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ジブリ実験劇場「On Your Mark」を語ろう。

2023年2月12日午前10時20分開演。
映画館はイオンシネマ シアタス調布。
28年ぶりに上映という事で若い世代はほぼ
知らない。

私の映画に関しての考察はこの映画で
最後だろう。
また、これからの映画業界の時代を担う
若い世代に向けた考察である点を最初に
ご了承頂けたら幸いである。

さて。

10代、20代という年齢で映画に携わるとは
どういう事か?
そこをもう一度真剣によく考えて日々
生きて下さい。

映画に出たいという承認欲求や映画監督や
プロデューサー、役者同士で
繋がる、芸能事務所の推薦欲しさ等、
欲にまみれた何の目的も意味のない投資に
明け暮れる暇とお金があるなら、
一本でもたくさんの映画を観て、
自らの頭と身体を鍛える事に時間を
費やしてもらいたい。
あっという間に30代、40代になるし、
スマホ、SNSの普及で情報のアップデート
が日々早い。早すぎる。
人間という生き物は若いうちに、
頭と身体が動くうちにできる事は実は
限られている。
そこに自分の持っている全てを
投入し没入して欲しい。

人は自分のマイナス面を認知する事を
極端に嫌がる。
夢ややりがい、仲間、同士という綺麗事。
最近では多様性という言葉もあるか。。
とにかく仲間外れや自分だけが知らない事と
いう状態を嫌がる。

孤独を怖がるし、嫌がるわけだ。

しかし、生まれてきた時も1人、
最後に死ぬ時も1人である。

プロとして生きるなら自分が求められる
役割を全うする為に日々準備し、
本番でその役をやり切って去っていく。

そのように生きていく方が今の時代、
楽だと感じる。
人間とは上手くいきそうな所、金がある所には
集まり、失敗しそうな所には一瞬で
去っていくイキモノである。
資本主義の世界とはそういうものだ。
その事は肝に銘じていて欲しい。

また、今回のnoteは私からの遺言として
捉えてもらって構わない。

さて前置きが長くなったが本題に入る。

私は映画(演劇)を観る場合、
必ず主人公は誰か?まず意識する。
今回のOn Your Mark、主人公は誰であろうか?
登場人物は「翼の生えた少女」
『二人の』警官である。

主人公を決める時、全ての作品について
以下の法則が成り立つ。

1・「一番変化する人」
2・「一番苦労する人」
3・「観客目線で観れる人」である。

今回の主人公は、

この『二人の』警官である。
『』をつけたのは、本来映画の主人公
は「1人」である。
過去作品もそうだし、未来に創られる作品
もそうである。
今回その法則を少し外したのはやはり
「&」の作品だからである。
特別なのだ。許して欲しい。
だから今回は二人の警官にした。

主人公が決まれば次にその主人公
の「目的」を考察せねばならない。
映画というものは観客に対し、
ある種のメッセージを送るものである。

主人公が最初何を目的として生き、
そこから外的・内的葛藤が登場し、
肝となるシーンを提示することによって、
クライマックスへと導かれる。

その目的を考察する。

目的は「少女を救う事」ではない。
ここを間違えたらプロとして失格
である。
話が始まる当初の段階で「結末」を
知っているのは役者だけである。
観客は当然結末は知らないで話を観ようとする。

ここのギャップが
あると、所謂「勘違い芝居」「予定調和芝居」
をしてしまう。
主人公はそもそも当初は「普通」である事が
多い。

二人の警官も当初は
普通に放射能で汚染された世界から
自分たちの住んでいる世界を守る
仕事をする、
纏めると「警官としての仕事をする事」
が目的である。

しかし、ある日いつものように「出動」すると「少女」に出会ってしまう。

「少女」と出会う事で「目的」は変わっていく。
目的を変えるものを「葛藤」として捉える。

少女は二人にとって「外的葛藤」となる。

詳しく述べると葛藤とは、
外的と内的があり、
外的は文字通りスクリーンに登場したり
分かり易いもの、内的とは心の中の
葛藤になるので役者としての脚本読解力
が求められる。

どこかの養成所では葛藤を自分の過去の
経験に照らし合わし。。みたいな
恐ろしい授業が行われているらしい。
それは大きな間違いであるし、
精神崩壊を引き起こす。
あくまで脚本という設計図に自らの役と
しての内面を落とし込む。

ではその「内的葛藤」とは何だろうか?

「自分達だけが助かった場所に
いつまでも留まっていても良いのか?」
「外の(放射能・ウイルス?)
世界にいるというだけでこの少女を見捨てて
いいのか?」

この2点を挙げたい。強いてあげるなら
「こんな管理された閉ざされた世界で生きるより、外に出よう。」
という気持ちである。
少女を助けるヒーローという見え方は
観客が判断すれば良いのであって、
演じ手側が意識して芝居をしては
絶対にいけない。



役者がそんなカッコつけた事を考えなくても、
脚本通りに演じていれば、
後は周りのスタッフ、観客が味付けしてくれる。

肝となるシーンの話をしよう。

肝となるシーンはクライマックスのシーン
ではない。クライマックスより少し前の
話の展開がグッと結末へと進むきっかけの
シーンと捉える。

この場合肝となるシーンは…
このシーンとする。

最後に、映画というものは
一体どんな話だったか?を常にシンプル
に分かり易く、纏める作業をしている。
今回は以下のように纏めてみた。


「閉塞感に包まれた世界で過ごしていた
『二人』の警官が翼の生えた少女と出会って、
外の開かれた世界へ(旅立ってしまった・・)
物語。」

追記:少女の最後の表情は何とも言えない
表情である。
最初は一人で羽ばたくことを恐れていたが、
最後は立派に・・・
さてこの少女は今、
どのようにして過ごしているのであろうか??


28年ぶりに映画館のスクリーンで
また観れるとは思いませんでした。
もうこれで充分かなあと思います。
「See Ya !!」をジブリが
イオンシネマ シアタス調布が
叶えてくれました。

説教じみたくなったが貴方たちには、
未来があります。
自分の強みを限られた時間に投資し、
夢が実現する事を願います。


ありがとうございました。

では、これで。


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