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ところでDXって効いてるの?

 外食業界のカスタマーエクスペリエンスの謎を解き明かして、外食産業のアップデートをする、という宣言のもと始まった、200時間にも及ぶ勉強会。参加してくださったのは、超メジャーな外食ブランドの若き役員クラスの方々。今後の外食業界、ひいては世の中をなんとかしたい、という僕の思いに共感してくださり、1年間に200時間にもおよぶ円卓会議がはじまりました。毎回神回になるほどの学びがありました。様々な気づきをこのnoteを通じて書き残していこうと思います。本日のお題は今更ながらの「DXって効いてるの?」。


DXって効いてるの?という疑問

 僕の得意技(と言ってはなんですが)は、アホなふりして小学5年生の質問をすることです。つまり、「今更こんなこと聞いたら恥ずかしいんちゃうか!?」ということを、素直に聞いてしまうのです。これは戦法でもなんでもなくて、素直に僕が知りたいからなんですけれどね。

 世の中DXDXDXって念仏のように唱えられていて、もはや取り組んでない企業の方が少ないのではないか!?ってくらい、当たり前のことになっています。ですが、経済産業省が調査している「DXレポート」によると、DXが成功している企業というのは2020年調査の段階でたったの3.1%とのこと。これは由々しき事態ではないでしょうか。世の中に置いていかれないようにDX化せねばという考えはそもそも間違ってるんじゃないか。それが今回の僕の疑問点でした。

 そもそもなぜDXが必要かと言えば、大きくは効率化のためです。ではなぜ効率化が必要なのか?

 この質問に、円卓会議のおひとりが、鮮やかに答えてくださいました。

DX成功の鍵は、MVVにある

 MVV、つまりミッション・ビジョン・バリューです。これまた、今やほとんどの企業が企業サイトに掲げていたりします。思うに、このMVVを形式的にやっている企業は、おそらくDXが最大効果を発揮していないでしょう。社会のため、地球のため、綺麗な言葉だけでMVVを制定したところで、ホームページ上、はたまた株主総会では満足できるかもしれませんが、それでは意味がありません。

 ミッションもビジョンもバリューも、すべてはその企業の源泉から掘り出して研ぎ澄ますことが大事なのです。かっこいい言葉を新たに持ってきても成功しませんし、企業独自のものにはなりません。もしかしたら、ミッション・ビジョン・バリューを決めることは、その過程、掘り方こそが、重要なのかもしれません。

 そして、ミッション・ビジョン・バリューは、経営の優先順位を決めることに繋がります。何を最大優先すべきか。その最大優先事項を生かすためにDXを活用するのであり、それこそがDXの成功なのである。なるほど。とても腑に落ちました。

DXすべきこと、すべきでないこと

 常にお客様を感動させたい。これが外食の究極の目標だとすると。お客様がこの店に求めている源泉を発見して、それを研ぎ澄ませていった結果、サービスは完成するのではないでしょうか。

 その外食ブランドは、明確に自分の店にお客様が求めているもの、つまり「これこそがうちのウリである」というポイントを明確にされていました。そのウリのために、店舗設計はなされ、そのウリを最大化するためにDXは設計されているのでした。明確にここでお伝えはできませんが、そのウリが例えば人の手を介してしかなされないものであれば、人がやらなくていい部分をDX化する、という感じです。

 DX化したほうがいいこと。守り抜かねばならないこと。その明確な区別がついてからでないと、どうやらDXの成功は導き出されないようです。

 簡単そうですが、これがなかなか難しいと思います。どのようにこのコアとなるものを掘り出すかは、やはり、創業者が日々言ってきたことをまとめあげた結果出てきたということが多いです。

 MVVとDX。すべては密接につながっているのですね。

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