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台湾ひとり研究室:取材メモ編「台湾文博会、メディアツアーに参加しました。」
4/16(金)、台湾文博会(CREATIVE EXPO TAIWAN)が開幕となり、初日のメディアツアーに参加しました。
正式名称を「台湾文化創意設計博覧会」とする文博会は、2010年から始まりました。去年はコロナ禍で一度、中止を余儀なくされましたが、コロナを抑え込んだ今年、その姿はまぶしく感じられます。
台北市内華山文創エリアで行われたオープニングには、行政院副院長、文化部長、故宮博物院院長などが挨拶に立ちました。行政院副院長といえば、台湾マスクの奇蹟を実現した沈栄津氏です(下の写真)。去年の2月まで、輸入に頼り切っていたマスクでしたが、当時経済部長だった沈氏がメーカーと直接交渉を重ね、わずかな時間で生産ラインを一気に増設、のちに海外輸出できるまでの体制を確立したことで、「台湾マスクの奇蹟」といわれるまでになりました。
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会場入りには、全員マスクは必須で検温と実名記録も必須ですが、見ての通り、完全なる密の会場。今年はできる、そのことを誰もが喜んでいる様子。
沈氏はそのあいさつで、今回のスローガンでもある「信じる力を集結しよう」を唱えつつ、今、台湾は世界でいちばん安全な国であることをアピール。こうした文化を通じて経済も盛り上げていくことが、台湾自らの自信になると経済官僚らしいスピーチを行いました。
それを受けてあいさつに立ったのが文化部長の李永得氏。今回の文博会を通じて10億元(約38億円)を突破したいと意気込みを述べ、会場がわっと沸き立ち、とても印象に残るオープニングとなりました。
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日本統治時代にはお酒と樟脳の工場だった華山文創エリアですが、その工場跡地がこうして文化を産み出す発信基地として今もなお、利用されています。今回は、メイン会場のほか、花蓮や嘉義をエリアをテーマにした会場、さらには工芸がテーマとなった館も設けられ、どの建物もそこの文化を今の人たちがどう捉えているかが表現されていました。さらに、表現手法として、デジタルも駆使しています。うまく表現できませんが、カルチャーとデジタルの融合は、台湾っぽいな、と感じさせます。
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なお、松山文創エリアでは台湾のデザインブランドを集結させた展示販売が4/22(木)〜25(日)までの5日間開催されます。同じ日程で花博エリアでも、キャラクター展示が行われる予定。
展示を回りながら、自分の「文化」「カルチャー」の捉え方が固定的なことに気付かされていました。台湾の方たちの発想の豊かさ、自由度の高さは、文化の定義がどうかを議論するというよりも、自分たちがどう形づくっていくのかを楽しんでいるように見えるのです。
韓国のカルチャーが大きな成功を遂げているのを台湾でも目の当たりにしますが、翻って日本では、文化に対する予算が潤沢とはいえない現実があります。カルチャーを大事にしていくことは、自分たちが自信をもち、胸を張って生きる姿につながるのだと、大いにまぶしさを感じた1日でした。
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