小さな奇跡
常の中で何気ない瞬間に隠れている「小さな奇跡」。そんな風景に気づけるようになったのは、5歳の息子と妻との生活を通じてです。
朝の忙しい時間帯、息子が突然「ママ、きょうも世界一かわいいね!」と言って、妻が顔を赤らめながら「ありがとう」と笑う。その後ろで僕はトーストを焦がして大騒ぎ。この一瞬の中には、愛と笑いと混乱がぎゅっと詰まっています。
ある日、息子が公園で初めて自転車に乗れるようになった瞬間。僕はカメラを構えて必死に写真を撮ろうとしていたけれど、あまりの感動でシャッターボタンを押すのを忘れてしまいました。結局、妻が「全部ちゃんと心に焼き付けたから大丈夫」と笑ってくれました。この一言で「ああ、この瞬間をただ共有することが何よりも大事なんだな」と気づかされました。
妻は感情を言葉で表現するのがとても上手です。「失敗した日だって、その失敗がなかったら今日の笑顔もなかったかもしれないね」と言ってくれることがあります。そんな言葉に励まされて、僕も少しずつ「大丈夫、やらかしてもいい」という心持ちを育てることができました。
家族との時間は、全てが完璧でなくてもいい、むしろ完璧じゃないからこそ楽しいのだと教えてくれます。一緒に笑い、一緒に驚き、一緒に成長していくそのプロセスが、僕たちにとって何よりの幸せです。
これからも、こうした日々の「小さな奇跡」を見逃さずに、時には大げさに、でも心を込めて描いていきたいと思います。読んでくださった方が少しでも「家族っていいな」と感じていただければ嬉しいです。