鳥飼茜先生原作の「先生の白い嘘」の映画化は、Xでフォローしている鳥飼先生のアカウントからの告知(注 2024070614時現在映画化についてはポストなし)ではなく、「監督のインティマシーコーディネーター拒否事件」で知った。
へえ、、「あの作品」を映像化か、、と何気なくインタビューの内容を読んで
心臓がクチから飛び出るかと思った。
「性加害がテーマの映画に出演する女優さん側がIC(インティマシーコーディネーター)を要望したのに、監督が断った。」という映画制作場面でのエピソードがそのまま掲載されていたからだ。
私が本件をSNS上で認識した時にはもう炎上していて、批判的なコメントがツリーにぶら下がっていた。「大好きな作品だから、監督の『方法論』の詳細を続報等で知ってから、劇場に足を運ぶかどうか判断したいなと考えて、7月5日の映画初日(炎上したのは前日の7月4日)の舞台挨拶のタイミングで、どんな報道があるか続報を待った。
予想通り舞台挨拶のときに監督が謝罪している。プロデューサーは謝罪文を読み上げている。
当該女優さんがしっかりした言葉で映画製作の現場に関してコメントしている。
「私は大丈夫です。」
それでも、SNS上の炎上は収まらず、インタビュアーの平辻氏が報道時の文書についての意図を説明し、映画の紹介を補足するような事態になった。
追記 SNS上で報道メディアおよび執筆者を批判するコメントも一定数確認できるが、私自身は、このインタビューでICに関する持論を監督から引き出した平辻氏の力量を私は凄いと思う。
平辻氏の追記を読んで、この映画は絶対劇場で観なければと思ったし、CM映像中心にキャリアを積み上げてきた三木監督のことも「もっとよく知りたい。」と思った。
いわゆる「女優を脱がす」ことに関する旧昭和ロマンポルノ系列監督・製作の悪行については、耳目に しいところであるが、三木監督の本映画製作に関する熱量は、◯筒監督や某◯とはまた違う方向性なんだと受け止めた。
本件について、家人と話そうとしたところ、話を半分も聞かずに「人を雇う分、製作費がかかるから、仕方ない判断だったんじゃないか」と箸にも棒にもかからない意見が返ってきた。毎日顔を合わせてご飯を食べて一緒に眠っている大事なパートナーの第一声がこれかと、ICに関する本邦全体の認識の低さに絶句した。
でも、諦めてはならない。
男性と女性の「性」は、どこまでも食い違い、分断の道は続く。女同士だって男同士だって分かり合えない究極の「プライベート」。
それを表現しようと知恵と工夫と勇気で向き合っている人々に、拙速な批判を向けてはならない。