2021年のアニメ感想まとめ
2021年に見たアニメの感想をだーっと書きました。
転職しまして、定時で帰れるのが月1回のみみたいな環境におかれ、アニメを見る気力がかなり減衰しましたが、見られる限りは見ていきたい……。
アニメ感想
・ひぐらしのなく頃に業・卒
いやー、令和にひぐらし39話やって喜ぶやつおる?
……ワイやった!まさかの、ワイやった……。
ということで、ひぐらしのリメイクです。
個人的にこれ、めっちゃテクニカルでイカした作品だと思っていて……。
原作のひぐらしが、情報が極端に制限された事件パートと、同一事件を別視点から解き明かす解決パートに分かれていて、
解決パートは事件パートの情報が前提の作りになっているわけですね。
で、リメイクアニメ。ひぐらしにすでに触れている人間からすると、事件パートの情報はすべて既知なわけで、なんかもう古典やジブリに触れるような感覚で「お!弁慶の六方!」「バルス来るで!」みたいなノリで楽しめるはずだったんですが。
本作、こっちが原作の情報を持ってる前提で、ひっかけ入れてきます。
渋いですよねえ。メタですよねえ。令和ならではのドライブ感ですよ。
ボク、どうせリメイクだから見なくても良いやと思ってたんですが、界隈が変なざわつきかたしてたんで、ついつい見ちゃいました。思うツボですよねえ。そうそう、ひぐらしってそういう奇計みたいな作品でした。
で、飛び道具的展開を絡めながらキャラを掘り下げ、最終的には原作ではたどり着けなかった景色を見せてくれるんだからたまらんですよ。
これを正史とするのはどうなん?という向きもありましょうが、自分の好きなものを正史として選び取ればええ。そういう楽しみ方が許されているはず。
なんにせよ、3クール釘付けにされちまいました。すげえです。
・裏世界ピクニック
原作買ってます。好きな作品です。
ネットロアを引用し、作品世界に流入させる塩梅が絶妙で、馴染んだ手触りのはずの世界がどんどん変質していくライド感がたまらねえですよ。
閑話休題。
本作、アニメ化する意義はめっちゃあって。原作でも、扱われているネットロアでも、怪異のビジュアルがほとんどビジュアルとして描写されることはなくて、それに形を与えるだけでもやる意味はある。
もちろん、形が与えられた時点で恐怖の閾値が生まれるのも事実なんだけど……!形が与えられることそれ自体が、新たなネットロアの下地になって、引用されるべき存在へ本作を近づけるんです。
玄関先のおばさんが突然でかくなったことに妙に感動してしまったボクがいるように、何かの種を植え付けられた人がいるはず……。
・Re:ゼロから始める異世界生活 2nd season
こっちはリゼロだけ見てるわけじゃねーんだぞ!と言いたくなるような、容赦のない分割。しかも分割箇所もキリがいいわけでもなく……。
こうなってくると作品の面白さとかはほとんど関係なく、おれの記憶との戦いなんですよ。
記憶が持たないと末梢的な面白さしか判断できず、もったいない視聴体験になってしまうわけです。
一工夫ほしいぜ……一工夫してくれ。おれに工夫させないでくれ……。
・Dr.STONE
上記作品とは違って、話数制約が厳しそうな本作。
続きものを1クールでまとまりを持って終わらせ、次クールの足がかりにし、その上で満足感を持たせる。
渋い仕事ですよ。制約の中でも原作者監修の元アニオリ入れて描写膨らませてますしね。
原作しか読んでない人知らんでしょうが、カップラーメン作るんですよ!
原作読んでいたときは気になりませんでしたが、これで兵站問題も解決。妙手ですよねえ。
・WIXOSS DIVA(A)LIVE
WIXOSSといえば、マリーがシリーズ構成を辞めたあとも、
バトルに勝てば望みが叶い、負ければ代償を払う、魔法少女系カードアニメをやってましたが……。
もう流行りじゃないですよね。今回からカードバトルに勝ったらみんなの前でライブが出来るアニメになった。
時代に即しているね!こういう節操の無さは、むしろ視聴者マターの感がして好感が持てますね。
・IDOLY PRIDE
完全にネタにしづらいアンタッチャブルなアニメになってしまいました……。
本作、初手で、同級生であるプロデューサーと高みを目指していた有望株のアイドルが事故死するんですが……。
「そのアイドルの幽霊」と「そのアイドルの妹」と「そのアイドルの心臓を移植されたアイドル志望者」が
そのプロデューサーのもとに押しかけるという、三作品分くらいの濃い要素がぶちこまれるんです!
そこからさらにグループ二つ組める分のアイドル志望者と、ライバルアイドル軍団を投入し、メイン級登場人物はもう飽和状態!
いくらソシャゲの宣伝も兼ねているとはいえ、ワンクールでこれは……。
ただ、ストーリー自体はオーソドックスで、筋は覚えているあたり、割り切ってるんでしょうが、
それにしてもボク、登場人物の名前一人も覚えていないですからね……。
ノルマ(?)としてのキャラ立てに成功しているかはどうか……。
ただ、曲はどれも良かったので曲のプロモーションとしては大成功だったと想います。EDの沖井サウンド、あれは良い……。
・おしえて北斎!-THE ANIMATION-
この、予定通りの収支出てそうなアニメ、たまらんな……。
秒でこっちの肩の力を抜かせて、くだらないネタばかりの中に輝く本当に言いたいことをすっと忍ばせる。
匠の技だった気がしますよ。いや、このアニメが2021年トップクラス!みたいなことは絶対ないんですが……!
それでも、こういう方向性を志向するものとしては、色々と感心しちゃうんですよね。
・ワールドウィッチーズ発進しますっ!
前作の「501部隊発進しますっ」が好きだったので、おおむね楽しめました。ただ、501の話と502の話を交互にやる意味がそこまで……だったのが難ですかね。
501の連中はブルドーザーみたいな連中だから、あいつらの後だとなんでも薄れてしまうんですよね……。
・PUI PUI モルカー
もちろんキャッチーで、タイミングというのはあったと想いますが、
こういう手間がかかっていて行き届いている作品は、ただただ人の胸をうちますよね。
ふわふわな世界の手触りを感じ取れた時点で、勝ちですよ。
・のんのんびより のんすとっぷ
様式美っちゃ様式美なんですが、分校を舞台にした作品を卒業式で終わらせるのは品があって良いですよね。
田舎の春夏秋冬のイベントをしっかりと描いてきた作品なので(夏に道普請するの最高だった)、春に別れと出会いのお話をやって〆るのは、筋が通っていてあらまほしかったです。
・戦闘員、派遣します!
アニメを見ていて、時代を反映したシーンを見ると感動しちゃうタチなんですが、本作、最終話で主人公が大怪我するんですが、その際ヒロイン?の美少女アンドロイドが介護(下の世話)しながら「お前がジジイになってもしてやるぞ」って言うんですよ!!
もうねー、頭の弱そうなヒロインを「要介護ヒロイン」なんてバカにして愛でる時代は終わりましたよ(ひどい時代だ)。
今は「介護してくれる系ヒロイン」に時代が移り変わったんですよ。この不確かな時代……。
ただまあ、家族というだけで介護のミスマッチというか、望まぬ介護、望まれぬ介護が世に横行していると考えると、相手を介護したい、この人になら介護されたいという関係性は本当に奇跡のようなものかもしれませんね(いい感じ風にまとめる)。
・やくならマグカップも
ドージンワーク方式!!(アニメ半分、実写半分で30分枠を埋めるメソッド)
ですが本作、もともとが多治見市を元気にするためのフリーコミックが原作で、実写声優パートも、キャラの声優が多治見市の名所を観光する、多治見市肝いり企画なので、必然性にあふれてはいるんですな!
本編も、陶芸とは……から、私が陶芸でやりたいことは……と、丁寧に発展してくお話で良かったです。
本作の成功というのがどの辺にあるかは明確にはわかりませんが、
望ましい結果が出るにふさわしいクオリティは出ていたと想います。
・スーパーカブ
孤独で粗食のハードボイルド女子高生がスーパーカブを手に入れて、行動範囲から思考まで変わっていくお話です。
よく、おっさんを女子高生に変えただけの話~みたいに揶揄されますが、この、行動範囲が広がることで選択肢が増えて、ちょっとずつ事態が好転していく感覚というのは、多くの人に共感できることなんじゃないかなあと想いますよ。
若者は一回くらい一人暮らしすべきだし、使ったこと無い公共交通機関は使ってみるべきです。
就職先も市外から県外まで、一寸調べてみるべきなんです。おっさんとの約束だ。
.・Fairy蘭丸~あなたの心お助けします~
こっちとしては、イカれたアニメが来るぞ!ガード固めろ!
と納得ずくで見始めて、ガードした腕を折られたみたいな視聴後感なので、そこまでの被害は出てないんですが。
たまたま本作を見ちゃって、ノーガードだった故にドハマリしちゃった人が、羨ましいです。
キャラの奔放な振る舞い(特にうるうさん、あれは何なんだ……)が神話ライクで、徹底して低俗なのに、それだけに堕していない感じがすごかったです(ボクの勘違いかもしれませんが……)。
あとEDが名曲で、残業に殺されそうだった時、この曲が脳内に流れてきたら仕事が終わってなくても帰るという自分ルールに則ったおかげで、死なずに済んだということがありまして、それなりに感謝している作品でもあります……。
・Thunderbolt Fantasy 東離剣遊紀3
なんと今回で西幽のお話は一区切りで、次回から魔界もメインになっていくらしいですよ!
これは……ついていくのが大変そうだぜ!
閑話休題。今期のテーマは「女難」という感じで、殤不患も浪巫謡も、ファム・ファタールのせいで一期二期の闊達さというか、無敵感が薄れて、なんとも言えない味が出てましたね……。
この、英雄の弱点が総じて女というのは、GENの好むところらしいんですが、視聴者の好みは分かれそう。
GENの中ではすべてが一続きなんでしょうが、断絶を感じてしまうこともあるんだなあ。
・Vivy -Fluorite Eye’s Song-
リゼロの長月先生がシリーズ構成を担当するオリジナルアニメの二作目です。
シグルドリーヴァみたいな、続編というか展開への色目が無い分、まとまりがあって好いたらしい。
オラ、SFには宝石のようなまとまりと美しさを求めちゃうから……。
本作「シンギュラリティ」と「歌」という素材を見事に織り上げて、100年間心を持ったAIが「失い続ける旅」を描いているんですが、終盤、その「歌」が本当に底意地が悪く使われていて、ただ最高なんですよ!
ぜひ皆さんにもこの「やられた!」感を味わってほしい……。
性格が悪いだけで、全体的に出来の良い良作なんですよ。
・美少年探偵団
OPで踊り狂う足の長いイケメンからしか摂取できない栄養がある……。
いやあ良かったです。西尾維新って実はミステリ作家で、日常のレイヤーを見事にズラす構成が良いんですよね。
・聖女の魔力は万能です
1クールに一本くらい異世界転生モノを見ておくか案件で見始めました、面白かったですねえ。
権力者に庇護されて好きな研究に打ち込むのは、謳っているスローライフなのか?と思わんでもないですし、そこから国家に取り込まれそうになるのもスローライフじゃない気もしますが、それを踏まえても独特の緩さがあって好きでした。
いや、我々、そこまで仕事嫌いじゃないんですよ。拘束時間と、ストレッサーがなければ、結構働ける。
なので、思うままに仕事をしているセイは、定義に疑問はありつつ、たしかにスローライフ、理想の社会人の姿ではありましたよ。
・幼なじみが絶対に負けないラブコメ
過去に苦しんでいた人が過去に救われる話でしたね。良かったです。
記憶が……。
・バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!
「大運動会」が好きな自分にとって悪い夢のようなアニメで、悪口を言おうとすればいくらでも言えるんですが、誰のためにもならないので……。
それでも一言いわせてもらえれば、前作「大運動会」の本質ってどこにあるんでしょうね。
アイラの祖国が買収されて、アイラが心ならず棄権するのが大運動会なのか、自分の妹分だと思っていた相手の覚醒に焦って競技中に思わず足を引っかけようとして、逆に自分の足をくじいていしまういっちゃんが大運動会なのか。
そこの大運動会観が、ボクと作り手で確実にズレていたと思うんですよね……。
・乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…X
キース回!
カタリナ本人が誘拐されたり、キースが誘拐されて虐待されたりしてるのに、皆さん特に引きずらないのがめっちゃいいですよね。このライトさよ……。
・探偵はもう、死んでいる。
今から探偵はもう、死んでいるのネタバレをしまくるので、少しでも見ようという意思のある人は飛ばしてください。
―――――以下ネタバレ―――――
「人気のあるヒロインが作劇の都合上早々に死んじゃって、以降消化試合になるラブコメ」が好き……という、自分でもよくわからない癖(ヘキ)があるんですが、本作はまさこを突いてくるものでした。
筆者自身はメインヒロインこそ一番可愛いと信じており、その死んじゃうヒロイン(主人公の探偵としての師匠でパートナー、銀髪で国籍不明、ちょっと年上のおちゃめなお姉さん/自分を助けてくれたというおまけ付き)の描写は最低限で済まそうとしたようなのですが、編集者に、その死んじゃうヒロインの魅力を見いだされてしまい、描写を大強化……その結果、死んじゃうヒロインが死んじゃった後の話が、ものすごい消化試合感に!いやあ、過去と現在の描写を行き来して、過去がどう現在に合流するか(なぜ探偵は死んじゃったのか)が主眼の構成なんですが、食べ残しみたいな現代パートに戻るたびにがっかりしちゃうの、これは正しい楽しみ方なのか!?物語に没入できないの、構造的欠陥では!?(失った探偵の魅力を再認識するという点ではものすごい追体験の気もするけどさ)
最終的に、メインヒロインはその死んじゃった探偵の心臓を移植されており、主人公はその面影をメインヒロインに見ることが出来るみたいな着地点に落ち着くわけですが、上記の問題点に加え、そこに至るまでにもうひとりヒロイン格の女の子(ちびうさポジション)が死んでいたりと、全てがとっちらかっているのを無理やりまとめた形になり、最終回のライド感たるや言葉にできない。成立してんのか?これ。弊社の次長が「娘が見てるんだよ」と言った際、ボクが「娘さん、バカになりますよ」と返してしまったのもむべなるかな、ですよ。
・・・
あと、人に本作を紹介する際絶対に話す回があるんですが、
主人公の仲間(女性)に化けた敵が正体を表すと二メートル以上身長がありそうなワーウルフで、敵のボスに突然首を落とされて死に、なんやかんやあって敵の一派に拉致された主人公が国会議事堂の地下に幽閉され、それをロボに乗った探偵が助けに来る回があるんですよ。(恐ろしいことにすべて本当で、且つ同一の回の中で行われるんです)
最高でしょ?
ボク、緋弾のアリアという名作アニメで、ワーウルフに向かって「あんたの正体はドラキュラ伯爵!!」と叫ぶシーンにいたく感銘を受けたのですが、そのときの感動を思い出しました。
なにこれ?おれを翻弄するんじゃない。
――――ネタバレ終わり―――――
というわけで、令和の「緋弾のアリア」、「探偵はもう、死んでいる」をみんな見てくれよな!
・転生したらスライムだった件 第2期
「スパイの手引から自分の国が襲撃される」→「襲撃した相手への復讐」(13話分)→(放送休止期間)→「黒幕への復讐+α」(13話分)という流れになるんですが、前半が濃厚だった分、あと、休みを挟んでクールダウンされたせいもあってか、後半が間延びした感じに思えてしまいましたね。こういうのは長期作品の宿命なので仕方ないんですが。でも、ボクが覚えられている分エラくて、(別作品ですが)もう、オーバーロードの記憶は無いですからね……。その点転スラは頑張っているといえる気がしないでもない……。
・小林さんちのメイドラゴンS
作品に付随する色々な感情が邪魔して、最初は本当に辛かったんですが、最終的に気にせずケラケラ楽しめたので、良かったし、すげえなと想います。
作品は独立したものという作品論は大嘘ですよ。我々は作品について考える時必ず作者を想定する(それが実際の作者と同一かは問わない)し、その作者についての情報が作品鑑賞を歪ませることもある。
だからこそ、そこから解き放たれた一瞬を提供するっていうことは、本当に尊いことだと想います。
・かげきしょうじょ!!
ボクは原作が大好きなんですよ……。
なので、アニメファンがどれだけ褒めても、楽曲が良くても、原作者や演者が楽しそうにしていても、本作を手放しに褒めることはしたくないんですよね……。
ボクは本作を「ファストかげきしょうじょ」とくたしているんですが、原作者の意向で「シーズンゼロ」をやった上で1クールにまとめるために、作品内のありとあらゆる描写を削っている。それはいいんですが、その削り方が「ここは削っても成立する」「そこを削ったからこっちで帳尻合わせよう」みたいな、場当たり的なものに感じられてしまうのが鼻につく。感覚のような話で申し訳ないんですが、
「再構成」なら納得できても、「その場しのぎの帳尻合わせ」と感じられた瞬間、それは納得できないものになる。
大抵において、削られたもの、手からこぼれ落ちたものに、そのものの本質はあったりするんですよ。
ワンチャン二期もあると思うんですが、改変した場所はまた、帳尻を合わせるようにセリフを継ぎ当てするんですかね……。
・ウマ娘 プリティーダービー Season 2
個人的に、「歴史モノの面白さ」を再認識した作品になりました。
Season2ではトウカイテイオーとメジロマックイーンが主人公扱いになるんですが、現実において、トウカイテイオーとメジロマックイーンなんて、一回しか一緒に走ったことないんですよ。
でも、一回しか一緒に走ったことがないことが、物語の原動力になる。
ツインターボとトウカイテイオーも、なーんも関係ない。だけど同世代で、且つ、メジロマックイーンを負かせたライスシャワーと走ったレースで大勝ちしたことを、物語の重要なピースに持ってくる。実際の競馬史のピースとピースを有機的につないで、
感動しないわけがない1993年の有馬記念へ、想像以上の感動を伴ってなだれ込んでいく。
すごいものを見たなあと想いました。
実際の競走馬をモデルにして、走ったレースの結果はすでに周知のもので、それでも面白く描くことが出来るというのは、ドキュメンタリーや歴史モノの仕事で、本作は紛れもなく歴史モノでした。史実に嘘をつかず、行間を夢でつなぐ、素晴らしい仕事。
面白かったです。
・ぼくたちのリメイク
全体的に妙な生々しさが良かったです。
タイムリープものなんですが、一番最初の後悔が芸術系大学に行くか、一般的な学部に行くかな時点で、あー生々しい……なんか記憶の蓋が開いてきた……ってなりました。なりますよね……。
いやあループ前の主人公、一般的な学部を経て、(ブラックだけど)ゲーム会社に就職しているので、その点めっちゃ偉く、行き届いた作劇だなあとは思うんですが……(その気遣いすらも生々しい!)。
ブラック企業での調整力と、度量の広さを持って、憧れのクリエイターたちの同級生になったものの、自分の能力を発揮した結果、みんながみんな夢を諦める未来にたどり着くのが最高です。
本来なら名シナリオライターになるはずの貫之が、普通に就職してその文章力を持て余すような日記(空想力や発想力が完全に失われた)を個人ブログで書いているの、本当に地獄で、胸を打ちます。
地獄の中で光明が見えたところで一期終わりなんですが、これ、二期の情報ありましたっけ……。
個人的には、地獄の只中でも光明が見えたら終わりにしていいというルールがあるんですが、本作は地獄が地獄なだけに……。
・ラブライブ!スーパースター!!
本作のラブライブ、今までのシリーズで一番品が良いと想います。
オススメです。
受け入れ、噛み締め、立ち向かう、茶化さない人間たちは本当に信用できます。
それはそれとしてたんくーくー、彼女は良いよ……。
頭が良くて、自分の主張ははっきり言って譲らず、でも異様に体力が無い。あと手のひらくるくる。
これ、かなり最近の中国沿岸部の若者イメージに近い……。
・無職転生 ~異世界行ったら本気だす~
面白かったですね。下品で、粗野で、小さい女の子の裸体が多いので、本当に人様に見ていることを知られたら致命的であることを除けば……。
中世の倫理観レベルに則った上で、現代日本人向けにチューンしてある手つきの見事さ。
馬、馬車、ガラス、石造りのリアリティ。女の子の描写がかわいい。
至るところに気が使われていて、金かかってんなあ、気合入ってるなあと想います。
あとはそれに乗っかってる物語が好きになれるかなんですが、ボクはまあ好きでしたよ……他の人は、知らない……。
・白い砂のアクアトープ
お仕事シリーズは、絶対に敗北する話なので、旅館は潰れるし、町おこしは志半ばで終わる。思い出の水族館は潰れる。では、その上でどうするか、どうあるかが主眼になるんですが。
いやあ、結構面白く見ていたんですが、あんまり記憶ないですね!
本作の座組って、「色づく世界の明日から」と同じですが、視聴後感がかなり一緒。キャッチーなセリフはないし、心に残ったシーンもないんだけど、まあまあ楽しかったこの感じ……!
個人的には、もう一滴毒がほしいんだよなあ……と想います。
・結城友奈は勇者である -大満開の章-
延命措置。
いや、視聴に際し、こっちが真剣さを担保せざるを得ない作りをしているのに、これはさあ。
ガルパンの最終章は「照れ」みたいなのがあって可愛げがあるけど、本作は照れたら不誠実だし、八方塞がりでは?となるんだよな。
・異世界食堂2
めっちゃ助けられている、こういうアニメに……。
忙しい日々の中、スキマ時間にアニメを見ると、気合を入れずに見られるこういうアニメがファーストチョイスになってしまい、そういった作品によせる期待なんかもあるんですが、見事に答えてくれている。ありがたい限りですよね……。
・アニメ「ぐんまちゃん」
全体的にめっちゃ良かったです。大上段に説教されそうになると構えちゃいますが、日常のちょっとした瞬間瞬間に、さらっと挟まれた人生訓には唸らされるところがあります。
いやあ、子供向け?のアニメで
「大人もたまに自分を制御できなくなってこういう風になっちゃうんじゃ」
みたいなこと言わんでしょ。でも誠実だし、なんか人生に寄与する教えですよね。(ものしり博士大好き)
軽やかに好き勝手やってる感がありつつ、ぐんまちゃんブランドを確立し、損ねていない感もあるの、プロの手仕事だなあと想いますね。
・ワールドトリガー 3rdシーズン
一番作画良かったの、最終話一話前の、二宮VS弓場なの笑っちゃった。
最終話一話前は、そこ以外にもいたるところにアクションの気が利いた見せ場があって良いです。
・オッドタクシー
群像劇としては楽しませてもらいましたが、ミステリと捉えると、粗が先に目立ってしまうというか。
「こういうギミックを用意するからには、こういう話だよね」という、ちょっとメタ的な考察というか経験則で見ていくことを何回かしていくと、あっけなく本作の謎の中核にたどり着けてしまう。それはチェーホフの銃でなしに、無駄なところが少ないという美点ではあるんですが、翻って練れていないこと、魅せ方への意識が不十分であることの証左でもあると想います。たとえば、ソシャゲのデータが消える演出(あんなことはありえない)、ミステリ作家なら絶対に通さないじゃないですか……。
と、文句は言いつつも、キャラクターものとして楽しませてもらったので、総じてまあまあ良かった気がします。それでも、本作がミステリものとして過剰に評価されるのには疑問符が残ってしまうので(性格が悪い)、こういう描写からネタが割れない?その辺を無視して手放しで褒めるの違くね?というところを伏せ字で載っけておきます。それはそれ、これはこれなんだよ……
・・・ここから・・・まず仮面のアイドルが出てきた時点で、入れ替わりネタが頭に浮かぶ。そしてそのネタを「使い切る」なら、三矢が浮いているので、まあこの辺をオチにするんだろうなとなる。出したネタを使い切ろうとするのは誠実ではあるけど、その手つきでトリックが割れるのはちょっと雑。この世界が動物の世界じゃなくて単に小戸川の認識でしかないというのは、作中の軽口に「種族いじり」がないことからわかってしまうのでサプライズたり得ない。いや、それも誠実さではあるんだけど……。「オットセイなのに泳げない」という言葉が出てこない以上、小戸川はオットセイじゃないわけで……。あと、小戸川がネコ娘を監禁している的なミスリード、あれも本当にネコ飼ってるようにしか見えないの、雑では……?
ということで「真面目なのは美点だが、たまにとにかく雑」というのが、本作を手放しで褒められない理由なのでした。でも、雑でも面白いこたあ面白いので、その辺は一部の作品とは一線を画しているんだよな……。
・・・ここまで・・・
・ゾンビランドサガ・リベンジ
めっちゃ楽しみにしていて、更新された直後にいつも見ていたんですが、
その瞬間その瞬間は感動していたんですが、あんまり記憶がないんですよね!!
最高。あのラストを持ってきちゃうの、愛嬌。
意図された演出かは知らんのですが、大災害が起こっているただなかに、愛ちゃんが誕生日を迎える(ボクの誕生日と同じなので覚えていた)んですが、完全にスルーなんですよ。こんなに緻密なアニメを作る人たちなんだから気づかなかったワケはなく、意図的にスルーしたと思うんですが。
誕生日に気が行かないくらいの大災害と、ゾンビになって誕生日にリアリティがなくなってしまったこと、なんか……遠くにきちゃったなあ……という寂しさが「描かないこと」で描かれていて良かったです。
(結構記憶あるじゃん)
・SELECTION PROJECT
オーディションリアリティー(ボクの世代ならASAYANだ)を通して、ぶつかりあい高めあい、アイドルを目指す女の子たちの話です。
逆に今っぽい。
で、本作はある一点が、別の同ジャンルのアニメとかぶってしまったせいで、非常に軽視されている感があるんですが……(いや、一年に3回、心臓移植されたヒロイン見るとは思わんよ)。
本作、作劇が非常に真面目で、好感が持てるので、ネタ被りした一点で馬鹿にされるのはちょっと……となりますね!
ドナーの家族と、サバイバーとしての申し訳無さを歌に消化するまでの手つきの丁寧さ。
ある種のちゃぶ台返しを、「世界から独立した自我が、冒険を経て再び世界と(あらまほしい)関係を結び直す」という英雄譚のメソッドを踏襲しながら、楽曲の力と合わせてこちらに飲み込ませようとする構成の妙。
気が行き届いているなあと感じ入ります。すごい気に入ってしまったんですが、ボクの周りに見ている人、スゲー少ないんですね……。寂しい限り。
ボク、聖地巡礼行ったからね!(大宮駅と高崎駅に行っただけで聖地巡礼を気取れるぞ!)
んで!2021年のアニメTOP5はこんな感じ!
1 ウマ娘 プリティーダービー Season 2
2 ラブライブ!スーパースター!!
3 SELECTION PROJECT
4 ゾンビランドサガ・リベンジ
5 ひぐらしのなく頃に業・卒
2022年も素敵なアニメにめぐり逢いたいですね。
ではでは。
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