ボットン便所に音姫

とある定食屋でトイレに入った時のこと。
そこは水洗便所ではなくていわゆるボットン便所。
とは言え和式ではなくて洋式のものだったし、清潔に保たれていたので嫌な気持ちはひとつもしなかった。

でも、店主は客に気をつかって「昔のトイレで大変申し訳ございません」だなんて貼り紙までしている。

そんなこと心配しなくてぜんぜん大丈夫だよー!

それはいいんだが、別で気になってしまったことがひとつだけあった。

それは、「音姫」が設置されていたこと。

排泄音を聞かれたくないのでトイレの水を流す。いやいや、それは水がもったいないでしょ、それならば水を流す音を出す機器を置けばいいじゃないか。
でお馴染みの音姫。

その音姫が設置されていたのだ。
ボットン便所に。

そこはかとない違和感。
水が流れないトイレから水が流れる音がする。
なんか、逆に「音姫を使ってます!今!まさに!」って感じが強調されてしまって恥ずかしいんだが…。

てか、そもそも音姫って、水を流す音じゃないとダメなのか?
プリプリッとか、ブリブリブリ!とか、ジョンジョロリンとか、そういう音を消したいわけなんだから、いっそのことそういう音がランダムで出る仕様にしたらいいんじゃないか?
「水を流す代わりに…」ってとこに引っ張られすぎてる気がする。

ブリブリブリ!って音のする音姫であれば、ひとりボットン便所で僕が違和感を抱えて悩む必要もなかったのだ。

余談だが、あの貼り紙。
よーく見てみたら「訳」の言偏が偶然ハートになっていたのが素敵すぎたから僕の今年の漢字は「訳」でいいや。

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