セルロイドフレームの工場見学へ!
メガネマニアの田中眼鏡スタッフ
更なるニッチな知識を皆様にお伝えすべく、工場見学へ行ってまいりました!
今回お邪魔したのは
マコト眼鏡さん
マコト眼鏡は1970年創業
福井県に眼鏡産業を持ちこんだ増永五左衛門の孫として生まれた 増永誠 氏(現会長)が本家の増永眼鏡で約22年間眼鏡作りを学んだ後、独立してできた会社です。
“何千枚、何万枚とめがねを作っても、お客様が手にするのは1枚。どの1枚も手を抜いてはならない。”
と職人を育て、その想いは2000年にローンチされたオリジナルブランド 「歩」(AYUMI)にも受け継がれています。
めがねとして掛けやすさ使いやすさに徹底したこだわりを持ち、使う人のことを考えて手間暇を惜しまず、職人の手で1枚1枚丁寧に作り上げています。
そんな、思いを込めたセルロイドの眼鏡が作られる工程を見せていただきました!
「歩」のめがねにはほかの眼鏡にはない特徴があります。
例えば鼻パット
通常、既製品を貼り仕上げますが「歩」の場合は違います。
同色の生地の塊を張り付けた後、削り出して形状出しを行います。
そうすることにより、フレームの一体感、鼻当たりの滑らかさが生まれます。
次にテンプル
通常テンプルの先端部分は中の芯がむき出しの状態になっていますが「歩」の場合、汗などが中に入りにくくするために、テンプル先端部分をめがねの生地で埋めています。
材質はセルロイドが使用されております。
セルロイドとは
1865年に誕生した、パルプや綿を可塑剤となる樟脳と合成することで作られる歴史上最初のプラスチック。
1950年代に製造工場にて火事が多発し、1955年に欧米では使用禁止になり、現在日本では消防法第五類危険物として管理しながら生産されています。
発火温度が低く機械での大量生産が難しい、硬く加工しにくいため今ではほとんど使用されなくなった材質です。
しかし、セルロイド特有の滑らかな肌あたり、磨き上げたときの美しい艶が魅力的でセルロイドの虜になる方も多い材質です。
「歩」はそういった手間のかかる材質を使用し、ものすごく手のかかる工程を何工程も行うため、普通の枠の3~5倍の手間がかかるそうです。
こうして使い手のことを考えられて作られたモノに私たちは心を動かされてしまうんだと思います。
また、今回の工場見学では福井で眼鏡産業が根付くまでの歴史も伺いました。
明治時代の福井県を舞台に、同地のメガネ産業の礎を築いた人々の情熱と愛を描いた、あの名作図書 おしょりん
その図書には記されていない㊙話もいくつかお話してもらい、改めて増永五左衛門さんが福井に与えた影響力というものの大きさ、偉大さを感じました。
おしょりん は映画化され、2023年11月3日より全国上映されます。
私も今からワクワクしておりますが、その内容を楽しんでいただくためにお伺いしたお話は今回書かないようにしておきますね!
どうしても詳しく知りたい!
という方は映画前、後に田中眼鏡までお越しくださいませ。
機械化され大量生産が主流になっている世の中ですが、
こだわりをもち、鯖江の技術力を衰退させないために尽力している会社、職人がつくりあげる想いへの美学、その先にあるモノの美しさを今回強く感じました。
”めがねのまちさばえ”にある『田中眼鏡』だからこそ、
そういっためがねの先にあるストーリーをお伝えしたい。
そう強く思います。
マコト眼鏡の皆様、
この度は貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました!