「無償の応援」という私の原体験
「応援」がテーマの仕事を始めて、自分の応援体験を掘り起こしてみた。
というのも、応援には本当にリターンのないものがあって、なぜ応援をするのかを紐解かないと、仕事の精度が上がらないからだ。
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僕の応援体験は中学生時代に遡る。
中学生時代、僕は生徒会長をやっていた。
通っていた中学では、委員会活動が盛んで、全委員会の委員長も選挙にて選出していた。
そして大体の委員長や生徒会役員は対立候補がおり、選挙期間中の挨拶運動や当日の立候補者自身の演説と応援演説がある、かなり盛り上がるイベントだった。
任期は1年間なので、後期から1年生と2年生が選挙にて選ばれる。
2年生は、おおよそ1年生のときに生徒会役員だったメンバーが選挙に、そして応援演説は引退する生徒会メンバーが務める。
1年生においては、人気が主な票獲得の要因で、応援演説も人気のある先輩が務める。
出来レースというと言い過ぎなものの、スタートラインは確実に違う選挙ではあった。
そんな中、僕は1年生のタイミングでは選挙で負け、2年生のタイミングでの初チャレンジをした。
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前置きが長引いたが、こんなバックグラウンドのなかでの生徒会会長選挙への立候補となった。
選挙に立候補した2年生当時、僕は生徒評議会の副委員長をやっていた。
評議会も委員長で立候補したものの、先輩に負けてしまい副委員長になった。
ただ、ここでの対戦と評議会活動を、そのときの委員長である先輩と生徒会の先輩陣が買ってくれた。
このおかげで、先輩陣の応援を得ることになった。
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ここからの応援が本当に凄まじかった。
僕は、評議会の委員長であった先輩に応援演説を頼んだ。
選挙期間中は、毎朝早く学校に行き、校門の前で挨拶運動をする。
ここで名前を覚えてもらったりするわけだが、なぜか先輩は僕よりも早く学校にいて、僕抜きで挨拶運動をしてくれていた。
その他にも、3年生の教室を周り、票をかき集め、結果3年生からの支持率は90%を超えていたらしいと、後に選挙管理委員会から聞いた。
また、生徒会の先輩陣からも応援があった。
先輩は僕の対立候補の応援演説を受けていたが、かなり僕のことを応援してくれていたし、応援演説の内容も「よく考えて選んでください」という内容だった。
そうしてたくさんの応援を得た僕は、これまでの風習だった「1年生役員が2年生でも役員になる」を打ち破り、生徒会長になった。
そのときの先輩たちの卒業式では、先輩たちに一緒に写真を撮ってくれと、ちょいとチヤホヤされた。(自分の卒業式ではチヤホヤされなかったが。)
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久しぶりに思い返してみたが、思ったよりもしっかり覚えているくらい、強烈な応援体験だった。
熱い応援を受けることで、目標が実現することを僕は知った。
そして、無償の熱い応援は、さらに周囲を巻き込んでいくことも知っている。
なぜここまで先輩は無償で応援をしてくれたのか、いまとなっては聞く術もない。
共感があったのか、感動があったのかわからないが、変革が見たかったのかもしれない。
同じ世界が見たかったのかもしれない。
挑戦があり、その先に世界があり、だからこそ強い応援がうまれ、最初の人だけが頑張らなくても夢が自走するのかもしれない。
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改めて、いま僕は「応援」がテーマの仕事をしている。
僕の応援体験は小さなものかもしれないけれど、こんな応援を得て夢を実現する人がたくさん出てきたら素敵だなと、心から思う。
だからこそ、いまの仕事を通じて夢を叶える人をたくさん生み出していきたい。