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自分の直感を信じて生きたほうがいいと思ったキッカケの話
それは引っ越したてのアパートの一室でのできごとです。そのときの彼女(いまの奥さん)と同居するために借りた部屋でした。
駅から徒歩3分、窓も多く日当たりも良好な角部屋です。下の階は歯医者さんや内科のクリニックの店舗で、夜は静か。上の階はその一角だけ屋上のようになっていて住人の足音が響くなんて悩みから程遠い。キッチンも改装したばかりでちょっとレトロなピカピカの赤色。
「ここが良い!」直感に従って即決しました。
軽トラックを借りて二人でせっせと引っ越しです。途中でふとたち寄ったバッティングセンターで彼女がホームランをだしたこともあってウキウキ、新たな生活に胸をときめかせていました。
しかし、引っ越してから少し違和感を覚え始めたのです。
「怖い夢をみた」
「誰か窓からみている気がする」
「いま窓からなにか落ちなかった?」(上の階にはだれも住んでいません)
「泣いてる声が聞こえた」
そんなことが彼女に頻繁に起こるようになったのです。確かにたまに「霊的な怖さ」を感じる気がします。
そんな私はというと、
「彼女に殺されるかもしれない」
夜中に起きてトイレにいった彼女をみながら、なぜかそんなことをぼんやりと考えるようになっていました。
これは何かがおかしい。そう思いながらも昼間の日当たりの良さと立地の良さに免じて目をつむっておりました。
そんなふうに3ヶ月が経ったある日、撮影終了後にスタッフと出演者でワイワイといつものように無駄話をしていました。そしてふと話題が物件の話になり、事故物件情報提供ウェブサイト「大島てる」を誰かが検索し始めたのです。
「田中くんの家も調べてみようぜ!」
そう言われて私は住所を伝えます。
結果、ファイアしておりました。事故物件にはサイトの地図上にこんな炎マークがつくのです。
飛び降り自殺だったそうです。
事故物件だったとわかって、これまで感じていた違和感の糸がピーンっと、一つの線でつながったような感覚がありました。
不動産屋さんがしきりに、別の物件を推していたこと。
内覧の際、その不動産屋さんはベランダで遠い目をしていたこと。
大家さん宛の郵便物が届くこと。(前に居住者が入れば事故物件であることを伝えなくて良い。この場合、一度大家さん名義に変更してたっぽい。)
謎の「怖い」という感覚や出来事。
そうと分かれば、私にとってこれは最高の話のネタです。
↑怖さはこれですぐに解決!そのお部屋のまま結婚したり、こどもを授かったりで6年ほど住んでました。今はもう別の場所に引っ越してしまいましたが、いまでも過去ベストな物件だったと感じています。
この体験を通して思ったことがあります。なんかオカシイ、なんか怖い。そんな直感は信じてよいということです。もしかするとこれが「第六感」の一部で「霊感」と言われるものなのかもしれません。
また、「なんか良い気がする」そんな直感に従って決断すると間違いない気がしました。
ともかく私はこの時から自分の直感を信じて生きています。その後、直感を信じることで一人の命を救うことになります。そのお話はまた後日。
ちなみに、その住所が「404番地の404号室」だったこともまた最高のスパイスです。こんな良いネタに出会わせてくれたうえに、直感を信じていいよと後押ししてくれたお部屋に感謝です。
おしまい。