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決裁者視点で企画を固めよう(ROI思考)

バイトルの会社でPdMとして働きはじめ、気づけば3年の田中です。

最近の関心は、開発コスト・利益最大化・スケジュール感・事業戦略です。入社初期とは求められる目線が大きく変わりました。

決裁者(社長・役員・部長・課長 etc)はこの提案になんて言うだろう、ということがとっても気になるお年頃なのですが、結局コレだよなというある種の結論に辿り着いたので、整理しました。

以下は全て当たり前のことですが、もっと早く理解できていたら、入社すぐの案件も効率よく進んでいたのではないかと思います。

👇 ここから先はメモをコピペしているので言葉遣いが異なります。👇

合言葉は「旨い」「早い」「安い」

企画の要旨を説明するとき、構造化されて整理されていて理解しやすいことは、とても大切。

  • dipでは「旨い」「早い」「安い」やり方をしましょうね、という言葉がよく使われる。

```mermaid
graph TD;
	A[企画]
		A --> C[旨い]
		A --> D[早い]
		A --> E[安い]
```

ROI思考に落とし込む

  • ROI = 投資収益率(それやったらいくらプラスになるの?)

    • 施策効果:いくら儲かるの?=旨い

      • 売上増加(何円振り込まれる?)

      • 経費削減(何円使わないで済む?)

    • 実施コスト:いくらかかるの?

      • 稼働工数(社員に出す給料いくら?)=早い

      • 必要経費(もろもろかかる経費はいくら?)=安い

求められる「結果」は、ROIだけ。 自分の給料も稼働工数に含まれるから、施策効果がそれ以上じゃないとプラスにならない。

ROIが高いほど取り組む価値あり、優先度が高い

```mermaid
graph TD;
    A[論点(この企画を実施すべきか?)] --> B[結論(ROIが十分に高いから、実施すべきである)]
    B --> C[根拠1:旨い]
    B --> D[根拠2:早い]
    B --> E[根拠3:安い]
```

経営者の考えは「部下に仕事を任せて、お金を稼ぐ作業を自動化したい」である。 コスパよくお金を稼げる(ROI高い)仕事から順にやると効率が良い。

営利企業の取組みは「ROIが十分に高いから、やるべきである」という結論以外、ない。

根拠は全て揃っている必要はなく、「めっちゃ旨いから」「めっちゃ早いから」等々でOK。

事実を用意するために、仮説を検証する

```mermaid
graph TD;
    A[論点(この企画を実施すべきか?)] --> B[結論(ROIが十分に高いから、実施すべきである)]
    B --> C[根拠1:旨い]
	    C --> C1[事実A] -.- F1[仮説検証]
	    C --> C2[事実B] -.- F2[仮説検証]
    B --> D[根拠2:早い]
	    D --> D1[事実C] -.- F3[仮説検証]
	    D --> D2[事実D] -.- F4[仮説検証]
    B --> E[根拠3:安い]
	    E --> E1[事実E] -.- F5[仮説検証]
	    E --> E2[事実F] -.- F6[仮説検証]
```

ボトムアップで提案するとき、「旨い」「早い」「安い」施策である証拠がないといけない。

証拠として提出できるのは事実のみ。
自分の仮説を検証して、事実化する必要がある。

バイアスの話

決裁者(「この企画を実施すべきか?」の承認権限を持つ人)が 仮説を事実だと認識していると、仮説検証なしで通過する場合もある。これがバイアス。

ビジネス素養が高い人の決断でも、成功する可能性があり、失敗する可能性もある。

バイアスを利用する狡猾さ、実はデメリットがあんまりない

決裁者が持つバイアスは、仮説検証して定量分析して資料化して…という手間をかけずに稟議を突破する突破口になる。

事業に対して不真面目にも感じるが、ザッカーバーグの言葉が刺さる。
Done is better than perfect

自分に給料を払っている上層部が、まずやってみたいと思っているなら、やってみて「成功した」「失敗した」という結果を見せてみる。それが求められてる。

決裁者が決裁任されているのは、社内での共通認識を持ってる人だから。自分が納得するための仮説検証は、会社ではエゴなのかも。


追記(2024/07/16)

「旨い」「早い」「安い」に関連する吉野家の深い話

さて、「旨い」「早い」「安い」は元々、牛丼屋のキャッチコピーです。

創業者の松田瑞穂さんの陣頭指揮で急成長を遂げた1970年代のキャッチコピーは「早い、うまい、安い」です。経営破綻し松田さんが吉野家を去った1990年代に「うまい、早い、安い」と変わり、さらに2000年代に「うまい、安い、早い」となり現在に至っています。

かつての吉野家の売り文句が「うまい、安い、早い」ではなく「早い、うまい、安い」だった深すぎる理由

元々、早さを最も重視していたのが、旨さを重視するように変わっています。

何を重視するといいのでしょうか。それはまた別の話にしたいと思います。



まとめ

決裁者が考えていることは、決裁者本人の責任分解の範囲で基本すべてROI思考に基づいていると思います。

上のレイヤーの決裁者ほど、多くのプロジェクトを見て「コスパ良い施策はこれだな」と考えているため、目の前の決裁者だけでなく事業全体を意識しておかないとプロジェクトは長続きしません。

明日提出の上司への報告資料を作りつつ、余裕があるときに中期経営計画や決算書類も読んでおきましょう。

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