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雪かきの心得

 北陸の冬にしてはめずらしく、雪が降り積もっている。
 私が子どもの頃は1メートル超えは普通のことで、1.5メートルを超えると多いなぁという印象だった。伝説の「56豪雪」では、2階の窓から出入りをするくらい、たぶん2メートル近く積もったのではないだろうか。
 ちょうど冬休み期間中に積雪量が増えたので、冬休みは延長。毎朝、毎夕、雪かきに明け暮れた。けれど、学年が進むにつれ、冬休みの延長はなくなった。雪かきはしていたが、屋根の雪下ろしはしなくて済むくらい、雪の量は減っていった。
 お正月に晴天で靴をはいて出かける。それがいつの間にか珍しいことではなくなり、11月末に必ず降り積もることもなくなり、雪かきをしなくてもよくなっていった。

 子どもの頃から、2018年まで暮らしていた福井市内の街中より、今住んでいる隣の市の山際は雪の量が多い。多いけれど、たぶん毎年のことだから、福井市内より雪に慣れているように思う。
 町内の雪かきも上手だ。除雪車の可動範囲も福井市内より多く、かなり細い道まで早い時間に入っている。道まで出られれば、出かけることはできる。道まで出られれば。
 車庫が屋根付きで道路に面していれば、問題はない。たしかに子どもの頃は、どの家の車庫も屋根付きだった。車庫の前に残った、除雪車が残していった雪をどかせばいいだけ。
 でも、雪の量が減り、車庫に屋根のない家が増えた。今回、自分も屋根なしで、車がすっぽりと雪に埋まってしまった。シェアハウス住民が手を貸してくれて道路に近いところへ移せたので、雪が降り止んだら雪かきをして出すことができるだろう。

 シェアハウス住民のほとんどが、雪国育ちではない。家主が山形で、私が56豪雪経験者、もうひとり福井県の雪が多いところ出身がいて、あとは雪が楽しい、雪を知らない人たち。それでも、家主と私を除けば、残りは大雪の経験はないに等しい。
 だからだろう、雪かきが下手。
 たとえば、車を入れるために雪かきをするものの、車幅しか空けない。それだとドアが開けられないし、出すときに困る。1.5倍くらい空けて、出し入れを考えて残りの場所も大きめにかく。かいた雪は、使わない場所に除ける。それを知らない。経験がないから。

・雪かきは一日2回=午前中と夕方、2回かかないと降り積もってしまう
・郵便屋さんやガス屋さんの通り道も作る=配達や交換ができなくなる
・青空駐車の場合、車の周りは車幅の1.5倍雪かきし、内輪外輪差を考えて出入口の雪も大きくかく
・かいた雪は、自分の土地内の雪かきをする必要がない場所へ積む。ただし、窓近くはNG。近くに捨ててもいい川・水路があればそこへ捨てる。
・雪が降り止んだら、入口近くにたまっている雪をほぐして、日なたや道路へまいてとかす=一か所にたまらないよう、散らす

 新潟以北の本当の雪国の場合は違うのかもしれないが、1メートル程度しか積もらないところであれば、上記のようにすればしのげる。そう、しのぐことが大切。いずれ日差しや雨で雪は解ける。そのときまで耐え、しのげればいい。
 きれいになくす必要はない。どうせまた積もるから。でも玄関前をきれいにしておくと、その後が楽だったりもする。体の具合と相談して、どの程度にするか決めるといい。
 ちなみに私は手のマメが潰れた。しかも全身筋肉痛。たった1日2日の雪かきなのに。そのくらい、雪かきから遠のいていたのだ。

 今もなお、雪は降り続いている。気温が低いので、とけることなく積もっていく。このまま明日も降り続けると、1.5メートルを超えるかもしれない。
 これが本来の北陸の冬。私の好きな冬。

ネコ4匹のQOL向上に使用しますので、よろしくお願いしまーす