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わが青春の高橋留美子【高橋留美子先生誕生祭2024】

息も絶え絶えになるほど部屋の畳の上で笑い転げました。
たまたま家にあった「少年サンデー」で「うる星やつら」をはじめて読みました。竜之介登場回でした。(だからもう連載もだいぶ進んでいたころですね)笑いました。一コマ一コマにもうやめてくれというほど爆笑しました。
こんなに笑ってしまうものがあるんだとビックリしました。

学校の帰り道の小さな書店で「うる星やつら」の第1巻を買いました。
笑いました。笑い転げました。もう感動的に面白かったです。
心が解放されるような感動でした。
たぶんティーンエイジャーの自分は「自由」を感じたのだと今なら思います。
翌日の帰り道、第2巻を買いました。
その翌日、我慢できずに第3巻を買いました。
毎日、毎日。学校の帰り道で「うる星やつら」の単行本を一冊ずつ買いました。
しあわせでした。
買ったばかりの「うる星やつら」を学生カバンに入れて歩く夕方の空の色をいまも覚えています。

遅ればせながらTVのアニメも観始めました。
少年サンデーも毎週買うようになりました。
映画館では同時上映の「ションベン・ライダー」に憤慨しました。
「うる星やつら」ファンクラブの会員証を高校の教室で自慢しました。
「オタク」なんて言葉はまだありませんでした。

五代君と響子さんがどうなるのかは、二十代になったばかりの自分は実際の友だちのことのように息を詰めて見守っていました。
同じころに自分自身も楽しいだけではない恋愛の胸の痛みをはじめて覚えました。
咥えタバコで街を歩き、おカネもなく、何も持っていなかったです。
五代君と同じように未来がまったくわからない日々でした。
だから五代君が響子さんと結ばれた時、本当にすごくうれしかったです。
ちゃんと生きてる五代君を密かに尊敬しました。

高橋留美子先生の「うる星やつら」と「めぞん一刻」は
僕の青春時代をしあわせにしてくれました。はげましてくれました。

「うる星」か?「めぞん」か?
高橋留美子先生の最高傑作はどっちだ?で大論争をするのは僕ぐらいの年代の漫画読みの定番です。
白泉社の新年会の3次会、水道橋の居酒屋の二階で漫画家や編集者たちで夜が明けてしまうままで激論を戦わせたのは楽しい思い出です。決着はつかない。語ることは尽きない。朝までなんて余裕です。
ちなみに僕は「めぞん」派です。


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