好きなことを仕事にできてイイですね!「異議あり!!」
ありがたいことによく言っていただくことが多い「好きなことを仕事にできてイイですね!」ですが、意外とそうでもないかもよ?といった異議ありnoteを書いていこうと思います。
尚、好意で言っていただいていることは承知の上ですし、言う側もそこまで深く考え込んで発言しているわけではないので「言われること自体が嫌」とか「言うのは良くない」とかそういう意図は1mmも無いことをご理解ください。
好きなことに携われるのは嬉しい!
間違いなく言えることとして、好きなことと日常的に近い距離で接することができる点においては当然嬉しく思ってます。
ただ、仕事となると一概に嬉しいだけではないこともあります。
果たしてどんな時か。
僕の経験したパターンとして2つあります。
①好きなことの業務内容が必ずしも好きなことではないから
これだけだとちょっとわかりづらいかもしれません。そもそもみたいな話になりますが、
好きなことの業務内容=好きなこと
なら文句なしの二重丸です。
しかし、こんなこともあります。
好きなことの業務内容≠好きなこと
このケースでは、業務自体が好きなこととはならないので好きなことで仕事をしているというハッピーな言葉を向けられるとハテナマークを感じます。
そしてこういったケースは案外多いのです。
例えばお菓子が好きな人がいたとします。
その人がお菓子メーカーに勤めることになったら、おそらく周りはこう言うのではないでしょうか?
「好きなことを仕事にできてイイですね!」
ですが、もしその人がお菓子を食べることが好きな人なんだとしたら、考えようによっては作り手側だと違うかもしれません。(試作や味見でたくさん食べることは間違いないが、あくまで業務内容は作ること)
またメーカーにも開発以外の部門もたくさんあります。
仮にそちらの配属であればそれこそお菓子を食べる機会はもっと少ないかもしれません。
またパティシエでも同じようなことが言えるかもしれません。(お菓子業界のことを詳しく知らずに例に挙げてます。歪だったらすみません)
この場合お菓子食べ好きさんにおいてマッチ度が高そうな仕事を考えてみました。
・お菓子大食いタレント
・お菓子グルメリポーター
・お菓子グルメジャーナリスト
、、、
試しに挙げてみましたが、これらの職業(実在するかは謎)は食べること以外に食べたものを表現するというプラスアルファがあるので、やはりこの場合完全にマッチする都合の良い仕事はなさそうです。。。
簡単じゃないですね。
おそらくこの手のセオリーにまぁまぁハマってくる職業の代表格はプロスポーツ選手などが挙げられるのではないでしょうか。
やはり簡単じゃないですね。(二度目)
②好きなことが嫌いになることを覚悟する必要がある
僕は好きなことを好きにやることが好きです。
何が言いたいかといえば僕の場合、一定の自由があるからこそ好きなことを楽しめているので、そこに制限がかかった時点で徐々に好きではなくなっていく可能性が高まるということです。
仕事となれば責任が生まれます。
報酬をもらうなり、売上を上げる以上好きなことを好きにやるだけではなく、時には組織、時にはクライアント、サポーターやスポンサーなど多くの関係者の視点に立ってコミットする必要があります。
もしもそれがその人にとってストレスであるならば、例え好きなことであっても嫌いになる可能性も十分にあるということです。
また愛情の裏返しは憎しみなので、好きなことだからこそ嫌いになった時の反動やダメージは大きいでしょう。
例えばダンスを教えることが好きでダンス講師をしている人がいるとします。
指導者として基礎をしっかりと教え込みたいという方針を持っていたとして、仮に生徒側からもっと難しいステップを伝授して欲しいと依頼を受けた時、どうするか。
人それぞれですが、自分の方針をほんの少し曲げて生徒側のモチベーションアップの目的を取り、指導メニューを変更する。そんな選択もあり得るでしょう。
この作業をストレスと感じる方が、この選択をした場合、前述のように好きだったことがだんだんと嫌いに近づき、ある時ストレスの糸がプツっと切れるかもしれません。
だからこそ「指導方針を曲げずに指導する」とか「生徒側の声を汲み取りながら指導する」など好きなことを嫌いにならない範囲で予めポリシーを定める必要があります。
まとめ
つまり、好きなことを仕事にできていることが素晴らしいとか重要ということではなく、結局のところ色々あるので、何かしらのポリシーや覚悟を持って仕事ができているかどうかの方が重要です。
またその仕事がたまたまでも楽しい!好き!と感じられるのであればさらに素晴らしいね!ということです。
ですので、僕としては「好きなことを仕事にできてイイですね!」は社交辞令でしかなく、これから仕事を探す方においては、そういった風に流されず、好きなことで生きていく方がイイみたいな固定観念に縛られないで欲しいと願っています。(仕事を決める動機としては弱いです)
残念ながらどれだけ好きでも向き不向きがあります。
どれだけ願っても僕が今からプロ野球選手になることはできません。
できるかできないかわからないなら飛び込んでやってみればわかるようになります。ですが、あくまで事前調査や計画は極めて念入り且つ慎重に行った上での話です。
好きなことに関わる分野で起業した僕だからこそ、並大抵の覚悟で飛び込んでは危ないということを伝えたいし、簡単で都合の良い仕事など何一つないという自分への戒めも含めたメッセージをここに記しておきたく思います。
もっとも僕は現在、ありがたいことに好きな仕事を自由にさせてもらっていますが!!