「歌詞」で表現力を学ぶ

表現力や語彙力を高めるために、最近「歌詞」を読んでいる。

今まで音楽を聞くことはあっても、歌詞を読むことは少なかった。リズムに合わせて歌詞は覚えるけれど、文字にしてまじまじと読むことはなかったのだ。

「歌詞なんて読んでいいことあるの?」と思うかもしれないが、個人的には表現力を勉強するにあたってかなり重宝している。

音楽は歌詞やメロディが合わさって、アップテンポな曲調になったりバラードな曲調に変化する。そのため、必ず曲には何かしらのテーマがあって、そのテーマに合う表現や語彙がたっぷりと詰まっているのだ。



たとえば私は、刑事ものや人間の心理をテーマにした短編小説をよく書いている。人間らしさや、怖さや強さなどを書くことを追求したく、よりリアルさが伝わるような表現を勉強したい。

そんなとき、人間くささを感じられる歌詞(曲)を読むことが多い。

そのひとつとして気に入っているのが、椎名林檎さんの『歌舞伎町の女王』。

ご存知の方も多いと思うが、新宿の歓楽街をテーマにしている名曲で、人間くささとか、夜の世界とか、大人の世界がぎゅっと詰め込まれているように思う。

たとえば、以下の歌詞。

蝉の声を聞く度に 目に浮かぶ九十九里浜
皺々の祖母の手を離れ 独りで訪れた歓楽街

ママは此処の女王様 生き写しの様なあたし
誰しもが手を伸べて 子供ながらに魅せられた歓楽街


「夏」を表現するときには「蝉の声」

「おばあちゃん」を表現するときには「皺々」

「似ている」を表現するときは「生き写し」


単純に季節や人を表す単語を書くだけではなく、イメージできる要素を散りばめることで、ぐっとリアルさが増すと思う。

とくに「生き写し」という表現はぞくぞくとしたし、私もこんな表現がしたい。

こうやって歌詞を読みながら、書き写しながら日々生活をすると、かなり表現力や語彙力が鍛えられる。また、曲に合わせながらだとよりイメージして頭に定着しやすくなる。

類義語や対義語を調べたくなるし、単語そのものに興味が持てる。勉強って楽しいな〜と感じるのだ。

こんな感じで歌詞を読むことにハマっている。

もっともっと勉強したい、表現力と語彙力を身につけたい。

いくつになっても勉強は楽しい。

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田中青紗(たなか あさ)
最後まで読んでいただきありがとうございます!短編小説、エッセイを主に書いています。また遊びにきてください♪