「映画かよ。」の解説かよ。 Ep53 運命のボタン|まったくおすすめはしないんだけど
(写真は全て駒谷揚さんから提供)
3シーズン目に入っている、駒谷揚制作・監督によるYouTube短編映画シリーズ、「映画かよ。」。Ep53「運命のボタン」が配信されている。
Ep53「運命のボタン」
樹里(枝ちなみ)は、謎の老紳士から、押しボタンのついたスイッチボックスを託される。24時間以内に押すと100万ドルが得られるが、見知らぬ誰かが死ぬという。押さない自信がない樹里は、恋人のスズカ(佐々木しほ)にボタンを託す。最初は押す気満々のスズカだったが、一旦躊躇したら押せなくなってしまい、誰かに押させることに。映画オタクのミノル(伊藤武雄)をだまして押させようとするが、うまくいかない…。
こういう設定ならば、やはり、クールで、こだわりなく、いかにもボタンを押しそうなスズカが適任。ただ、恋人の前では強気なのに、一人になると、やや弱気になるところが、彼女らしい。演じる佐々木しほの、役づくりの安定感がハンパない。
実はこの映画、全く知らなかった。
日本とアメリカで注目度の違いがあって、こっちでまったく泣かずとばずの映画が、日本でヒット、ということもたまにある。公開時に話題にならず、後からカルト的に人気が上がって知る作品もある。いくら映画オタクだっていっても、見ていない映画なんて、たくさんある。
ただ、「ドニー・ダーコ」のリチャード・ケリーが監督、脚本を手掛けていて、スティーブン・スピルバーグ監督作「激突」の原作・脚本を書いているリチャード・マシスンの短編小説が原作、主演はキャメロン・ディアスと、なんとなく自分としては知っていてもよさそうな要素が集まってる。
「映画かよ。」で、モチーフにする作品で、ここまで知らない映画が珍しかったので、「なんでこの映画やねん?」と、駒谷揚監督に聞いてみると、「この映画、おすすめはしないけど、トンデモ映画的に面白くて。「映画かよ。」に持ち込んだら面白いかもと思った。嫌いじゃないんだよ、おすすめはしないけど」と答えが返ってきた。
「映画かよ。」での設定と同じように、ボタンを押す押さないで逡巡する話だそうだが、そこにトンデモない設定というか、「それいる?」という設定が紛れ込んでいる映画、おすすめはしないけど、というものらしい。
ネタバレをまったく気にしないし、ストーリーだけ聞いて、多分観ないだろうなと思ったので、どんなトンデモ設定があるのか聞いてみたが、それを聞いて、むしろ興味を引かれた。「全然おもしろくはないのよ」「おすすめはしないよ」と言われれば言われるほど、「押すな、押すな」ってダチョウ倶楽部かよ、というぐらい「運命のボタン」が気になってきた。なんだか、「映画かよ。」による、「運命のボタン」を見させるための、壮大な仕掛けなのかと思わされてきた。これもまた、「映画かよ。」のマジックだなと、改めて思わされた。
ちなみに、今回、老紳士役で出ている谷口コージさん、直接お会いしたことはないが、駒谷監督づてに知り合いになって、お姿はSNSで拝見していたのだが、ミステリアスな表情にしゅっとした立ち姿、むちゃくちゃハマっていた。「猿の惑星」が大好きな映画オタクの方、という情報から勝手に抱いていたイメージと全然違う(笑)!と、個人的には驚きポイントだった。ぜひ再登場をしてほしい。
「映画かよ。」のリファレンス
【「映画かよ。」note】
駒谷監督はこんな人↓
「映画かよ。」に関するレビュー↓
トリッチさんによる
「カナリアクロニクル」でのレビュー
Hasecchoさんによる
「映画かよ。批評家Hasecchoが斬る。」
YouTube「映画かよ。」のコミュニティーページで展開
おりょうSNKさんによる
ポッドキャスト「旦那さんとお前さん」