見出し画像

作り方を作りこむ(作品の作り方)

いままでのnoteでは、
作品に対する考え方について、説明しました。

しかし、実際に作る方法も大事です。
ツールや技術的な話です。

「4D TYPE」は、ペーパークラフトです。

映像を見る限りでは、
画用紙とカッターナイフで制作しています。

技術と経験が必要なことがわかった

・手を動かす
・立体を設計する
・図面におこす
・テストを重ねる

図面を描いて、のりしろも入れて、設計して、
線引きとカットするのは、経験と訓練が必要になります。
もちろん、丁寧な作業がいりますね。
また、ある程度大きくしなければ、作りにくいし、
粗が目立つことにもなります。
このサイズ感も、いろいろとモノをつくったことがある人なんだ
と感じました。

デジタルツールで、経験と技術を補う

つまり、これをすぐに作ることは、難しいため、
ツールを使うことを考えました。

方法1:デジタルツールを駆使する

・123D DESIGN
・ペパクラデザイナー
・Adobe illustrator
・カッティングマシンCAMEO

まずは、3Dソフトでもモデリングを行いました。
フリーソフトの123D DESIGNでモデリングをしました。
もう、提供終了しているソフトです。

コンバインというツールがあるので、
3Dの文字を交差させて合体することで、モデリングしました。

1、モデリング
2、展開図の作成
3、illustratorに読み込み
4、カッティングマシンでカット
5、接着

次に、ペパクラデザイナーというソフトを準備します。
現在も販売している有料ソフトです。
3Dデータを読み込ませると、展開図を書き出してくれます。
ベクトルデータで書き出せるので、
illustratorに読み込ませて、データの調整を行います。
そして、カッティングマシンを使って、
画用紙に展開図をカットしていきます。

ペパクラデザイナー

CAMEO

問題点

・工数とソフトが多すぎる。
・展開図を自動化させても、無駄な線が多く、
 シンプルな展開図は描けない。
・illustratorでの修正がかなり手間取る。
・カッティングマシンでミシン目をいれるが、
 接着してもはみ出してしまい、美しくない。
・カッティングマシンだと、カットできる紙の大きさが小さいので、
 ペーパークラフトをするのが難しい。

ペパクラデザイナーは、そのソフト自体が悪いとは思いませんが、
展開図の設定などをうまくやれば、良いものができると思います。
ただ、私がその設定に時間をかけて、使いこなすことを怠りました。

展開図の自動化の出来が悪かったため、
「田」のような簡単な形であれば、
illustratorで一から図面を引く方がきれいに作れます。

ただ、Mのように斜めの線などがある場合は、
illustratorで一から図面を引くことは、私には難しいです。

方法2:素材を生かす

デジタルツールを駆使して作るのには、限界を感じました。

また、「森」を作ろうと考えたときに、
棒状の形が多いと、展開図が複雑になり、
ペーパークラフトに限界を感じました。

次は、素材を生かす方法を試してみました。
発泡スチロールを組み合わせていくことで作ります。

スチロールカッターという道具で、
電熱線の熱で発泡スチロールを溶かして、カットしていきます。
建築の模型を作る場合も、この組み合わせを使います。

かなり綺麗にできたと思います。

方法1:デジタルツールを駆使するでは、
あまり良い点はなかったのですが、今回はありました。

良かった点

・作業が速い
・作業が単純

ただ、工程が簡単な分、作業の練度が必要でした。

悪かった点

・電熱がたわむ
・完璧な直線をカットするのが難しい
・設計した角度を加工に反映しにくい
・発泡スチロールの素材感が主張してくる
・ペーパークラフトと発泡スチロールも、弱いので保管が難しい

デジタルで設計しても、アナログな加工をする場合、
斜めや立体的なカットなどは、加工するのは無理です。

森のように、木を大量生産していくと、
カットが少し斜めが、個体差を生んで、並べたときに揃わなくなるので、
美しくなくなります。

発泡スチロールは、発泡しているので、
クレーターのような表面になるので、見え方によっては気になってきます。

方法2:素材を生かすの発泡スチロールは、すごく良い方法でした。
早く作って、立体感を確認したい!
設計せずに、とりあえず手を動かして作っていく!
など、プロトタイプの制作には向いていると思いましたが、
制作方法としての限界も感じました。

次のnoteでは、第3の方法について、
紹介する予定です。

いいなと思ったら応援しよう!

田中健司
メディアアートやプロジェクションマッピングが専門。アートやデザインなど、作品や作ることについて書いていきます。