Claude+marp(VSCode)+GitHubでセールス・CS資料の自動生成と管理をしてみた
営業やカスタマーサクセス(CS)の現場で日々奮闘されている皆さん、資料作成に多くの時間を費やしていませんか?
本記事では、AI技術と開発ツールを組み合わせることで、効率的かつ閲覧できる品質の資料の生成をClaude、marp、GitHubを活用してやってみました。
🌟 社数限定で、AI事業・プロジェクトの壁打ち実施中です。
背景:なぜ資料自動生成が必要なのか?
1.時間とリソースの最適化
セールスやCSの現場では、顧客ごとにカスタマイズされた資料作成が求められます。しかし、この作業には膨大な時間がかかり、本来の業務に支障をきたす可能性もありますし、資料の提案品質によって営業の受注率・製品の継続率・オンボーディング数値が変わることがあります。
顧客対応時間の減少
戦略立案、企画の機会損失
チーム全体の生産性低下
これらの問題(自社でこの問題が発生しているわけではありませんが)を解決するために、資料自動生成を取り組んでみようと思ってやっていました。
2.デザインや内容の一貫性と提案品質の向上
手動で資料を作成する場合、作成者によって品質にばらつきが生じる可能性があります。自動化することで、以下のメリットが得られます。
ご提案品質の向上
お客様に貴重なお時間をいただき、自社製品の検討をいただいている中で、さらに提案品質を向上したいと考えていました。
セールス、CSいずれにしても顧客の状況を把握し、自社製品を適切に提案することは一定ドメイン知識と経験が必要です。品質のマネジメントが大事ですが、全てに目を通すことが難しいのが現状ではないでしょうか。
自動化することで、「提案者自身が、自分で何をするべきなのか」も学習することができます。
情報の正確性向上
3. スケーラビリティの確保
事業規模が拡大するにつれ、各ファンクションでの資料作成の需要も増加します。状況に応じた資料作成の自動化システムを導入することで、スケーラブルな対応が可能になります。
例えば、営業会社であれば提案のパターンを複数個顧客に合わせて自動で生成することや、それらがなぜ必要かを教育するなども可能かと思います。
※ 現実的には商談をして学ぶことが必要ではありますが。
Claude+marp+GitHubによる自動化システムの概要
ここからは、具体的なシステム構築方法について解説していきます。
Claudeの役割:コンテンツ生成エンジン
ClaudeはAnthropic社が開発した高度な言語モデルAIです。このシステムでは、Claudeが以下の役割を担います。具体的な説明についてはさまざまな記事があるので説明は割愛します。
顧客情報に基づいたパーソナライズドコンテンツの生成
業界トレンドや最新情報の取り込み
自然な文章構造と流れの提供
Claudeの活用により、人間らしい柔軟性と機械的な効率性を兼ね備えたコンテンツ生成が可能になります。
Marpの活用:スライド変換ツール
Marp(Markdown Presentation Ecosystem)は、Markdownで書かれたテキストを美しいスライドに変換するツールです。
シンプルな記法で複雑なレイアウトを実現
カスタマイズ可能なテーマ機能
VSCodeとの連携による快適な編集環境
Marpを利用することで、Claudeが生成したコンテンツを瞬時にプレゼンテーション用スライドに変換できます。
GitHubの統合:バージョン管理とコラボレーション
GitHubは開発者に利用されているバージョン管理システムです。こちらの詳細な説明も省きます。
変更履歴の追跡と管理
チームメンバー間のスムーズな協働
CIツールとの連携による自動化パイプラインの構築
システム構築のステップバイステップガイド
それでは、実際のシステム構築手順を見ていきましょう。
Step 1: 環境セットアップ
まずは必要なツールをインストールします:
VSCodeのダウンロードとインストール
marp for VSCode拡張機能の追加
GitHubアカウントの作成(未所持の場合)
これらの準備が整ったら、次のステップに進みます。
Step 2: Claudeの活用
Claudeの有料利用
Claudeに特定の情報を入れたプロンプトを作成し、構成・本文を作成、Marp形式で出力して と入力します
Step 3: marpテンプレートの作成と保存
VSCodeで、.mdファイルを作成します。Step2で生成したMarp形式の出力結
果をコピペして、ファイルを保存します。
基本的なレイアウト構造の定義
カラーパレットやフォントの指定
ロゴや固定要素の配置
Claudeにデザインに関する指示・フィードバックをしながら、出力結果をコントロールすることで、一貫性のあるデザインを維持しつつ、迅速なスライド生成が可能になります。
自動生成システムの活用シナリオ
構築したシステムは、様々なシーンで活用できます。具体的なユースケースを見ていきましょう。
営業提案資料の自動生成
新規顧客向けの提案資料作成の場合は、
一定の顧客情報(オープンなデータのみ)をClaudeに入力
業界特性や顧客課題に応じたコンテンツをAIが生成
Marpでスライド形式に変換
GitHubでバージョン管理しながらレビュー
必要に応じて手動で微調整
このプロセスにより、従来の何分の一もの時間で質の高い提案資料が完成します。
カスタマーサポート用マニュアルの更新
頻繁に更新が必要なCS用マニュアルも、このシステムで効率化できます:
製品アップデート情報をClaudeに入力
新機能の説明や使用方法をAIが文章化
marpで見やすいマニュアルページに変換
GitHubで変更履歴を管理し、チーム全体で最新版を共有
これにより、常に最新かつ正確な情報をCS担当者が参照できるようになります。
トレーニング資料の生成
新人教育や既存スタッフのスキルアップにも活用可能。
必要なスキルセットをClaudeに入力
段階的な学習プランをAIが策定
marpで対話的なスライドに変換
GitHubでバージョンごとの教材を管理
個々の学習者のペースや既存知識に合わせたカスタマイズも容易になります。
システム導入の注意点
自動生成システムは、適切な運用が欠かせません。以下のポイントに注意です。
人間による監修の重要性
AIが生成したコンテンツには、時として不適切な表現や誤った情報が含まれる可能性があります。
個人情報・企業情報で秘匿性の高い情報を絶対に入れないようにする、必ず人間がレビューを行う体制を整える
専門知識を持つスタッフによるダブルチェックを実施
フィードバックループを構築し、AIの出力精度を継続的に向上させる
セキュリティとコンプライアンスへの配慮
機密情報や個人情報を扱う際は、細心の注意が必要です。
APIキーの厳重な管理
GitHubのプライベートリポジトリ利用
社内セキュリティポリシーの遵守
必要に応じて法務部門との連携
まとめ:AI時代のセールス・CS資料作成
Claude+marp+GitHubを活用した資料の自動生成は、セールスやCSの現場に革新をもたらします。時間とリソースの大幅な節約、一貫性の向上、そしてスケーラビリティの確保など、多くのメリットがあります。
皆さんも、ぜひこのシステムを自社の環境に合わせてカスタマイズし、業務効率化にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。AI時代のビジネスでは、このような×AIの実行力の高さが競争力の源泉となります。
生成AI事業・プロジェクトの立ち上げの壁打ち実施中です。
生成AIの人材採用はOffersにお任せください。
お問合せフォームはこちら
※ 下記のLPからのお問合せの場合は、備考欄にAI事業壁打ち希望を記載をお願いいたします。
AI・LLM関連の企業・プロジェクトに業務委託で関わりたい、
転職を検討されているという方はこちらから。
OffersにおけるAI人材の定義・プロジェクトの進め方
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?