下意識について

憎悪や怒りに取り憑かれた経験はないけれど、私は憎悪と怒りに詳しいです。小学校に上がるより以前の幼少期に、「お化けよりも生きている人間の方がずっと怖い」と思っていたのは、あるとき道を歩いていてすれ違う人と目が合ったとき、突然自分の中から、理由も根拠もない憎悪と怒りがこみ上げてきて、子供ながらに、このままではとても悪いことをしてしまうかもしれないと恐怖したからです。人は怖いというのを、自分を通して体験したわけです。

なぜかとても小さな頃から、人々がずっと昔から抑圧してきたものが自分の中にあることを感じていて、この抑圧してきたものによって、あらゆる暴力が生まれることも知っていました。これは、私の月が双子座12度トプシーにあり、下意識そのものだということで説明できますが。

頭ではわかっているけれど、体験してみないと真に理解ができないというのは、思考だけでなく身体ごと理解しなければいけないということで、頭だけでなく、腰が働かないといけないということです。言い換えれば、超意識、日常意識、下意識のうち、下意識が働かなければ理解に至らないということです。下意識が働くなら、実体験は必要ないということでもあります。下意識が働くと、深い理解に至ります。

私の幼少期は、私自身に対する恐れがありましたが、7歳の時に妹が生まれたことで恐れは少しずつ消えました。妹がとても可愛かったのと、面倒をみながら大きくなっていく姿を見ることができ、いわゆる良心が育まれたことで、下意識が怖いものではなくなっていきました。良心の育成は大切なことで、胸が働いてくることで、頭と腰が繋がります。

曼荼羅や草間彌生の世界などは、下意識を刺激し、下意識にあるものと共鳴して、根底にある力が湧いてきます。夢の中に登場する虫を見ても同じようになるものです。頭がおかしくなりそうな力が突き上げてくるものです。

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