台湾ひとり研究室:取材メモ「愛媛県人会で見直す人の輪」
14日夜は台北市内で愛媛県人会が行われ、愛媛出身のワタクシ、久しぶりに参加してきました。県人会の会場は、松江路にあるてつわん(鐡之腕鐡板料理)です。
こちらの伊藤店長が愛媛出身ということで、県人会はたいていコチラ。ちなみに伊藤さんは県人会の会長です。
さて今回の県人会には、愛媛県西条市から3人の参加がありました。西条への台湾人観光や西条の物産を台湾に展開することをめざし、今月12〜15日まで市長含めた9人の訪台団が組まれ、台湾でトップセールスを行ったそう。そのうち御三方が愛媛県人会に参加されたのです(リンク)。
とりわけ毎年10月に開催される「西条まつり」には、ぜひ台湾の方に来てほしい、とのこと。西条出身のメンバーからは「このポスター見ると血が騒ぐな」という声も聞かれました。西条市の背に位置する標高1982mの石鎚山は四国のみならず、西日本における最高峰。もちろん百名山のひとつです。パワースポットとしても有名で……と書いているうちに、登ってみたいと思ってしまいました。
てつわんのお料理をいただきつつ、それぞれ歓談していく——要するに飲み会です。最初に乾杯する以外、決まりは特になく、名刺交換しながら、たばこ場でたばこ吸いながら、交流が進んでいきます。適当に席を入れ替わったりして、近くに座った方にお話を伺っていました。
今回初めて知りましたが、台湾には各地の県人会があるそうです。100人以上が参加する大型の会もあって、輪の広がりを感じます。とはいえ我ら「愛媛県人会」とはいうものの、参加者は愛媛出身者に限っているわけではありません。今回だけでも広島や宮崎出身、あるいは台湾の方もいましたし、ちょうどお店で別で飲んでいた方とも交流してしまう、というフレキシブルな場です。
県人会最大?のお楽しみは、〆に出される伊藤さん渾身の「鯛めし」。これは県人会の時に出てくる特別メニューです。
愛媛県出身者が「旨い!」と口を揃えるひと品。昨日は「一気に愛媛な気分になりました」という声も出て、ついつい私も「これが食べられると思うと来ちゃうんですよね」と言うと「あ、同じです」と同意する方がいて、うれしくなりました。
さて、久しぶりに参加を決意した理由は、昨日配信した記事で取材した、台湾在住20年以上という方のお話でした。言語も文化も異なる海外での暮らしは、人によっては抜き差しならぬ状態に陥ることがあります。そんな時に話せる相手がひとりでもいれば、安心につながります。さらに、そんな場をひとつでも多く持っておくことは、台湾においては外国人という不安定な身の上を支える、その人なりのセーフティーネットになる。県人会はそういう意味で息継ぎの場なのかもしれない、と思ったのでした。実際、仕事の話、個人的な話、いろんなやりとりをしながら、なんだかほっこりした気持ちになっていました。
さてさて、太平洋でつながる台湾にいて、またひとつ愛媛の物産が見られる日を心待ちにしています!
勝手口から見た台湾の姿を、さまざまにお届けすべく活動しています。2023〜24年にかけては日本で刊行予定の翻訳作業が中心ですが、24年には同書の関連イベントを開催したいと考えています。応援団、サポーターとしてご協力いただけたらうれしいです。2023.8.15