見出し画像

ダサいかダサくないか基準

私が関わっていた音楽専門チャンネルの番組制作でのお話です。ミュージシャンやそのレーベルにとってダサく映るのは絶対NGです。そんな中、当時の音楽専門チャンネルではカルチャー最前線で育ってきた音楽好きたちがプロデューサーやディレクターとして采配をふるっており、民放は出演しないけどそこの音楽専門チャンネルなら出てもいいという人気ミュージシャンも多数いました。

会議では「それ、ダサくない?」「それ、なんかいいなぁ」などというあいまいな言葉が行き交います。民放のどバラエティ番組から移動してきた私にはその感覚が理解できませんでした。

ただそういう先輩方の作る映像作品や番組はめちゃくちゃクールでかっこよかったのを覚えています。

そしてどっぷりと音楽映像制作の業界に浸かり、時がたったいま、あのころ会議で行き交っていた「ダサいかダサくないか基準」の意味がわかったような気がしています。

いつも最新・最前線のカルチャーを牽引する音楽業界、その魅力を最大限に伝える映像や番組。なにがダサくてなにがダサくなかったのでしょうか。

いま思うに、発言したヒトが本当に良いと思っていたり、ほかにはない熱意を持っていた場合はダサくなりにくいもしくは「そのダサさが良い」に変わるのです。

もちろん「ダサいダサくない」の境界線はこれだけではないです。しかし私は熱意がないものや、自分が面白いと思えていないものを出してくるヒトのその行動を「ダサい」と分類します。そういう時はだいたい謎の忖度があったり、変な媚を売っていたり、はたまた流行に流されていたりするのです。

逆に自分に正直に生きて表現するヒトは、カッコよさや面白さが際立ってくるのではないでしょうか。

もし誰かに「これダサくない?」と言われたら「え?これ分かんないんですか!?めっちゃ面白いのに!」とつらつらとその面白さを説けるくらいの、ダサくない生き方をしよう。


ぜんぜん関係ないですが、ソエジマケイタさんのアルパカイラストの文字バリエーションがスゴすぎて感動しました。まさか「クソダセェ」があるとは。「ヘッダーに迷ったらアルパカに聞け」ですね。

おしまい。

いいなと思ったら応援しよう!