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子どもたちの元気を引き出す8

自己選択・自己決定の保証を!

 子どもたちの自己肯定感を高めたいけれど、どうしたらよいだろうか。
 そう考えていた時に出会ったのが工藤勇一さんの本でした。
 
 自己肯定感の低い子たちは、大人たちからのダメ出しを受けるうち、
「こんなことを言っても、きっとダメっていわれる」
「どうせ無理だろうな」
と自信を失い、挑戦する心が矮小化していきます。
 
「いわれたことだけやっていればいい」という大人のメッセージは、子どもたちのチャレンジ精神を隅っこに追いやり、次第に「言われたことだけやろう」「指示してくれないと動けない」となっていきます。

 こんなつまらない人生はない!
 
 小学生の時代に「どうせ無理」を言わせてはいけない!
 一生言い続けてしまう。
 
 自己肯定感を高めるには、「自分で選ぶ」「自分で決める」「そして行動に移す」という経験が必要です。
 幼稚園・保育園ではこの経験がたくさんできた子たち。
 小学校に上がった瞬間、それが叶わなくなります。
 
「廊下は走ってはいけません!」
「ここではボールを使ってはいけません!」
「休み時間は外で遊びなさい!」

「なぁぜなぁぜ?」と聞いても、納得のいく説明がもらえなければ、従えばいいのかとなってしまいます。従わない子は「何か特性があるのかな?」とレッテル貼り。おかしな場所、学校。

授業の中で、自己選択・自己決定を

 年間約200日の登校日。そして1000時間ほどの授業。
 この中で、どれだけ子どもたちの自己選択、自己決定は保証されているでしょう。
 どんな些細なことでも、「自分で決めていいんだよ」「こういうとき、どうしたらいいと思う?」と考える機会を保証してほしい。
 学校は小さな社会です。共同生活を過ごす以上、約束・ルールも必要。
 でも、「何のための約束?」「ルールがないとどうなっちゃう?」を考える機会がなければ教室が教室でなくなってしまうかも。
 
 教室が「安全」であること。
 それを土台に「安心」が感じられる場所であること。
 そんなクラスは一朝一夕にはできません。
 積み重ねが必要です。
 じゃあどこで?
 一番多くの機会がある「授業で!」です。

 「今日はどのページを学ぶ?」
 「どの漢字を練習しようかな?」
 「どの話を音読しよう」
 「一緒にお話書かない?」
 「振り返りはどの紙に書こうかな」
 
 授業中、小さなことから大きなことまで、選択の機会・決定の機会はたくさんあります。
 「それを選んだのはどうしてかな?」
 「あのね~、今日はこんな気分なの!」
 
 自己選択・自己決定の機会を重ねると、だんだんと「何のため」がいえるようになってきます。ゆっくりゆっくり、小さく経験を重ねていきましょう。きっと変わっていくはずです。

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