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【KING引退】
はじめまして、立教大学経営学部2年の田中 理紗子(たなか りさこ)と申します。
私は昨年5月~今年9月末まで約1年半、日本最大級のビジネスコンテストを主催する【Business Contest KING 実行委員会】にて24代渉外局長を務めさせていただきました。
遅ばせながら引退報告をしたいと思います。
稚拙な文章ですが、最後までご笑覧いただけますと幸いです。
※文面が硬いのは、性格によるものなのでご容赦ください(笑)。
KING内部用語にはなるべく注をつけます。
あくまで私の個人的趣向です。
注:代について
【24代】とは、その代が開催するメインコンテストが【2024年】であることを示します。読み方は【ニーヨン】。因みにコンテスト名に含まれる年号の読み方も【ニーゼロニーヨン】。
【そもそもKINGとは?】
〜学生による学生のためのビジネスコンテスト〜
「Business Contest KING 実行委員会(通称KING)」とは、1996年から日本で初めてビジネスコンテストを開催している東大発の学生団体です。(今年で30周年を迎えます…!)
毎年夏に全国から参加者を募った日本最大級の5泊6日合宿型のビジネスコンテスト(通称メインコンテスト)を開催しており、年間で約5回ビジネスコンテストを主催しています。
※元々はAISECの東京大学委員会の一事業として株式会社問道社 代表取締役金田喜人氏が始めたビジコンだそうです。
また、KINGには姉妹団体(GEIL、OVAL)を纏めた3団体でWAAVと呼ばれており、OBとしてユーグレナ出雲充氏やアイデミー石川聡彦氏などが現在活躍されています。
KINGの構成員(通称KINGer)の任期は約1年半(5月-9月)と定められており、大学1-2年生が約7-8割を占めます。代替わりが激しい分、各代の色を楽しめるのも魅力の一つではないかな、と思います。
※24代KINGについては、また別の記事にしようかと考えています。
KING創設秘話
KING への参加を検討されている皆さんへ
1996年の夏、KING は誕生しました。
前年、受験の直前に阪神淡路大震災・地下鉄サリン事件、
不安と希望の両方を抱いて大学に入学したばかりの新入生たち。
私もそんな学生の一人として、閉塞感のある社会を変えていくきっかけを作ろうと思いました。当時、大学生の創造的な活動といえば、スポーツや創作、研究といった領域が中心でした。
アスリートやアーティスト、研究者になる人たちは、大会やコンテストなど、社会に出るまでに自らの領域で創造的な原体験を得ます。
しかし、多くの学生たちが社会に出て関わるのはビジネスの世界。 ビジネスの領域で自らを表現し、創造につなげる原体験をする場がなかったのです。
KINGの価値は、成功のノウハウやセオリーのインプットではなく、資格や評価でもありません。 大事にしているのは、ビジネスという題材を通じて、創造の素晴らしさを実感する原体験を提供すること。
KINGの運営が実績のある社会人や、経験を積んだ上級生ではなく、毎年新入生に託されるのは、 はじめてビジネスに取り組む学生の、その時代の新鮮な感性を大切にしているからです。
皆さんにとって、KINGが有意義な体験になることを願っております。
KING初代代表 金田喜人
【KINGに入ったきっかけ】
注:個人的な話になります。
元々私は3歳からクラシック音楽で生きていく(広義)んだろうなー、という人生でした。ところが紆余曲折あり、結果的に高校3年秋から急遽進路変更し(親に感謝しかありません)、一年間勉強して今の大学に入ることができました。
大袈裟かもしれませんが、【音楽を辞めた=自分のアイデンティティーを失った】ことに等しかったです。それくらい、大きな比重を占めていました。
第二の人生で何をしようか、と考えた時【人間を変える要素として「人」と「環境」が大きい】という自論があったので、偶然Xで流れてきたKINGにダメ元で応募し、ご縁があり渉外局として活動する運びとなりました。
改めて、すごく運が良かったです(笑)。
【KINGでの活動】
24代渉外局としては、以下のご協力を賜りました。
・スポンサー企業計19社からの協賛(総額880万円相当)
・26社以上の協力企業(場所協賛や物品協賛)
・ご後援(文部科学省、東京都、渋谷区等)
・外部決勝審査員
外部決勝審査員 ※順不同【】内はコンテスト名
【Winter KING 2023】
株式会社吉野家ホールディングス代表取締役社長 河村泰貴氏
株式会社シコメルフードテック代表取締役社長 川本傑氏
【Spring KING 2024】
Chatwork株式会社代表取締役CEO 山本正喜氏
アソビュー株式会社代表執行役員CEO 代表取締役 山野智久氏
【Freshman Learning KING 2024】
株式会社SPICY代表 疋田万理氏
起業支援家/エンジェル投資家/株式会社ハンズオン 代表取締役 福田和博氏
【Amateur Business Contest KING 2024】
株式会社SFIDA X 代表取締役
株式会社バークリーコンサルティング代表取締役 住田悦郎氏
株式会社SFIDA X 取締役 冨永謙氏
株式会社SFIDA X 経営企画部部長 小野寺啓氏
【KING内ビジコンforメインコンテスト】
Gazelle Capital株式会社キャピタリスト 近藤絵水氏
【Business Contest KING 2024】
株式会社YOUTRUST取締役 CSO 金子彰洋氏
株式会社タイミー代表取締役 小川嶺氏
※なお、全コンテストにおいてKING創設者の金田様に決勝審査のご協力を賜りました。
決勝審査員の皆様、お力添えいただきまして誠にありがとうございました。
内部としては、KINGの窓口として外部企業を繋ぐ役割やコンテスト時における社会人対応、コラボイベント/交流会の企画から実施等、幅広く対応していました。
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スポンサー企業・協力企業・後援バナー
次に、個人的な話になります。
【渉外局員時代】(2023年5月-10月)
担当の社会人や先輩、同期から学ぶことが多く、凄い(尊敬)→自分もこうなりたい→ハマるという流れでKINGの活動にのめり込んでいきました(笑)。
渉外局員としてイベント・交流会・インターンに参加する。内向的である自分では躊躇してしまう活動も、「当たり前」の基準が高いKINGに所属していると、挑戦しやすい環境でした。Slackに流れてくる情報、高め合う周囲の仲間や関わる社会人に触発されました。人、環境に加え「機会」にも恵まれていましたね。
【局長就任時】(2023年10月)
私は能力があった訳ではなく、寧ろ存在感が薄かったです。些細なきっかけを契機に色んな人に相談して背中を押され、決断した結果です。
「挑戦したい」ただそれだけで立候補したため、自分がKINGに貢献できるのは「時間と想い」だけでした。KING内外関係なく学歴や能力から引け目や負い目を感じており、総じて責任とプレッシャーを感じていました。(正直今でもこの選択がKINGにとって良かったのか?と思うことがあります)
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Slackアナリティクスのメッセージ総数(11月現在の画面)
(主に活動していたのは2023年7/20-2024年9/10)
【局長就任後】(2023年10月-2024年10月)
局員時代では比にならない仕事量と責任でしたが、KING内外において色んな人に助けて貰いながら最後までやり切ることが出来ました。渉外局活動(協賛企業対応や企画)の統括、局間連携、後援(東京都など)、コンテスト開催場所の獲得が主な業務でした。
当時渉外局長としてKINGへの姿勢を顕著に示すものかと思い、HPに掲載されていた局長挨拶と局のValueの文面を一部掲載しておきます。
局長挨拶
弊団体の活動は29年もの間、想像を超える様々な人の想いやご縁、ご尽力のもと成り立っておりますこと、謹んで心より御礼申し上げます。
KINGに関わる全ての方々への感謝を忘れず「KINGと関わりたい」そう心から思える人の輪を広げ、お互いにとってより良い関係を構築出来るようより貪欲に追求してまいります。
Value:「企業様との対話」
渉外局は、過去・現在・未来においてKINGと関わる企業様にKINGの魅力を伝えることで「互いに共鳴し、対等な立場でKINGをより良いものにするために伴走する」ような関係構築、お互いにとっての最善を模索してまいります。
渉外局Valueに込めた想い(自分語りが多いのはご愛嬌)
ValueはKINGとKINGerが具体的にやるべきことで、Visionが「これまでになかった出会いにより、0から1を創出する」
渉外が出会いを提供する観点だと、企業様と参加者・KINGerの出会いだと思ってる。
なら、そのためにKINGの渉外局員が具体的にやることって新規協賛企業の獲得・関係維持かな、て。(営業・商談・交流会等)
※因みに協賛企業と書かなかったのは、新規も潜在も関係値0(交流会での営業)含めて渉外局員が出会い・価値を創造すると考えたから。
企業からの物品・金銭・場所の協賛を参加者・KINGerに還元するのはもちろんだけど、企業様にKINGの魅力を伝え、互いに共感し、対等な立場で共にKINGをより良いものにするために伴走してくれる、そんな協賛企業様を増やしていきたい。その思いを込めて、【対話】(相互的なニュアンスを出したかった)を入れた。
【KINGの活動を通じて】
正直上手く纏められてないですが、つらつらと記載していきます。
機会、人(自己/他者)、環境の順に書いていきます。
【機会】
恐らく、KING内で一番失敗したと自負しています(苦笑)。
失敗は経験とも言い換えられるかもしれません。
失敗を経験する度に仲間と話し合って原因を特定し、再発防止策を立てる。
自分の力不足を痛感しつつも励まし合いながら共に取り組んでくれたKINGerに頭が上がらないですし、それを受けて自分も更に変化せねばと発奮材料にもなりました。
内部では必然的に局内局外共に判断を求められる機会が増え、判断軸に悩みました。局内のマネジメント、局間連携、相手とのコミュニケーションや相手との利害の中でどのように折り合いをつけていくのか。
外部では特に契約内容に関わる判断に悩むことが多かったです。三方良しを目指す中で平等と公平をどのように担保するのか。KINGとして、渉外局としてどのような立場を取るのか。(まだまだありますが…)
まず自分が頭を捻り手を動かし行動し、周りを巻き込んで試行錯誤する局長としての経験は決して無駄ではなかったですし、その機会を与えてくれたことにも感謝しています。
※社会的責任の少ない学生のうちに意味のある失敗は沢山経験した方が良いですし、今後も飛び込んでいきたいと思ってます(自戒を込めて)。
【人/自己】
①社会との関わり方
渉外局の特性上、外部と関わります。
協賛企業や社会人の方と関わる中で【社会】は自分が抱いていたよりもっと身近で柔軟なのだな、という気付きが大きかったです。(お恥ずかしながら、今まで学校(学生)という狭い空間でしか活動をしていなかったことで【社会に対して自分が何が出来るのか】自分事として考えてきませんでした。)
自分がいかに狭い視野で生きてきたのかを痛感させられると同時に、今後社会に対して自分がどのような形で、どのようにして還元できるのかを考えるきっかけとなりました。今も、模索中です。
②内面の変化
元々私は自分の意見さえまともに主張できない、そんな人です。
これは当時のインターンでお世話になった方にも指摘された部分ですが、今までの人生において自分で結論を出す経験や過程を踏んでこなかったこと、自分の意見に自信がないため議論を妨げてしまう恐れがあったことが要因かと思っています。
なのに、なぜ局長に立候補したのか?
自分の根源的な欲求である「変わりたい」と「迷ったら困難な道を選ぶ」という自論が組み合わさった結果になります。自分が率先して変化することで周囲を触発できる存在になれたらいいな、という想いもありました。
加えて、KINGが大好きだったのでそう思わせてくれたKING(これは過去~未来の時間軸、対象はKINGに関わる全ての関係者を想定していました)へ恩返しがしたいという気持ちも大きかったです。
局長として意思決定の回数を重ねるごとに、異なる立場から物事を考える癖が付きました。大きいものから小さいものまで。この人がこのような発言をする背景は何か、KINGerの局員に対しては1人1人入会した動機も目的も異なる中、どのようにKINGと関わって貰うか相談しつつ考えさせられることが多かったです。私はコミットするか否かは背景も事情も異なるため、各人の自由としています。家族よりも長い時間を共に過ごすことは、その人自身に関わるともいえます。自分の人間的な幼さや未熟さと向き合わざるを得ない中で都度自分と向き合い続けたことで内面も少しは鍛えられたのではないかな、と思います。
【人/他者(KINGer編)】
局長という立場になると、色んな人から批判を受ける機会も増えます。
ただ、それは自分の価値観(自分の今まで集めた偏見コレクション)を改め自己認識と他者認識の齟齬を確認する良い機会になりますし、自身を見直すきっかけとも捉えられます。
私自身他局間連携をすることが多かったのですが、お互いが本気で良いものを創ろうとするからこそ、こだわりや認識の違いからぶつかり合うことも日常茶飯事でした。
ただ、コンテストの司会/コンテンツ/参加者対応の運営を担う運営統括局や、参加者を集め外部にKINGの魅力を伝え続けている広報局、TSインプットやケース策定、審査基準策定をはじめコンテストの質を担保する開発局、そしてKINGの顔としての代表。知れば知るほど、コンテストを支えるKINGweの存在の大きさや有難みをより強く感じることが出来ました。4局と代表含め、1人1人のKINGerが各自持つ仕事に誇りと責任を持ってこだわりの詰まったKINGのコンテストを創出しているからこそ私たち渉外が日本一の学生団体として商談することが出来ました。
私が把握できるのは氷山の一角に過ぎませんが、改めて心からのありがとうを。
注:KING代表について
KING代表はKINGerで唯一人、局に所属しません。
そのため、局と並列して言及しました。
【人/他者(社会人編)】
協賛企業の社会人の方々と関わる中で、鋭い指摘で詰められることも少なくなかったです。ただ【言われるうちが華】とあるように、KINGの協賛企業であったからということも理由の一つかと思います。ただの協賛関係であれば、報酬が出ないのにわざわざ時間がかかるFBなどする必要はないはずです。それでも時に厳しく向かい合ってくださったのはKINGをより良くしたい想いに共鳴してくれたのも一因ではないかな、と思ってます。(KINGは「成長」を提供価値としています。)
また、以前のKING参加者の方が今度は社会人側として協賛へ回る【受け取る側から与える側へ】立場を変えてなお、KINGに関わる方とお会いする機会にも恵まれました。約30年KINGの運営のバトンを繋げてきたからこそ立ち会える瞬間であり、嬉しく思うと同時に歴史の重みを感じていました。
※余談
引退時にとある社会人の方から「今年のKINGに❝芯❞を通していたおひとり」というメッセージをいただきました。この一言で今までの努力が報われた気がしたんですね。(「あなたが渉外局長で良かった」も一番嬉しかった言葉です。目の前で泣き崩れました笑)ここに紹介したのはあくまで一部ですが、社会人KINGer問わず様々な局面で私に掛けてくれた言葉1つ1つに救われていました。ありがとうございました。
【環境】
環境が変わると、自ずと行動や考え方が変わります。KINGを選択しなかった未来を考えると…怖くなりましたね(笑)自分の選択を正解にする努力はしつつ【どの環境に身を置くか】の重要さを身を持って実感しました。
余談 -24代MVV-
Mission【挑戦が当たり前の未来へ】
Vision【これまでになかった出会いにより、0から1を創出する】
Value 各局が設定。
Concept【己と向き合い、新たな一歩へ】
この策定当たり幹部はじめ各局が議論して決定しました。MVVもケース策定意図もドラマがあるので裏話も聞いてみると面白いですよ。
【最後に】
渉外局長という立場上、
・機会(社会人の方との出会う機会、挑戦機会(外的)、自己を顧みる機会(内的))
・人(社会人の皆様、KINGer、参加者の方、KINGを認知している方)
・環境(熱量の高いKINGerに触発される、情報にリーチできる)
+想いや経験に恵まれました。
この一年半は宝物のような時間でした。
そして、最終的に私1人では絶対に見ることの出来なかった景色を見ることが出来ました。
やりたかったけど出来なかったこともあるので、それは次の代に引継ぎつつ更に良いKINGを創ってくれることと信じています。
KINGを通じて得られた経験も大きいですが、正直まだまだ自分の未熟な部分は尽きないので、KING引退後も引き続き精進してまいります!
改めまして、KINGを通じて関わってくださった皆様1人1人に深く感謝申し上げ、結びとさせていただきます。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
※余談
名刺を整理する機会があり、1枚1枚の名刺を見る度にその方へ想いを馳せ感慨深くなっていました(笑)。
直接ご挨拶出来ず名残惜しいですが、KINGを通じて関わることが出来て幸せでした。何かお手伝いできることがあればお声掛けください!
本当にありがとうございました!!