ただの暮らし
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詩人だなぁ。この文章、読んでたら画が見えてきた。あなたが撮影した写真は一瞬のはずなのに前後の時間というか物語を感じられるから好きなのだけど、文章も同じように想像力を揺さぶる。
返信:
ただの暮らしはただでできるんですかね?みたいな。
ただって言葉の広がりおもしろいですよね。
昨日、届いたLINE。友だちのお店の営業日時やイベント情報の最後に、いつもちょっとした近況報告が添えられている。そこでときどき、はっとさせられる言葉と出会う。
先週、この友だちと旅先で合流し、ある地方都市を一緒に回った。そのとき話したことや見た景色が思い出された。12月末で閉店し解体される喫茶店、路地裏の飲食店街、にぎやかな駅周辺、開発によって消された街のにおい、30店以上を集めたお惣菜イベントを主催する人、店舗を持たずにお惣菜屋として独立した人。
そこには「ただの暮らし」があったと思う。
辞書サイトを見ると、名詞の「ただ」は①取り立てて言うほどの価値・意味がないこと②無料、と定義されていた。価値がないから無料ということか。でも、価値のありなしは誰が決めるんだろう。
価値や意味があろうがなかろうが、「ただの暮らし」を営むために人は足掻いていると思う。水中の水鳥のように、沈まないように必死に生きている。そして、小さな必死さを積み重ねて「ただの暮らし」は成り立っているのではないだろうか。
振り返って自分は、「ただの暮らし」には及ばないなぁと思う。意味からすれば私のような生き方こそ”ただの暮らし”と言えなくもないけれど。ただ流されるままに、逆らうことも進むことも考えることも悩むこともなく、ただ生きている。
それが私なのだから、とあきらめているけれど、「ただの暮らし」へのあこがれに胸がうずく。
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