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雪つもり
雪の中
人とほり
木の江だは
まつ白く
雀は チユンチユン
うたうたひ 数え年 八歳(大正十三年三月)
月や星や小動物や花などをうたった千鳥でしたが、この詩では唯一「人」が
登場します。ただその姿は「雪の中」を通り過ぎていくだけです。どこか おぼろで 儚げで 寂しげです。
幼い千鳥は、おそらく近親の家族や学校の友だち以外の「人」には未だ出会わなかったことでしょう。なのに「人」への この観察力・感受力!
評論集『千鳥 月光に顕つ少女』を著した上村武男さんは、近著の写真集『山陰風土記』に「驚くべき自然感応力と虚無的なまでの思考力を持つ」と書いています。
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IF もし 千鳥が生き延びて大人になっていたとしたら、どんな「人」と出会い、どんな感想を抱き、どんな詩を書いたことでしょう。畏怖の念が膨らみます。【千鳥の詩文のすべては HP「田中千鳥の世界」で公開、読むことが出来ます。】