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最後の夜

 そこにいつもいる人がいなくなる。それだけじゃないんだ。その人は私にとって特別な人。
 たとえば、私は野田さんが大好きだ。定期的に話さないと日常が物足りなくなるくらい大好きだ。モリのことも考えたら泣いちゃうくらい大好きだ。実際、モリが書いたnoteを読んだら涙が出てきた。かつて人生で一番信頼した黒田くんのことも、永遠に話していたいと思うくらい大好きだった。

 でも、その人はそんな「大好き」を超越している。特別な存在。大好きは束になっても大好き。特別は唯一無二。
 なにを一緒にしなくても、心がここにないとしても、ときたま姿を見、声を聞くだけで、自分が「ここにいる」ことを実感させてくれる。私はちっとも自分がこの世に存在してる気がしないけれど、その人がそこにいると思うとき、私が実体化する。

 昨日まで徒歩1分の別棟で暮らしていた。今夜は同じ市内なのに車で15分くらいの距離にいる。バイクの騒音を聞きながら、その人も同じ音を聞くのかもしれないと思う。
 明日は奈良と滋賀、あさっては奈良と鯖江。100キロ、200キロと遠ざかる。もう同じ音は聞こえない。
 今夜がそばで眠る最後の夜。

 なおさん、おやすみなさい。




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