キャリアをあきらめなくていい世界をつくりたい。
「キャリアをあきらめなくていいんだ…とわかってほっとしました」ーー先日、とあるメディアの取材でお話しした女性のライターさんが口にした言葉です。
実はこういうふうに言われることって少なくありません。イベントやメディアの取材でお話しすると…
「仕事と家庭の両立ってやはり難しいのでしょうか?」「身近に女性のロールモデルがいないのですが、どうしたらいいでしょうか?」
こんなご質問をよく受けますし、それに対して私なりに考えることをお話しすると、「ああ、そういう方法があるのですね」「あきらめなくていいんですね」という反応を受けます。
私がお話しすることって特別なことではなくて、私が体験してきたことだったり、知っている事例の話だったり…
■キャリアには本当に多様な選択肢があること(正社員/契約社員/派遣社員/フリーランス/会社経営…など)
■それぞれ選択肢がボーダーレスになってきていること(社員✕フリーランス、フリーランス✕会社経営…など)
■年齢や環境、ライフステージの変化によって価値観が変わるのは自然なこと
■環境やライフステージの変化にあわせて「そのときの自分にフィットするキャリアの形」をつくっていけばよいこと
当然、キャリアをあきらめる必要なんてないんです。いつだって変えられるし、変わっていける。自分の手で選んで組み合わせてつくっていくことができる。
でも、「キャリアをあきらめないといけないことがある」っていう不安やモヤモヤってなくならないんですね。
そういう女性たちの不安やモヤモヤを解決したくて多様な選択が可能な社会にしたくて、2013年にWaris(ワリス)という会社を仲間と創業して事業をやってきたのですけれど、まだまだ自分たちの力が足りていないことを冒頭のような言葉にふれるたびに思います。
実際「2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%程度にする」という政府目標は達成時期が先送りになっちゃいましたし、世界経済フォーラムが毎年発表するジェンダー・ギャップ指数は153か国中121位と今年も例年と似たり寄ったりの順位に落ち着いています。
このままでいいわけがありませんし、自分にできるかぎりのことをしたい。
次の10年は本当に社会の課題を解決して、一人ひとりが自分らしく力を発揮できる社会をつくっていきたい…最近、あらためてそんなふうに感じています。