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台湾ひとり研究室:本屋編「新刊ひとり告知祭り、始めます。」

来月、グラフィック社さんから新刊『「神農生活」のある暮らし 台湾を日常に』という単行本が出ることになりました。私は現地在住のライターとして、この本の取材・執筆・編集をお手伝いしています(Amazonの予約ページはこちら)。

現在は予約購入の段階ですが、本日から、「ひとり告知祭り」と題して、4月8日発売までの平日、この書籍の制作裏話をこちらでご紹介していきます。

なお、これから書いていく内容は、ライターという立場から見た、私のごくごく個人的な感想です。公式見解ではありません。単に、本書に関連する読み物として楽しんでいただけましたら。それから写真は私が取材時に撮影したものです。書籍に使われているのとは雲泥の差がありますが、そこは臨場感ということでどうかご容赦を。素敵フォトはぜひとも書籍でお楽しみいただけたらと思います。

では、始まり始まり〜! 初回の今日は、コンセプトの話から。


今回の書籍『#神農生活のある暮らし 台湾を日常に』のご依頼があったのは、昨年の夏のことでした。そこで同時に、大阪への出店を知りました。

取材を重ね、原稿を書いていく中で、強く思ったことがありました。

日本人にとって台湾は旅先のひとつだったけれど、もうそんな旅先ではなくなるのかも、ということです。

これまで、台湾のものは台湾に来ることでしか手に入りませんでした。もちろん、日本で台湾雑貨を輸入して扱うお店はありましたし、一つのブランド単体で進出することはあったかもしれません。そういう場合は別として。あ、ネットで買える、というのも、またちょっと違うのかなと思ったりして。

2019年に誠品生活が日本橋に出店し、今年また神農生活が大阪に出店する。生まれ方は大きく違いますが、共通する点があります。それは、どちらもMade in Taiwanを扱うプラットフォームのブランドであること。

かなり大雑把ですが、誠品生活は若手デザイナーの作品を扱うプラットフォーム、神農生活は長年愛されてきたものを扱うプラットフォーム、という点に違いがあります。

けれども、この新旧のプラットフォームがどちらも日本に進出した、というのは、日本と台湾の関係が新しい局面を迎えたのだと思えてなりません。

——と、こんなふうにアレコレと考えを巡らせつつ、ご依頼をお引き受けしたのでした。新型コロナウイルスの影響で旅ができない、という局面でのお話で、余計にそう感じられたのかもしれません。ただ、なんというか、これまでとは違うぞ、そんな意識を持ったのです。

「台湾を日常に」とは、そういった大きな文脈にあって、旅からもう一歩踏み込んだ関係をつくりたい、という意味を込めたものです。

日常になるのかならないのか、ということもひとつですが、台湾で育まれてきたスタイルを楽しむ。本書が、そんな一助になればうれしいです。

発売まで、あと25日。

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田中美帆|『高雄港の娘』春秋社アジア文芸ライブラリー
勝手口から見た台湾の姿を、さまざまにお届けすべく活動しています。2023〜24年にかけては日本で刊行予定の翻訳作業が中心ですが、24年には同書の関連イベントを開催したいと考えています。応援団、サポーターとしてご協力いただけたらうれしいです。2023.8.15