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タイミングの話
編集はタイミングが全てである。そう言われると私のような映像関係者は「ふむ、まさしくそうである。」と妙に納得することになります。
というのも、1カットの尺の長さで伝わり方が違うからです。例えば、二人で話しているシーンでも一人だけカットが長ければ、その人に感情移入したり、なにか特別な考えを持っていそうな気がしたりします。そこで1カットを切るタイミングをフレーム単位で調整するのです。
または、タン、タ、タ....ダーーーーン!っとさ。そして最後はスーッと。編集作業ではディレクターとエディターの間で、こういう風な会話がたまにあります。もうそういう時代ではないのかもしれませんが、テンポ感の話です。これはどうやら映像だけではなく、文章の編集にもテンポというのは大事とされているようです。テンポ感についても、要素を差し引きするタイミング次第で演出できるのだと思います。
総じて、タイミングは編集においては非常に重要です。
少し大きく出ますが...タイミングは、人生においても同じく重要だと私は考えています。
例えば、音楽を勧められても自分のタイミングと合わなければ感動しません。すごくハッピーな気持ちな時にバラードがしっくりこないのに、失恋した時には救われるほど染み込んでくる。そんな感じです。
このタイミングというものを認識してうまく付き合うと、仕事でもプライベートでもベストパフォーマンスが出せるのです。
私たち人間は、日によって時間によってやる気が出ないことがあります。そんな時に仕事をしてもクオリティは上がりません。ということで、やる気がでるタイミングを待ちます。寝ても良いですし、散歩しても良いです。仕事を納期に間に合わせるための作業開始時間を見積もって、その時間までは全力でタイミングを待つぞという意気込みです。よしやろう!となるまで待ちます。
私にとって読書も映画をみることも、「よしやろう!」のタイミングを早める加速剤です。林先生の「いつやるの?今でしょ!」という言葉と同じくらいのチカラがあります。そういうものも使って自分のタイミングとうまく付き合うことができれば良いのではないでしょうか。
タイミングを制するものは、人生を制す。
そうして今日も、サーファーのごとく波待ちをしているのです。
......サボっているときの言い訳をカッコつけていうとそんな感じです。
さ、仕事しよ。
おしまい。