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漫画の背景が描けない その2アイレベルが理解できない[追記あり]
私はなんとか漫画を描いているけれど背景が描けません。というお話を前に書きました。
トレースも模写も教本通りにも出来ないし、パース定規を使うとなんかもう全然欲しい画じゃなくなってしまうんで雰囲気で描いてます。強敵はアイレベルです。どうしても漫画教本で正しいとされるアイレベルが描けない!!
というお話をコミュニティで呟いたところアイレベルについて教えて頂き、更に背景に関わるラジオに参加させて頂くことになりました。ありがとうございます。
Twitterでも投稿しますが何度か画像投稿するとシャドウバンになるそうなのでこちらで画像をまとめます。
・漫画のアイレベル問題
ことの発端となった「漫画のアイレベルが分からない」という画像です。
![](https://assets.st-note.com/img/1656482102471-03Z2Cn3bSj.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1656482124264-i0EgpDQ1sd.jpg?width=1200)
私にははずっと「漫画でのアイレベルがなぜキャラクターの目に合わせてあるのか理解できない」「常にアイレベルを目に合わせると気持ち悪くて圧迫感がある」という感覚があります。
漫画的には目に合わせろ、が一般的です。例えば強い感情を伝えるシーン・愛情や照れ・強い敵対を示すシーンは目にアイレベルがないとおかしいという感覚は理解できます。ですが常に目にアイレベルを合わせろというのはなんか違う。なんだか無理。
青年誌で描いていらっしゃる作家さんはこの感覚の方が多いのでは。目にアイレベルを合わせるのが得意なのは少女漫画や恋愛を軸とした作品です。キャラクターの好意や感情を豊かに示すにはアイレベルが目線に近い方が伝わります。恋愛ものは目が主役であり命です。
![](https://assets.st-note.com/img/1656482542354-7akEHJmsqN.jpg?width=1200)
実写やアニメは胸辺りにアイレベルがあります。
![](https://assets.st-note.com/img/1656482518840-wF3MYXjexF.jpg?width=1200)
このお話を広げてくれたくりたゆきさんのお話も興味深かったです。ツキサバカフェのラジオで聴けるかも。
・レンズと意味
普通・広角・望遠・魚眼・漫画パース
漫画やアニメのレンズはキメラのように特殊なものを人により創り出します。
一点・二点・三点透視の考え方について。専門的なことは置いておいて、何となく感覚的にこうなのかな、という理解の助けになれば嬉しいです。 pic.twitter.com/XOyRySTEvH
— 吉田誠治/C100(土)東B11a (@yoshida_seiji) January 27, 2017
ものすごく簡略化された「人間の目に見えているもの」と「一般的な透視図法」の違い。駅のホームに立って、通過する電車を眺めていると実感できると思います。非常にざっくりとした説明なので、厳密なことは専門書を参照してください。 pic.twitter.com/FlJJTp2445
— 吉田誠治/C100(土)東B11a (@yoshida_seiji) March 9, 2015
キャラクターの顔は若干俯瞰気味なのにアイレベルを目に合わせ、水平に歪ませたような偽望遠のようなレンズに近くなっています。顔以外は立体的に描き普通広角とレンズに近くなります。「漫画パース」と呼ばれる現実にはありえない、遠近感を極端にした2D絵は漫画の自由さを感じることが出来ます。
背景はいろいろなレンズを切り替え調整し、複雑な技術を合わせ絵(画)に起こしています。勉強不足で語れることが少なくてすみません。
◯広角望遠の使い分け
— アニメ私塾 (@animesijyuku) January 14, 2018
・広角=近くから見る=主観的、臨場感=誰かの目線
・望遠=遠くから見る=客観的、観察感=神目線、状況説明
なんとなくパースがキツくなっちゃったからそのまま描こう…ではなくて。
スマホで描きたい絵に近いアングルで撮ってみよう。
状況説明なら少しズームがしよう。 pic.twitter.com/u2HVVsQdlg
漫画のアイレベルがおかしいという感覚はレンズの意味・意図とアイレベルが噛み合わず別の演出となっている可能性が高そうだな~と思いましたがこれはまたいつか。
追記
(2022/07/25)
いつもより若干読まれている記事なんですが、東京ネームタンクさんの「ネームできる講座」にアイレベルとパースとカメラレンズについて詳しく完璧な回答があるのでもし漫画を描かれている方が教材を探しているならオススメです。
以前見たのですがパースとアイレベルのことはすっかり忘れて復習していたら「アイレベルとパースの謎が丁寧に説明されている……!まんまこれやんけ」ってなりました。回し者ではありませんがより詳しくちゃんと解説されています。
若干お値段が高いかも、と考えている方もいるとは思うのですがネームのみならず手広い解説があるので良いのではと思います。
なぜかちょっとTwitterでもリツイートされいろいろな方に共感したりアドバイスをいただき大変勉強になりました。その中で少し気になったのが描ける方の「漫画の教本には常に目線にしろとは書かれてていない」という意見があり……まあ記事にそう書いてしまいましたがちょっと違うんですよ、と言わせて下さい。
もちろん教本に「常に目線に合わせろ」とは書かれていません。映像の本にも「基本的に胸に合わせる」と書かれていますしそれは「常にカメラを胸に合わせろ」という指示ではありません。なので基本はカメラの高さを胸にしながらもたくさんの角度や高さに変化し意図により変わっていいのだと受け取ります。
漫画の教本は「目に合わせましょう」と書かれています。そのいい回しを「絶対にアイレベルを目に合わせろ」という意味とは受け取りませんが、同時に「漫画ではアイレベルを目に合わせることを基本とする」と解釈することは不自然ではないと思いませんか?描ける人にとっては不思議なんでしょうけど描けない人間にとったら「何らかの意図があるのではないか?」と思うんですよ。
出来ないからパースの本を参考にし、漫画教本にはアイレベルは「キャラの目線にアイレベルを合わせます」と書かれているのですからそこに映像とは違う何らかの意味があるのではないかと……考えないですか?私は考えてしまったし疑問があって描けないことに新たなノイズが加わるのです。教本にそんな意図はなかったんですが……
なんですかね……「そんな勘違いをするから描けないんだよ(意訳)」みたいなことも言うひともいたし……
うわー!!!
なんでそんなこと言うのーーー!!!
こわーい!!!!
描けない人間の勘違いが誰かを救うこともあると思うことにして、描けない人間にも優しくしてくれた天使のような方々に感謝をこめて生きていきたいと思います。
・2023/02/23埋め込みツイートを削除