福徳岡ノ場からの軽石の漂流について (1)

前置き

情報をまとめ始めたばかりで、情報の確実性は多少犠牲にしつつも、早急な発信が必要になった場合に備えて、まとめていきます。なので、一連の投稿の情報をもとにした行動に対する責任は負いかねること、あらかじめご承知おきください。

海岸に漂着した軽石の分布の特徴

Twitter の情報をざっとなめた限り、沖縄本島に関しては、東海岸では漂着はしているものの滞留はしていない、西海岸 (の中でも特に北部) では大量に滞留している、というような特徴があるように見えました。沖縄本島以外では、沖縄本島より北の与論島、沖永良部島、徳之島、奄美大島へは港に滞留するほどの漂着の情報が出ています。一方で、久米島では漂着量は少ないようです。

沖縄本島周辺の海流の状況

気象庁でもポータルサイトを作って情報発信を始めていますが、海流について詳細な情報を得るのは難しそうです。ひとまず、沖縄本島周辺の海流の状況を把握してみました。気象庁が日々運用している2km解像度の海洋モデルによる、沖縄本島周辺の表層海流分布を描いてみたのが次の図です (2021年10月28日初期値の10月29日予測・日平均値)。色が明るいほど流速が速くなっています。図の左側にある強い流れが黒潮です。

画像1

このモデルの結果から見ると、現在、沖縄本島周辺は南東から北西に向けての流れの中に佇んでいるということになります (推定結果がどこまで正しいのか、という話はいったん脇においておきます)。そして、漂着の分布の特徴から、図の①で示したあたりに、どんどん軽石が流れてきて、沖縄本島と奄美大島の間を、太平洋から東シナ海へと抜けていっている最中だというふうに捉えることができそうです。沖縄本島、与論島、沖永良部島などは、下流側 (=西海岸側) で流れが淀んでいて、ここに、今、軽石がどんどん溜まっていっているのかもしれません。

黒潮に乗るのはいつか?

黒潮にのって本州にくるのがいつか?、というのが (色々な意味で) もうひとつの重要な観点となっています。もう少し、広域で流れをみたのが下の図です。

画像2

黒潮は琉球列島に沿って東シナ海を流れて、メインは種子島の南、一部は九州と種子島の間の大隅海峡を通って、太平洋に抜けています。沖縄本島と奄美大島の間を通過中の軽石ですが、奄美大島と黒潮の間に、流れの弱い海域があります。黒潮本流に乗って、びゅいーんと本州までたどり着くものもある一方で、この海域でしばらく滞留しているものも出てきそうな分布ですね。詳細は、粒子実験をするなどして確認してみようと思います。

ひとまずまとめ

現在、軽石軍団の主力は、太平洋から沖縄本島と奄美大島の間を通って、東シナ海へ絶賛流入中、というのが気象庁の海洋モデルの結果と、Twitter サーチから得られる仮説です。黒潮へのライドの時期は不透明な状況です。今後も、事態を追いながら、解析結果も随時お知らせしていこうと思います。

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