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衰退が悪いわけじゃない
おとといの夜は、なんかわからない人が何人もいて、いろんな話をしたら疲れてしまった。
でもその中でわかったこと。
・がっと盛り上がれば、ががっと下がる
・成長があれば衰退する。でも衰退が悪いわけじゃない。
・たくさん人が来ればいいってもんじゃない
「衰退することが必ずしも悪いことではないって価値観を初めて知りました」
そんなようなことを、その日初めて会った人に言われた。なんでそう私が言ったのか、酔っ払いだったので覚えてない。えーっと、なんの話だったんだっけ……。
とにかく、私はこう続けた。
「盛り上がれば衰退は必ず起こることだし、それを止めることはできない。この先、人口は減っていくわけで、当然衰退していく。それを無理に変えようとするのはよくないと思う」
たぶん、そんな感じのことを言ったはず。酔っ払ってて正確には覚えてないけど。
そして、ほぼ同時に私と田中さん(以前の記事に登場)は、
「がっと盛り上がから、ががっと下がるのさ」
と付け足した。
成長って悪いことじゃないけど、衰退も悪いことじゃない。つか、いいも悪いもない。ずっと成長し続けるものなどないよ。宇宙の理として。まあ、宇宙の始まりと終わりが解明されたわけじゃないから、あれですけれども。
でもこれまでを見ても、成長しっぱなしなんてことあり得ないと思わない? 人は成長し続けることができる!なんてこと言う人とは距離を置きたい。もちろん、成長途中で事故にあって死亡すれば、生きてる限り成長し続けた、と言えなくもないけど。
なんか、人は成長し続けるものだ論によって苦しむ人、いる気がするなぁ。私も僕も成長しなきゃ、がんばらなきゃ、成長を実感したい。怠惰な私ですら、ちょっとはそういう部分あるんだもん、一般的にちゃんとしてる人はもっと思ってそう。
「もっと」って、自分を動かす原動力になるけど、一方でじわじわ首を絞めるものでもあるんじゃないかしら。「もっと」「もっと」今以上を望む。でもさ、望んでも届かないところはあるよ。それは人によって違う。誰かが到達したんだから自分もと思っても自分は届かないこともあるからね。
うまくいかなかったり、下り坂にあったりしても、つまり衰退していても、そこに楽しみや喜びがないこともないはず。
たとえば、私なんてのは、お金に苦労したことがなく、県内で一番の進学校へ進学し、紆余曲折あったけれど東京六大学へ入学したわけですよ。母親が死んだ後、その遺産で買った株が値上がりしたりして、就職せずとも生活できた時期もあったりして。
でも、現在、貯金は10万円以下。月末のバイトのお給料日が来ないことには、シェアハウスの家賃も払えない。ネコが具合悪くても、病院に連れて行くこともできない。手に職もない、49歳、アルバイト。衰退し続け、まもなく崖下へ転落しそうな状況なわけですよ。
だけど、笑う。田中さんの話に感激する。初めての友だちができてうきうきする。100g48円の鶏むね肉と庭の雑草を料理して、「おいしい」とつぶやく。いや、まじでおいしいから。チバユウスケの歌に胸を熱くし、ハイサイ探偵団の動画にわくわくする。
衰退してようがどうでもいい。日常にあるちょっとした驚きや喜び、発見、楽しさで十分幸せ。成長もハレもいらない。ケだけでいい。
あ、最後の「たくさん人が来ればいいってもんじゃない」は、移住とかインバウンドとかそういうやつ。「たくさんの人に移住してもらいたい」とか「大勢、観光客に来てもらいたい」とか「たくさんの人が訪れて、にぎわいを取り戻したい」とか、私は間違ってると思う。
たくさんの人が一度訪れるよりも、少ない人が繰り返し訪れる方がいいんじゃないかな。新しいお店ができる。わっと押し寄せる。また新しいお店ができる。そっちへ人は流れる。それって、意味ないじゃん。
やっぱりここでも一対一の関係が大切だと思うんだよね。十把ひとからげの軽い関係は、なにも残らないと思う。細くともしっかりした縁を結ぶ方が、結果的に効果があるんじゃないかなぁ。
ま、ここの議論はまた今度って感じかな。
そんな感じで話していたら、疲れてしまったのです。こういう話もちゃんとしたいけれど、前提を共有していない人と話すのはキツイ。議論の体力が今はない。
ちょっと勉強しなくちゃな。(急激な勉強はしないけれども)
追記
若い人が衰退をよくないものと思うの、当然かも。だって若いから。
35歳すぎて老眼始まって、だんだん焦点距離が遠くなったり、記憶力が低下したり、体力がなくなったり、どんどん体が衰えていく。そんな下降線を実感する体験がないと、衰退にいいイメージは湧かないよね。
実際に肉体の衰えると、衰退っていいも悪いもなく、単なる変化だと気づく。
誰しもいつかは衰退するのだよ。そして衰えることに慣れていく。そうして初めて、衰退の中にも幸せはあることに気づくのかもしれないなぁ。
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