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夏の食べ歩きと夕方のサンマルコ


休日は6:30といつも通りに起きて
朝食を摂り、もう一度寝る。
という贅沢を気持ちよくやってのけ
11:00に目を覚ました時には
体に元気が漲ってしまい
どこか出かけたくなってしまう。

しようと思えば永遠にダラダラできる。
という夫に
あれやこれやプランを提案して
その気にさせて出掛けることになった。

今日は35℃と暑いけれど風が吹いているせいか
まだ穏やかだ。
日々エアコン生活をしている私としては
体の芯が温まってくるような心地のいい暑さだ。

地下鉄は1人で乗るよりも2人で乗った方が楽しい。
乗り換え待ちでの他愛無いお喋りに
街ゆく人々の観察。


プランはこうだ。
大須商店街にある美味しいたこ焼き屋さんでたこ焼きを食べて、かき氷屋さんで涼んで帰ってこようというもの。
が、休日の大須。
コロナの中にあっても多くの人で賑わっていた。
たこ焼き屋さんは暑い中30分ほど並んだ
その間に夫にはハイボールを勧め
私は冷たい麦茶を飲んだ。


ここのたこ焼きは中がトロトロ。
お出汁も効いている。
セルフサービスで天かすもかけられる。
もちろん出来たてを食べるわけなので
熱々のトロトロを1つ口に放り込む訳にはいかない。
割り箸で1つずつ割りながら冷まして
それでも口に入れるときはしつこい位
ふーふーしなくては大火傷だ。
(しても火傷は毎度するのだけど)

夫は初めて食べるその熱々のたこ焼きを
冷たいハイボールで流し込んで
汗をかきながら「おいしい!いいね!」
という。
シンプルな人だ。
こういうところがかわいくて好きなんだよな。 

たこ焼きを2人で一舟平らげて
次なるうまい処をさがす。

本当はプラスチックカップなんかにはいった
スパイシーな唐揚げか屋台の焼きそばとかを
食べたいのだけれど
流石に汗だく。
涼しいところでひと心地つきたいので
探し回り沢山歩いて見つけた焼き鳥屋に入った。

涼しい店内では
若い学生の女の子達がパタパタと働いている。
満席ではないが、
50代くらいののカップルがめいめい
気持ちよく昼飲みを楽しんでいる
良い店のようだ。

枝豆、ポテトフライ、ねぎまとハラミ
それに手羽先の唐揚げ。
夫は二度目のハイボール、私はジンジャーエールを注文したところで、マスクを外して汗を拭う。

乾杯して枝豆の塩気にひと心地着いた頃ポテトフライがやってきた。上機嫌だ。

汗をかいたあとの冷たい飲み物には歓喜がある。
1人で飲むのもそれは楽しいのだけど
これを共有ができると言うのは素晴らしいことだ。

後からやってきたねぎまとハラミもなかなか。
焼き鳥屋さんの手羽先の唐揚げは
チェーン店のそれとは違って、さっぱり甘くて適度な塩味と胡椒が効いている。何せ手羽先自体が美味しい。

のんびり食べ、飲みながら
この後どこに行こうかと相談した
ここへ来る途中にあった評判のかき氷屋さんは沢山の女性客ばかりの待ちが出ていたので気後したので止めにして、電気屋さんだ百貨店だと気になるをピックアップし、沢山歩けそうなコースができていった。

会計を済ませ外に出たら
すっかり汗が引いていたことに気がついた。
外気の暑さが心地よく感じるほどだ。
さあ、また汗をかくかな。

そのあとはとにかく沢山歩いた。
ヨドバシカメラではエアコン、パソコン、電動自転車、壁掛け時計、洗濯機を見た。
電気屋さんには本当に所狭しと商品が並んでいる。
ポップも案内も同じように。
目がチカチカするけれどヨドバシの店員さんの目の覚めるような青色ズボンは不思議と何処にいてもわかる。

松坂屋では改装したばかりらしい若者向けのフロアを見て回った。東南アジアの百貨店のような賑やかな作りになっている。新しく出来たとみえるレモネード屋さんには短い間隔で2人がけの席が並んでいて、賑やかな格好の若い女の子たちがビッシリ座っていて、それぞれ持て余した時間やお喋りを楽しんでいた。

最近では余裕のある空間よりも、
賑やかで寂しく無い空間の方が好まれるのだろうか。
キラキラしたビーズの暖簾の様な賑やかさに紛れる孤独。今も昔もそんなに変わらない人間の本質の部分。

ブティックのフロアの隅に自販機のある休憩所で
椅子に座りデカビタCを分け合って飲んだ。
まだそんなにお腹は空いてないけれど
もう16:00なので夕飯の相談。
あまり遅くに夕飯を食べるのは憚られるし
腹ごなしも少しはできていたので
何を食べるか考えた

デパ地下でお弁当買って帰る
近くの坦々麺屋さんでウンペンロゥ
初めてだけどサンマルコでカレー


「カレーだね」と夫。
他2つの提案の時より眼に光が点る。
行ったことないお店だけど、
ずいぶん昔からあるからきっと美味しいんだよねと
行ってみることにした。

通し営業とはありがたいもので
デパ地下にあるサンマルコは早めの時間だから空いているし、カレー屋さんだからなのかタンブラーなみなみに氷水をくれた。
BGMはクラッシックな音楽がながれている。

スプーンとフォークというカトラリーと
キャベツのピクルスが出てきて
これはびっくりしたのだけど
備え付けには
パイナップル、きゅうりの漬物、レーズン、ピーナツ
というラインナップ。
カレーのことは詳しくわからないけど
ヨーロピアンタイプと呼ばれるものなのだろう。
2人してほうれん草のカツカレーを注文して
キャベツのピクルスををつまみながら待つ。
これがびっくりするほど酸っぱいし甘い。
でもそれが良い。きっとカレーに合うだろう。


程なくしてカレーの到着。

所々剥がれた銀縁に年季を感じるお皿に
ご飯は丸っこいアーモンド型で
美味しそうなサラサラのカレー
素揚げされたナスやパプリカと
茹でたほうれん草の上にはカツ。

「あぁ、立派なカレーだね」
ため息が出た。
おうちじゃこんな綺麗なカレー作らないもの。

一口食べて驚いたのは
スパイスがちゃーんと効いていること。
それが嫌味でもなく
コクがありすぎるわけでもなく
清々しく食べられるちゃんと辛いカレー。
カツもさっぱりした揚がりで
スイスイ食べられてしまう。

きっと70〜80年代にはこんなカレーを
ホテルの喫茶なんかで、
付き合いたてのカップルやなんかが
緊張の笑みを浮かべながら食べたりしていたんだろうねと話しながら、
サンマルコは決して広くないけど
(カウンターと2人掛けが3席だけ)
そういう気持ち良さを感じる空間だった。

こうして食べている間にも
持ち帰りのお客さんが絶えず
厨房は忙しそうだった。

お互い食べ終わるころには
額にしっかり汗をかいて
大きな満足のため息をついていた。

さて、時間もまだ早いし
腹ごなしにもう少し歩いてから帰ろうか
と、立ち上がる。

会計を済ませ外に出ると
夕方の涼しい風が吹き始めていた。
爽やかなカレーの風だった。

いい休日だった。

#サンマルコ #名古屋松坂屋  
#大須商店街





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