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普通(ふつう)ってなに?
「ごはんはカタメかヤワメを選べますが、いかがしましょうか?」
焼肉店の女性スタッフが聞いてきました。そのお店のごはんの硬さに「普通」はありません。
とんこつラーメン店では、
麺の硬さは「やわめ、ふつう、カタ、ばりカタ、ハリガネ、粉落とし」が選べます。お店のオススメは、「カタ」です。
そんなとき私はいつも思います。なにが「普通」なのかと。
日本で暮らしてきて「普通」とは、「一般的なもの」という認識でいました。だけど最近その認識に違和感があるのです。
普通(ふつう)を辞書で調べてみると…
いつ、どこにでもあるような、ありふれたものであること。他と特に異なる性質を持ってはいないさま。
とあり、どこか少しだけネガティブな印象を受けます。今の私ならこうします。
自分の中であたりまえに「そうあるべきだ」と思っていること。十人いれば十人の「ふつう」が存在する。
自分の「普通」を人に押し付けず求めず、他人の「普通」と比べない。もし、辞書の説明が違っていればそんな世の中になっていたのかもしれません。
ちなみに英語圏では「普通」の表現がいくつかあります。
① normal : 通常の
② average : 平均的な
③ standard : 標準の
④ ordinary : いつもの
⑤ everyday : 普段の
⑥ common : よくある
日本語の「普通」のように全てに一言で対応できないのです。
「普通」には、一般的な・平均的な・どこにでもある、など様々なニュアンスが含まれていて便利です。だけど、これから新しい世代が築く日本においては、現状の「普通」の意味がフィットしなくなるのかもしれません。
そんなことを思いながら、
「ごはんは、カタメでお願いします。」
と私は注文するのでした。