星に帰りたい人

星に帰りたいという思いは、「星に帰れない」という思いに支えられ、帰れないから帰りたいと思うわけです。また外があると気づいたから、外に出たいと思うことができ、外があると気づかなければ、今ここに不満はないものです。地球の外、太陽系の外に、私たちの存在の根拠があると知ったとき、わけもなく心に響き、ピンとくる人もいれば、よくわからない話だと言って、忘れてしまう人もいます。なので星に帰りたい人は帰る人と言えます。

星に帰れないのは、何かに止められているわけでもなく、まだ帰りたくないからです。帰りたくない具体的な理由は様々で、なんだかよくわからない気持ちがあったり、自覚できていない自分がいたり、解明したい感情があったり、気になることや知りたいことがあるから帰りたくなくなります。その気になるものから目が離せないということです。

やり残しなくやり切ることは、実際に何をするかというより、その実際の行為を通して自分を知り、自分を回収し、無自覚なものを解明することだと言え、何かに興味を持ち何かをしたいと思うのは、解明したい自分がいるからです。