真に新しい知恵とは

この世界で生み出されるものはなく、はじめからすべてあり、この世界で新しいとされるものは、海底から見つかる遺跡や宝箱のようなもので、古くて新鮮なものです。この海底探索は、夢での体験や変性意識での体験のことで、ミュージシャンが、お風呂に入っているときに音が降って来ると言うけれど、それにも似ています。真に新しいものは、肉体を越えた集中力によって掴み取ることができるものです。

集中力を発揮するとき、肉体は意識されず、まるで自動的に動くように感じるものです。キーボードを打つ手が勝手に動き、言葉が勝手に出てきて、肉体は地上との接点で、思考と感情と身体が同じ方向を向いていると感じます。思考でも感情でも身体でもないところに自己があり、身体性は物質肉体という地上との接点を持ち、思考と感情と身体の3つを挟み込むように、自己と物質肉体が上と下を括っています。

海底探索は深海遊泳なので、肉体はもちません。肉体を脱ぎ捨てて泳ぐ必要があり、上下も前後左右も分からないところで直立する必要があります。集合無意識の激流の中では、自己の意志と目的によってのみ自立することができます。つまり思考でも感情でも身体でもない自分が自立することで、真に新しい知恵に触れることができます。

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