母殺し

夢の話。天井に黒い蜘蛛がいて、怖いので退治して欲しいという思いで、背後にいる姿の見えない母に訴えるけれど、微笑んだ様子で退治はしてくれず、仕方なく蜘蛛から目を離さないようにしていると、黒い蜘蛛は、ゴムのように柔らかく伸び縮する体を変態させ、カタツムリになっていました。自分の手で、殺虫剤でしっかりと殺しました。キッチンで。

起きてから、母とはこういうものだな、と思いました。母のサイズは違えど、どこまで行っても母の腹の中から出ることはできず、目の前に現れる様々な出来事は、母の影に過ぎず、それを退治させるのも母です。母殺しを繰り返し、自分の世界を拡大していく必要があります。見守っているけれど、手は出さず、自分の手で越えていけるようにするのが母です。すべてを与え、すべてを奪うのが母です。これは否定するようなものでもなければ、抵抗するものでもありません。

起こる出来事に真摯に向き合うことは、自分自身と向き合うことです。何のためにこのようなことが起こっているのか、なぜこんな思いをするのか、誰かのせいにも、何かのせいにもせず、きちんと体験することが大切です。

父と母が存在する世界は、そもそも陰陽化が大前提にあります。陰陽化していなければ、父原理も母原理も存在しません。父殺し母殺しを繰り返し、その人の世界は拡大しますが、陰陽化した世界において、父母の世界から逃れることはできません。陰陽化を解くことで世界の本当の姿を知ることができます。

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