部分は、実際私も何度も近くを通ってそのビルを見たことがあるので面白かった。
ちなみにそのビルは、東ベルリン側にあるのだけれど、実際そのビルを建てたのは日本の建設業者だと聞いた。ビルの中にも入ったことがあるのだが、日本人が建てたから、天井が低いと言っていたのだけれど本当なのだろうか…(確かに天井が低い)
脱線したが、私は建築家でもないし、そんなに建築に精通しているわけではない。だから、この本の真髄を理解したとは思っていないが、単純に建築そのものが都市開発において、非常に重要なもので、建築を作ることはその年を作ること、いわばどのような人間社会を作っていくのかという点で非常に重要なものであるというが理解できた。
(そして、彼は、特に槇文彦の功績について述べている。私は恥ずかしながら、知らなかったため、次は、槇文彦について調べようと思う…)