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十人十色、百人百様、
物事にゼロリスクはあり得ません。自動車だって危険なものです。不安は理解しますが、理性的な判断を為されるよう期待します。
とある記事に対するコメント。
確かにそう。なんにだってリスクはある。
問題は、リスクがあることではなく、リスクがあることを自分事として捉えているかどうか、だと思う。
車の運転をしている人で、自分が危険なものを操作しているのだと自覚している人がどれだけいるだろうか。
かつての友人は、運転しながら①コンビニのざるそばを食べる②缶コーヒーを飲む③タバコを吸うを同時に行っていた。彼女の手は2本しかない。
道路幅がそれなりにある2車線で制限速度が40キロのとき、40キロで走っている人は7割程度。大抵50キロくらい、ひどいと60キロ以上で走行する。住宅街でも細くなければ50キロ以上出す人はザラ。
私が住んでいる福井県嶺北地方では、夜間のハイビームが一般的だ。
ハイビームにしましょうと警察も言っているのだから、問題ないように思えるだろう。が、対向車や先行車がいる場合はハイビームから切り替えるのがルールだ。ここでは対向車が来ようが、先行車がいようが、ハイビームのまま走るバカが大勢いる。
自分がされたらどれだけ身の危険を感じるか、想像力がないのだろう。
そう、自分の運転が誰かに迷惑をかけるかも、かけないためにどうしたらいいか、なんてことを考えて運転している人はごく少数だ。(※ 私の経験に基づく)
つまり、どんな場面であれ、リスクがあると自覚している人は多くないということ。他人を見るときには「リスクあるよな」と思うけれど、自分のこととなると「大丈夫」と妙な自信を持ってしまう。
自分事ではなく、他人事。
コメ主は、
「何事にもリスクがあることを私は承知してます。だから、あなたのようにリスクがリスクがなどと騒ぎません。リスクがあるからと反対するのはやめたらどうですか」
と言っているのだと推測する。あくまでも私の推測。
でも、
「自動車にリスクがあることを承知してるでしょ。でも便利だから乗ってるよね。だったら他のことにもリスクがあるとわかれよ」
と言うのは無理がある。
だって、車を運転している人の多くは「リスクなんて他人事」と思っているのだから。
ってことは、言ってる意味が変わってくる。
「何事にもリスクはあるって承知してるけど、まあ私には起こらないよ。起こっちゃう運の悪い人もいるだろうけど、私には関係ない。私に危険はないし、大丈夫だと思うから、反対するんじゃねーよ」
あらら、私のことしか考えてないのね。
たぶん、コメ主はそんなつもりはないのだと思う。考えた上で、自分が正しいと思っていることを裏付けするための記述だったにすぎないのだろう。
だけど。
車の運転だけでなく、何事においてもリスクがあることを自分事とできる人は少ない。実際に加害者、被害者になったり、場面に遭遇したりしないことには、目に見えない危険を危険と認知することは難しい。
特に被害者にならないことには、いずれリスクのことなど忘れてしまう。というか、私自身、自転車に乗っていて車にはねられたり、多重事故の被害者となったりしたけれど、すでに忘れている。ただ、ゴールド免許を維持するため、事故をしないように気をつけているだけ。
リスクを自覚しようがしまいが、リスクを物ともせずに行動できる人もいる。それはそれでいいと思う。
でも、不安に苛まれている人にリスクの受け入れを強制するのには反対だ。
自分と同じ考え方以外にも、いろいろな考え方や捉え方があることを忘れないようにしたい。あなたはあなた、私は私。受容できなくとも、否定はしない。
私は私、あなたはあなた。人それぞれ。
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