2022年のアニメ感想まとめ
おまたせしました!2022年に見たアニメの話をします!!
完走できるアニメがどんどん少なくなっていきますが、
続けられる限りは続けていきたい、このコンテンツ……。
(ヘッダー画像は水星の魔女ですが、該当作の話はしていません……。まだ完結していないから……。使った理由は2022年度に描いた新作アニメの絵がそれしかなかったから……)
・トロピカル~ジュ!プリキュア
傑作来ましたね。たまにこういう、とんでもなくセンスが良い作品が来るからプリキュアはやめられない……。
「舞台は南国、サンバを踊って人魚姫とメイクする」という、このコロナ時代へのカウンターに明るいものを!といってもやりすぎじゃろ。という要素を見事に御したまま最後まで突っ走っています。
とりあえず目の前のことに全力投球で日々を楽しむ主人公たち、相対する敵には愛嬌があって、マスコットは本当に役に立たなくて、毎回明るい気持ちになるのに、最後はテクニカル且つ感動的なフィナーレで唸らせて、感傷的に〆られそうなタイミングで、ちょける。
もう、手のひらの上です。言っちまえば「この時代に明るいものを」というテーマを掲げて、それに類するものを出されればこっちは文句を言えないわけじゃないですか。その行為は「正しい」から。でも、それにあぐらをかかずに、より良いもの、高度なもの、一歩先のものを作ろうとする。
そういった姿勢こそ感銘を受けました。こういうのをね、傑作って言うんですよ。
・スローループ
本作の味がわかる人間でありたいですよね……。
親の再婚で同い年の姉妹になった二人が釣りを通して関係を育んでいくという話なんですが……、作中に常に「悲しみ」と「諦念」が満ちていて、その詳細が話数が進むごとにちょっとずつ開示されていくんですね。
ただ、それが分かったところで、どうしようもない。何かを失った、ままならない人たちが、お互い気遣い、思いやりながら少しずつ前へ進むという、見た感じの雰囲気からは想像できない視聴感覚のアニメです。
くくりとしては「きららアニメ」なんですが!なんでこう、生きにくい世の中を活写しているんだ!
肝心の釣りパートは、有識者に確認したところ「?」となるところも多そうだったので、それはさておき。上記のような滋味を味わえる精神状態の人におすすめです。
で、本作のメインキャラの一人、恋ちゃん役の声優さんが廃業してしまって、続編に暗雲が立ち込めるのも含めて、人生のままならなさを突きつけてくれるアニメです。悲しすぎだろ。
・その着せ替え人形は恋をする
住む世界の違う二人が、共同制作者となることで、良い影響を与え合うお話で、
現代語の「オタクに優しいギャル」でまとめるにはもったいない、トラッドなバディものの味があります。
その上で、クローバーワークスの超絶クオリティで、本作のウリのエロコメディパートを制作すると、どうなってしまうのか。
不自然なところを矯め、下地を丁寧に作った上での、エロ。
スルッと、本来受け入れちゃいけないものが入ってくる感じ。恐ろしいですよ。
逆にいうと、このスタジオが作らなければ、そこまで話題にもならなかったかもしれない……。
(なんかふわふわ言ってるけど、面白く見ました)
・明日ちゃんのセーラー服
これも楽しく見たんですが、ちょっと気になったところが。
所作や表情の作り込み自体は素晴らしく、丁寧にやってるけど、物語ベースの整合性にはあんまり興味がないのかなと。
神は細部に宿るというけれど、ボクはその神にそこまで興味がないので、ちょっとハマりきれなかったところがあります。
ただ、物語まで作り込んだら、伸び伸びとした感じは失われてしまうかもしれないので、難しいところなんでしょうけど。
重ねて言いますが、楽しかったですよ。さすがのクローバーワークス。
・平家物語
全編、和紙の上に手仕事でアナログ彩色したような効果で、最高でしたね?
絵巻物の世界みたいにすることで、後年、(主人公で琵琶法師の)びわが語って命を吹き込んでいるのが、今ボクらが見ているアニメなんだとスーッと入ってくる。
あくまでもびわの視点だから、原作の名シーンなんかは端折られているか、かなりさらっと描かれているのが、味。
現在文書で残っている『平家物語』は、数多の琵琶法師がウケようと工夫したり描写を取捨選択、盛ったりしたもので、トップクラスに出来の良い1パターンなわけで、
びわが語りたい「平家物語」は、語り口鮮やかな合戦シーンではなく、徳子の優しさだったり、自害してしまう清経だったり、落ち延びたかもしれない資盛だったんだなと。
ある種の忠義で、鎮魂ですよね。生き延びた人間は、語らねば、彼らは貶められたまま永遠に死んでしまう。という。
物語の生まれる拍動を感じるような作品で、良かったです。
それはそれとして、建礼門院右京大夫ですよ!おれ、生きているうちに建礼門院右京大夫がアニメになって動くとは想いませんでしたよ。彼女もまた、生き延びて、語らずにはいられなかった人ですよねえ。
「いかにせむわが後の世はさてもなほ昔の今日を問ふ人もがな」
・シャーマンキング
いやー、完結まで付き合うことで、出しそこねていた夏休みの宿題を提出したような爽快感がありましたね。
ただ、物議をかもした「プリンセス・ハオ」の以降は、実はそこまで真新しいものはなく、まとめのためのまとめの感は拭えなかったので、「プリンセス・ハオ」で区切ってしまうのは、ひとつの正解ではなかったかと思う次第でした。
なんか来年続編やるらしいですよ!こええよな、令和。
・ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期
1期は本当に感動したんですが、2期は話を続けるための話、みたいな感が拭えず……。
「おかわり」は、必要な人とそうでない人がいるというわけで……。
・群青のファンファーレ
前提からなんですが、まず第一に「競馬学校の話って面白いのか?」というのがありますね……。
個性溢れる面々が一つの目標に向かって寮生活を行っても、ルールが厳格でゴールが同じだと、個性はかなり矯められるのでは……?
サマーキャンプで同期が仲良くなって、夜のコンビニやラーメン屋にダッシュで向かって、減量に苦しんで、怪我で必修を受けられなくて留年の危機に瀕したり……。
この辺、競馬学校あるあるなんですが、プロットとしてだけだと無味乾燥で、そこにどう味をつけるかだと思うんですが……。プロットをなぞっただけで、味、あんましなかったねえ。
競馬学校から物語が始まる、武豊原案の「ダービージョッキー」という大正解があるので、せっかくのアニメですが評価はカラくならざるを得ません。
タイミングとしてならバッチリだと思うんですが……。
ちなみに、元アイドルのジョッキーはいませんが、元子役のジョッキーはいます。
釣りバカ日誌(!?)の二代目鯉太郎役の菅原ジョッキー。
たまに、たまーに穴を開けるので、重宝します。まあ、彼が馬券内に入るレースはクッソ荒れるので、馬券とれないんですが……。
・盾の勇者の成り上がり 2nd Season
1期の一番最初に突きつけられた問題点は1期である程度片付いているので、2期はまさに、続けるための物語なわけですが、
それを面白がれるかどうかの分水嶺は、結局クオリティですよな。
1期はキネマシトラス単体制作でかなりクオリティが高かったんですが、2期はDRとの共同制作になって、かなり絵面が珍奇に寄って……。
そもそも物語としてのフックが弱まる二期なのに、強みのクオリティまで落ちてしまっては……。
最後まで付き合った俺は結構偉いですよ。尚文さま。
・であいもん
浅野りん先生ー!浅野りん先生ー!
浅野りん先生はなあ、90年代から「CHOCOビースト」「PONとキマイラ」とヒット作を連発して、世が世ならアニメ化しまくってたはずの人なんですよ!
オタク系ニュースサイト「MOONPHASE」の管理人cyanさんの名前の由来はPONとキマイラのヒロイン!それだけある世代には刺さる人なんです。
そんな人が、デビュー30年でとうとうアニメ化。すごいですよね、継続は力なり。時代や作品に合わせて、雰囲気、画風、物語を適宜チューンしながらだから、本当にすごいんです。
まあ、「であいもん」は、アニメよりは実写向きの作品の気もしますが、それはそれ!!
和菓子屋に居候する、今ひとつ他人行儀な小学生の一果が、
東京から舞い戻ってきた和菓子屋の跡取り息子との交流を通じて、少しずつ家族になってゆくという、オーソドックスながらも滋味深いお話。
小さな歩み寄りと、季節のお菓子、京都の四季。ちょっと情けない大人……。
時折不穏だけど、丁寧で優しいお話で、良いですよ。
・まちカドまぞく 2丁目
ボク、1期の感想で「最終話、孤独に向かう魔法少女を、魔族として説得(誘惑)するシーン、ギャグ調ですが、二人が宿命を受け入れつつ、新しい関係を結び直そうとするめちゃくちゃ前向きで美しいシーンでした。」
って書いているんですが、二期では新しい関係を2回くらい結び直しているんですが……。
いや、逆に誠実なのかもしれない。相手を知って、同じ時を過ごすほど、関係をアップデートせずにはいられないという。
単純なおかわりだと飽いてしまうけど、これくらいの味変があったらOKです。
・SPY×FAMILY(1期、2期)
1期はまあいいけど、2期の閉塞感、続けるために続けている感じ、あからさますぎるでしょ。
でも、まあ、このゆるやかな退屈こそ、人口に膾炙した作品のおおらかさなのかもしれません。
ところで、スパイファミリーそれ自体に落ち度はないと思うんですが、
「スパイと殺し屋にマイナンバーカードの宣伝をさせる我が国の厚顔」には流石に辟易しましたよ!?
これをさらっと受け入れちまうのは、おおらかさではないですよ!
・本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでられません 第3部
これ四期やらないのかな……。いろいろな思惑があるんでしょうが、こういうまとめ方をされたら、そういうお話だったと思えるんで、誠実な仕事です。
異世界転生した本好きの女の子が、自分の欲望のために本を作るも、それが社会の一部となり、最終的に家族とつながるための唯一のよすがになるの、本当に美しい話でした。
仕事ってそういうもんですよねえ。
・神クズ☆アイドル
実は原作ファンです。アイドルものの漫画は、アニメになると決まった時点である程度勝ち確なわけで(動きがついて曲がつけば、単純にバリューが増えるので)、まあまあ安心して見てました。
ただ、個人的にはあんまりテンポが合わなかったので(もっと間をギッチギチにつめてほしかったし、そういうスピードで読んでいたので……)思うところはあるのですが、楽しめました。
あんまりウェットにしないのが良い。
・リコリス・リコイル
視聴する前は、絶対コケるなと思いました(見る目がない)。
主人公二人(均等に扱ったら1クールじゃ足りない)、巨大なタワーがそびえ特殊部隊のいる世界観(世界観の説明に尺を使ったら話数が足りなくなるし、終盤のドラマ性を世界観に求めるとキャラが薄くなる)等、
1クールオリジナルアニメで人気出そうな要素を詰めて気負ったのかな……と勝手に見定めていました。恥ずかしいですね。
本作は早いうちに千束の物語に収束し、最後までキャラクターでドラマを作り、ドラマを閉じた、めっちゃ出来の良い作品でした。
その出来の良さには、ある種の自制心があって、それはキャラクターをプロットに服属させないことだったり、視聴者が不快にならないプロットのラインを堅守したり、わかりにくい部分、不要な部分を徹底的に廃したりするところで、正直、こういう丁寧な仕事に弱い。
まがりなりにもアニメを論じたり、評価を試みようとするならば、本作を高く評価しないでどうするのだという気持ちに突き動かされます。
・Engage Kiss
これこそ、世界観という負債を返すためにキャラクターが奉仕して行き詰まっている作品ですよな!
でも、作中の伏線にすべてケリをつけてハッピーエンドにしようという姿勢は偉い!!
・連盟空軍航空魔法音楽隊ルミナスウィッチーズ
制作が延期しているうちに、内定キャスト三人が体調不良で降板していたという情報を得、火事を見に行くような昏い気持ちで見始めたんですが(最悪)、良かったですね。
くくりはそうじゃないのに、22年に見たアニメで、いちばんきららアニメっぽかったです。これは褒め言葉です。
・オーバーロードⅣ
ずっと見ているし、面白くもあったんですが、ある程度のまとまりがないとなんも語る言葉をもたねえな!
・異世界おじさん
アニメ感想をサボっていたら、2023年まで延期されていた最終話を見ることができてしまった……。
原作のタッチをよくぞそこまで!という感じに再現し、作中のゲームの引用もきっちりしていて、
(しかもエルフの声が戸松さんだし!!)文句は特にないのですが、
もしなにか言うとしたら、構造の問題が一つ。
基本的に人間関係が一方通行で、かつその同じパターンがいくつもあるので、すっげー気疲れするんですね。
すべての矢印が基本おじさんに向いているか、おじさんを介して存在していて、人間関係に広がりがないというか、意外な組み合わせがないというか。
AとBが同じ場所に置かれたらどんな会話をするんだろう、という想像や、CとDってお互いをそんなふうに思っていたの!?みたいな驚きがない。
(それは多分、作品をきっちりコントロール下に置こうとすると、そういうふうになりがちってだけなんでしょうが)
作者は同人作品の名作が多い人ですが、オリジナルとして出力されたのが、あんまり同人に向かない感じの作品というのは興味深いですよね。
・異世界薬局
異世界転生した主人公は、特殊能力で眼の前の人の病んでいる場所がわかるんですが、OPで、次々と出てくる頼れる仲間たちが、みんなどこかしら病んでいるのちょっと笑っちゃうんだよな。パーフェクトに健康な人などいないのかもしれない。
仁とかドクターストーンとかの、現代薬学・科学を現地で再現!みたいなところに重きをおいていないので(そこにこそドラマがありそうな気もしますが)、ライトですが、ライトなりに面白さはあると思います。
ドラマが足りないので、世界観ネタを使ってまとめるかとおもったら(中盤そうなりそうな感じだったんですよ)、それをしなかったのも評価高い。
やっぱ医療ドラマの面白さは、人を救ってこそのところがありますよ。
・シャインポスト
最悪皆さん気づいていないかもしれないんですが、本作、座組が「ウマ娘2期」と同じなんですよ。その時点で期待しながらみんなかぶりつきで見てくれよな!って感じなんですが……。
あんまりみんな見てないですよね……。見てください!
本作の強みは、手堅さですね。オリジナルアニメを1クールで収めようとすると、どうしても尺足らずになるんですが、本作は
「メンバー紹介をしつつ、提示されている"中目標"を達成するに値する説得力を持たせる」→「メンバーが一つになり中目標(大目標だとコンテンツが終わっちゃうからね)を解決」
と、プロットを組んでいて、これは1クールだとかなり最適解だと思います。
また、各話の構成も、奇数話でメンバーの問題点を提示(少しミステリー調なのもミソ)して→偶数話で解決。と、収まりが良く、盤石。
「アイドルアニメの最後発」を自認しているからか、作中曲も「デレ系(コロムビア・ナムコのゲーソン)」や「ミリ・ラブライブ系(ランティス・アニソン)」からズラして「古き良きJ-POP系」!
なんかねえ、とにかく丁寧なんすよ。踊りが下手な子のモーションの一工夫あって、スッと「こいつイマイチダンスがうまくねえな」と得心させたり、
主人公に「嘘を見抜ける」能力があっても、それを視聴者へのヒントにのみ使い、解決の手段にせず、解決はすべて人間力と会話力で行うと!
見れば見るほど、味。なんですよねえ。
22年のアニメで「見ていないならぜひ見てほしい」一本を選ぶなら本作です。
わかる人にはわかり、刺さる人には刺さるアニメが、そもそも認知されていないのが悲しすぎる。
・5億年ボタン~菅原そうたのショートショート~
「5億年ボタン…
そのボタンを押すと100万円が出てくる…
その代わり5億年間何もない空間で過ごさなくてはならないというバイト…
しかし、5億年経った瞬間、
記憶は消され元の状態
押した本人の感覚では
一瞬で100万円というバイト…」
という思考実験をアニメ化したわけで、無限の時間の中でありとある哲学にたどり着いていくのが面白い。
スピノザ→ウパニシャッド哲学の流れなんか、掻い摘みながらもかなり正確だったんじゃないか。
最終話一話前のEDで、今まで出てきたちょいキャラが大集合したと思いきや
「使おうと思って買ったけど使わなかったアセット」や「ずんだもん」なんかが踊り狂って、
懐かしのニコニコ動画のあのノリを思い出してほっこりしましたよ。
なんか全体的に、アングラで、専門分野にはそれなりに真摯なの、昔のニコニコっぽい。
・ラブライブ!スーパースター!! 第2期
ボクは1クール目の上品さが大好きだったんですが、2クール目からいつものラブライブに。
まあ、これも味!
・ヤマノススメ Next Summit
とりあえずOPを御覧ください。ちょうかっこよくないですか?
かっこいいんです。
本作は、ショートアニメだった1期~3期の再構成と、新作アニメーションで構成されています。
今回やりたかった「○○○リベンジ」は、1~3期の集大成ですし、新規も呼び込めるしで、一石二鳥ですね。
(ボクもショートアニメ部分はけっこう忘れていて、ありがたい)
本作、ちょくちょく子供を気にかける親が出てくるのが独自の味ですよね。
山登り、子供だけで行かせるにはちょっと怖いですけど、仲間と計画立てたり、計画のためにバイトしたり、現地でのトラブルに対処したりと、自立心や積極性が身について、学びという観点からはかなり有意義なので、反対もし辛いジレンマが出てくるのもわかりますし。
ただ、受験の年の2月に山登りを許可する群馬県の親は、放任でもかなりありえないぜ!
(ただ、群馬県の受験は2月頭の前期入試と3月頭の後期入試がピークなので、前期で受かっている自信があるなら、前期後に行くのは別に悪くない/どんな胆力だとは思いますが……/ちなみにこの入試制度は今年変わるので、このかっこがきはこの瞬間限りの真の駄文になりさがります……)
・Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-
放送直後、めっちゃ「ガイナっぽい、フリクリっぽい」と言われていましたが、
「いや、この画面づくりは魔法少女なんてもういいですから……じゃろ」と思っていたボク、高みの見物。
終盤、物語を終わらせるための危機が唐突にさしはさまれましたが、ヌルっと引きずらずに解決するのが良かったですね。
それでストレスかけるのは作劇の都合で、手段でしかありませんからね。
最終的に本作が提示したかったものの重要なピースというわけではないでしょうし……。
・アキバ冥途戦争
ボクは本作の一話を見た瞬間「ふざけてるから真面目に見ると裏切られるな」と見切ろうとしたんですが……。
本作は、実録物(仁義なき~とか、県警対組織暴力とか、実在の事件をモデルにした"てい"の陰惨なヤクザ映画のジャンルのこと)の舞台をアキバに、ヤクザをメイドに置き換えて遊んじゃおう!というコンセプトなんですが、
真面目に実録をやればやるほど救いはなくなり、画面も心も暗くなり、諦めやシニカルな空気に作品が支配されるわけで。
その空気をしっかり打ち出してきたのが偉い。その結果、ラストシーンの、ちょっとアニメ的な楽観が活きてくる。
この題材を、このコンセプトで、アニメでやった意義みたいなのが出てくるわけですね。
花が汚泥に沈むのが実録なら、本作は最後に汚泥に花が咲いたような、ちょっとひと味を見せてくれたと思います。
・ぼっち・ざ・ろっく!
本作もディテールがウリなんですが、ディテールがテーマや、その瞬間一番魅せたいものに服従しているので、
見ていて疲れないし、目があっちこっち行かないんですよね。
細部から作ろうとする作品は個人的にはアレなんですが、本作みたいに、中心があっての細部はOKというか。好きですね。
後藤ひとりが、みんなでファミレスで軽くつまんで帰ろうというときにひとりガッツリプレート頼んでしまうのとか、
ステージでみんなが中央を向くとき、機材の関係で半身しか向けない後藤ひとりとか。
あー細部。テーマに服従している細部……!と嬉しくなりますね(そんな嬉しがり方ある?)
あと曲が良い。バンドをテーマにした作品で曲が良いの、いちばん偉い。
・チェンソーマン
いくらクオリティが高くても、こういうまとまりに欠ける切り方をされるとねえ!
んで!2021年のアニメTOP5はこんな感じ!
1 ぼっち・ざ・ろっく!
2 リコリス・リコイル
3 シャインポスト
4 平家物語
5 トロピカル~ジュ!プリキュア
2023年も素敵なアニメにめぐり逢いたいですね。
ではでは。
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