あったらいいな
森の中に中くらいの家と小さな家がいくつか。その中くらいの家に私とネコたちは住む。
1階は大きなLDKで、一部は畳になっている。大きな出窓があって、ネコたちはそこで日向ぼっこ。出窓の下には木のベンチがあって、座るもよし、サイドテーブルのように使うもよし。
キッチンには大きな冷蔵庫。日本酒の一升瓶も入る。たくさんお惣菜を作り置くこともできる。
2階は私とネコのプライベート空間。
大きな本棚はまだまだ空きがあって、買ったら買っただけ置ける。数も彩りも少ない洋服が全部しまっておけるクローゼットと、日常のネコの毛がついてもいい服がしまってあるタンス。
大きなダブルベッドで、ネコと一緒に寝ても落ちる心配はない。
周囲にある小さな家には友人たちが暮らす。空いてるときはゲストも泊まる。
本棚とクローゼット、バストイレと一口コンロのミニキッチン。ベッドは各人お好みで。
ひとりの時間をすごしたいときはそこで、みんなと一緒がよければLDKへ。自然な役割分担で、買いものをしてくる人、掃除をする人、ネコの相手をする人、ごはんを作る人、洗いものをする人。それぞれが自分のできることをしている。
「ごはん、できたよー」
テーブルには大皿に盛られたおかずがいくつか。わらわらと集まってきた人が炊きたてのごはんに列をなす。
「いただきます」
お箸を回し、回ってきたお皿におかずをとって回す。薬味が欲しくなって取ってくる。
オンラインミーティングの時間となって自分の家に帰る人、日本酒を飲みながらネコの相手をする人、明日のごはんの仕込みを始める人、こたつに入ってトランプする人。
私はそんな様子を見ながらあくびをし、一足先に自分の部屋に戻る。早寝したくなってついてきたネコと一緒にベッドに入って眠りにつく。
朝、起き抜けに森を散歩し、洗濯ものを干す人やゴミ捨てに行く人とあいさつを交わす。家に戻って窓を開け放ち、コーヒーを淹れる。
「さて、始めるか」
そんなふうに暮らせたらいいな。